「ジーノ パステル」(16ピース、収納木箱入り、4色展開)¥16,800

© 2018 CROWN CLOWN INC.



 積み木やブロック、パズルなど、幼児向けの知育玩具は、使い方や難易度が年齢に合わせて設計されている。だから、子どもが成長すると不要になってしまったり、また一緒に使う親が十分に楽しめないことも多いという。そんななか、国内外で活躍する現代美術家、出田 郷(いでた ごう)がデザインしたガジェット「ジーノ」は、エイジレスな知育玩具として注目を集めている。


 その大きな特徴は、ピースの形状にある。積み木やブロックでは三角形や円柱などシンメトリーのモチーフが使われるのが定石だが、ジーノは非対称な“J”の形を採用。そのため、複数のピースを組み合わたとき、一部がはみ出たり、すき間ができてしまったりするのだが、そのズレが、また別のピースとの接続ポイントになり、結果として無限に形を作ることができるという。数学的で進化論的、どちらかというと芸術というより科学的なデザインだ。




ジーノのピースを組み合わせたサンプル例。

公式サイトのギャラリーやインスタグラム(@jino.toy)には、

大量の作例が公開されている

© 2018 CROWN CLOWN INC.



(写真左から)

東京都現代美術館『こどものにわ』展での《reflections》の展示風景。

lights on cubes》の展示風景。イギリスの『ワークスワースフェスティバル』にて

COURTESY OF ARTST



「確かに私自身、認知科学の領域にも興味があり、それをアートとして作品に昇華しながら制作を行ってきました」と出田は言う。床に大量の鏡が置かれた空間を鑑賞者が移動することで、鏡からの反射光が変わる《reflections》や、スポットライトを巧みに使い、鑑賞者の予期せぬ形で影が現れたり消えたりする《lights on cubes》など。ほとんどが、鑑賞者が参加することで成立するインスタレーション作品だ。


「参加者が関わることで作品空間が変容し、また、その変容された空間が参加者に新しい認識のあり方を促す。その空間との新しい関わり方を提案する作品を美術館やギャラリーだけでなく、生活のなかで体験として提案できないか。それがジーノを作るきっかけになりました」



生活に馴染みやすいデザインで、2017年度グッドデザイン賞を受賞。

素材に天然ブナ材を使っているため、湿度などの環境によりサイズが微妙に変化する。

その誤差を許容するための寸法、またピースを組み合わせる時の

手の感触や音にもこだわり、0.1ミリのレベルでの調整を何度も行ったという

© 2018 CROWN CLOWN INC.



 いわばこのガジェットは、出田のスピンオフ的作品のようなもの。当然、想像力、造形力だけでなく、空間認識力を育むツールとしても優れている。公式サイトのギャラリーやインスタグラムには、ジーノで作ることができるまざまなサンプルを掲載しています。友人たちには、この二次元の画像を見ながら、ジーノを使って三次元に再現するという遊び方を推奨しているんです。これは、モノを空間的に認識する力が試される作業。大人だから簡単にできるというわけではないので、エイジレスに楽しむことができますよ」。


 それから派生し、ペアになって向かい合い、相手がジーノの作った造形を真似しあうという競技のようなゲームを思いついた友人もいるという。使う者に、その遊び方を創造させる。そんな自由なひらめきや発見が生まれるのも、この知育ガジェットの醍醐味だ。



問い合わせ先

Jino

公式サイト






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