栃木県のアート・ビオトープ那須に計画されている

ファームガーデン〈アート ビオトープ〉透視図。

伐採される森全体を移植するプロジェクト



 若手建築家の中でも、ひときわアートとの親和性の高い石上純也。その建築作品の現代美術的要素はもちろん、美術館で発表したインスタレーションでも高い評価を受けてきた。その石上の大規模な個展が、パリのカルティエ現代美術財団で開催される。


『Freeing Architecture(自由な建築)』というタイトルは、石上の考えを表すものだ。「私は、建築について自由に考えたい。それは、現代人が持っている多様な価値観のあり方に合わせるように、建築に対する見方を、できるだけ柔軟かつ大局的に、緻密に広げていきたいからです」と石上は本展について述べている。あるときは周囲の自然環境を取り込んだような、またあるときはそれ自体がミニマルな現代アートのような空間をつくり出す石上の建築は、環境、機能、使い手によって決まるコンテクストを踏まえつつ、あらゆる建築への先入観を取り払ったところで考えられる。



中国・日照市で進行中の〈谷間のチャペル〉外部から内部に入る様子を示した透視図。

曲線が特徴的な高くそびえる教会の10分の1模型も展示予定



コペンハーゲンの〈House of Peace〉断面図



山口県のレストランオーナーの店舗兼住宅〈House and Restaurant〉

PHOTOGRAPHS: ©JUNYA.ISHIGAMI + ASSOCIATES



 展覧会では石上が選んだアジア、ヨーロッパでのプロジェクト20件の大型模型が、ドローイングや構想から竣工までを段階的に記録した映像とともに展示される。展示自体がひとつの建築として石上によってデザインされるが、巨匠ジャン・ヌーヴェルによる建築物であるカルティエ財団の中で、石上がどんな空間演出を試みるかも見どころだ。その多くが現在進行中で、完成が待ち望まれている、石上建築の世界に触れる絶好の機会だ。



『JUNYA ISHIGAMI, Freeing Architecture』

会期:3月30日~6月10日

会場:カルティエ現代美術財団

公式サイト






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