アメリカの女性誌『allure』は先日、「アンチエイジングという言葉を使うのをやめる」と宣言した。女性たちは、年齢と美の関係を新しい局面へと昇華させたのだ。「アンチ・アンチエイジング」論は以前にもあったが、今回は若さだけに拘泥しないという前向きなメッセージを孕んでいる。しかし、男性は今まで加齢と見た目の関係をまじめに考えたことなどほとんどないはず。だからこそ先進的な女性たちとは反対に、今こそアンチエイジングに向き合うべきだとボクは思う。もちろん無理をして年齢に抗うのではない。ムダに老けることをやめるだけでわれわれの見た目ははるかによくなり、ひいては健康維持にもつながると知るべきだ。


 私ごとだが、以前本誌でも紹介されていた分子整合栄養学の検査を受けたら肝臓が疲弊していることが判明。ボクはこの20数年、毎日飲酒していたが、3ヶ月間きっぱり禁酒し、糖質を抑える食事に替えた。すると肝機能が上がり、本来なすべき解毒が適切に行われるようになったのであろう、みるみる見た目が変わった。余分な脂肪が落ちて「精悍になった」「若返った」と言われる。内臓の改善と言うとたいがいの男性は納得するが、見た目をよくしたいと話すと途端に軟弱だと言う。ましてや年齢に抗うなんてと鼻で笑われる。それは美を目的に掲げるがゆえに起こる誤解。体の内的な不調が肌に表れることが解明されている現在、男のアンチエイジングの目的は美ではなく健康だ。むしろ抗うべきは、年齢ではなく凝り固まった思考だと思う。


 皮膚は臓器である。世の男性諸氏にはそう認識してほしい。顔や体を覆う皮膚は外界からの細菌やウイルスの侵入を防ぎ、体内の重要な水分の蒸散を防ぐ役割を担っている。これは「バリア機能」と呼ばれ、免疫の最前線。なかでも、目の敵にされがちな皮脂は天然の保護膜であり、とりわけ重要なものだ。思春期以来、多くの男性は皮脂を毛嫌いし、落とすことに躍起になる。しかし、それは大きな間違いなのだ。男性の皮脂分泌量は20~60代まであまり変わらないというデータもある。むしろ変化するのは水分量で、中年以降にガクンと減る。女性と異なり普段からケアをしていない男性が、ダムが決壊するように急に老けるのはそのせいだ。水分と油分のバランスが崩れて水分が減ると、相対的に油分が多くなってベタつき、毛穴が開く。



(写真左より)

