岡本太郎記念館にて COURTESY OF NORITAKA TATEHANA

今世界からもっとも注目されている日本人アーティストのひとり、舘鼻則孝。東京藝術大学の卒業制作だったヒールレスシューズがレディー・ガガの目にとまり、一躍その名を世界中に知られることになった、というエピソードはあまりに有名だ。現在、アーティストとして展覧会を開催する一方で、日本の伝統工芸士との創作活動にも精力的に取り組んでいる。そんな舘鼻の作品を体感できる2つの展覧会がラインナップ中だ。

ひとつは、現在、岡本太郎記念館で3月5日(日)まで開催中の「舘鼻則孝 呪力の美学」。おそらく日本でもっとも知られている芸術家である岡本太郎。その記念館での作品展示というのは、ただの展覧会とはまったく意味合いが違う。記念館は岡本太郎そのもの。「死後20年たつのに、彼は生きてるんですよ、ここでは」と舘鼻自身も語る。単純に今までの作品を持ってくるだけでは成り立たない。ここでしか成り立たない作品があるべきだし、それが岡本太郎へのリスペクトという気持ちから、作品制作は、まず記念館の部屋の壁の色を赤にするところからスタートしたという。「太郎と向き合うということは、死、過去と向き合うということ。赤い部屋の赤=血の色は生を、黒壁の部屋では死を、それぞれ表現しているんです」。太郎と舘鼻がぶつかり合いながらも、最初からこの空間に存在していたかのように融和してもいる。まさにこの場所でしか体験できないアート、そしてアート空間だ。