ニベア メン UVプロテクター<30ml>

オープン価格

数ある中でもっとも使いやすい紫外線防止コスメがこれ。

シリカを配合し、皮脂コントロールも可。SPF50+、PA+++で強力に肌を守る

ニベア花王/フリーダイヤル: 0120-165-699


ポール・スチュアート
薬用 リップバーム[医薬部外品] <4g>

¥1,200

スーッとのび、テカらない軽くマットな塗り心地が秀逸。

クールな使用感もいい。SPF25なので、紫外線も防ぐ
ポール・スチュアート/フリーダイヤル: 0120-878-615


キールズ AGD エイジケア クレンザー<150ml>

¥3,200

エイジングラインから待望の洗顔が登場。
溶岩クレイを配合し、毛穴の汚れや古い角質
などもしっかり洗えるのに潤いはキープ

キールズ/TEL. 0570-783536


シスレー ブラックローズ スキン クリーム<50ml>

¥19,000

肌に塗布すると水のように軽く変化する、男性にもおすすめのクリーム。

ハリと輝きある肌を目指すならぜひ使ってほしい

シスレージャパン/ TEL. 03(5771)6217


THREE ザ ディフィニティブ ローション<100ml>

¥5,000

男性ホルモンに着目したラインはニアウリなど4 種の精油を配合。

浸透性がよく、過剰な皮脂を抑えながら

肌に潤いとツヤを与える

THREE/フリーダイヤル: 0120-898-003


MX ハイドレーター ウォーター ジェル コンセントレート<48g>

¥6,900

軽くみずみずしいジェル状保湿美容液。
カプセル化した有効成分が塗布すると弾け、じつにフレッシュ

クリニーク/TEL. 03(5251)3541


ラボ シリーズ マックス LS マクセレンス デュアル コンセントレート<50ml>

¥45,000

エイジングした肌の底上げは、稀少な隕石抽出成分を配合した

ミラクルな全方位的美容液にお任せ

ラボ シリーズ/TEL. 03(5251)3541


(左から)リング(上)¥53,000、(下)¥58,000 TOM WOOD/TEL. 03(5412)1891、腕時計¥1,425,000 IWC/フリーダイヤル: 0120-05-1868、シェーバーとブラシのセット(※実際の商品は台座つき)¥145,000 リシュモン ジャパン(ダンヒル)/TEL. 03(4335)1755、レザーケース¥21,000、中に入れたオード パルファン¥6,000 シボネ青山(MIRKO BUFFINI)/TEL. 03(3475)8017、その他/スタイリスト私物



 そんなメカニズムを知らず、必死に油分を落とせば、体はバリア機能を維持するため、さらに多くの皮脂を出して守ろうとする。それをまた取る負のスパイラル。これを繰り返すことで、初めは微細な肌荒れが生じ、やがて異物の侵入を許して炎症が起きる。肌表面はベタつくのに内部は乾燥している、中年男性によく見られる「インナードライ」の状態だ。鼻はテカるのに頰が赤いなら要注意。さらにシェービングはヒゲとともに皮膚の最外層、ラップ1枚ほどの厚さの角層もはぎとるため、肌の炎症が悪化することもある。無論、シェービングは悪いことではない。剃そるときに肌を定点観測することで心身の状態を慮おもんぱかることもできる。だから肌を傷めないようやさしく剃ることを心がけてほしい。


 また、メイクをしない男性にとって、無防備に紫外線にさらされることはシミだけでなく体内に活性酸素を発生させ、さらなる免疫力の低下を招く。こう見てくると、肌に対して必要なのは水分を与え、若い頃の適切なバランスに近づけることとわかるはず。若さは絶対的な善ではないが、若々しさは魅力的だ。それでもアンチエイジングをしないだろう? 自分の体をいたわらないのは緩やかな自殺とまで表現したら言いすぎだろうか? 今、やらずしていつ向き合うのか。


 さて、まず具体的な方法として始めるのは洗顔、保湿、紫外線対策の3つ。大切な皮脂を落としすぎない洗顔をし、そのあとに水分を与える。潤いが逃げないよう油分のある乳液やクリームでフタをする。そして、一年じゅう、日中は紫外線から肌を守る。どんなに保湿しても、真皮のDNAをも破壊する光への対策をしなければ台なしになってしまうのだから。具体的なアイテムは上記にあるので、ぜひ活用してほしい。


 男のアンチエイジングは、いわば自分のメンテナンスだ。一生ものの革靴は履きジワなどの経年変化を愛で、栄養を与えて磨く。顔も同様で、思慮深い眉間のシワや笑顔を積み重ねた口もとのシワをボクは美しいと思う。それをヒアルロン酸を注入して治すことはしない。だが、乾燥による小ジワや紫外線対策不足によるシミはムダな老化なので美容液は使う。

 そう、今を分析し、いきすぎた老化を改善する、それがボク流のアンチエイジングだ。



  藤村 岳(GAKU FUJIMURA)

  男性美容のパイオニアとして多方面で活躍する

  男性美容研究家。雑誌『UOMO』『GOETHE』

  ほかで連載を多数執筆。著書に『一流の男は

  なぜ爪を手入れするのか?』(宝島社)などがある。

  http://danbiken.net









  • 1