スティルレーベンのデザイナー、ディテ・レクウェグと

イエレーナ・ノーデントフト。

デンマークの老舗陶器ブランド「ケーラー」と共同制作した

ボーダー柄のフラワーベース「オマジオ」のデザイナーとしても知られる



 2人のデンマーク人女性、ディテ・レクウェグとイエレーナ・ノーデントフトによって結成されたデザインユニット、スティルレーベン。図形や線画を組み合わせたその作品は、シンプルでありながらどこか温もりを感じさせる。インテリアにすんなりなじむ、優しい色使いも特徴的だ。ユニット名を冠したショップにはオリジナルアイテムのほか、独自の視点でセレクトされた商品が並び、北欧デザインの今に触れることのできるスポットとして国内外から注目を集めている。


「スティルレーベン プリント コレクション」は、そんな彼女たちが2016年に立ち上げたグラフィックコレクション。テキスタイル・写真・陶芸など、さまざまなジャンルのアーティストたちとともに、ポスター作品などを作り上げてきた。そして今回、「スティルレーベン プリント コレクション」初の日本人アーティストとして起用したのが、イラストレーターの長場雄だ。

 

 長場氏は、数々の雑誌や書籍の挿画を手がけ、ユニクロやビームスをはじめ、さまざまなアパレルブランドとのコラボレーションでも注目を集めている。フリーハンドで描かれる味わいあるタッチの人物やキャラクラーがもち味だが、今回「スティルレーベン プリント コレクション」のために描きおろしたのは、果物と器をモチーフにした静物画。スティルレーベンとのタッグによって開拓された、長場雄の新境地ともいえる作品だ。


 長場氏とスティルレーベンとのあいだで、どのような対話が生まれ、今回のコラボレーション作品へと繋がっていったのか――。スティルレーベンのふたりにいくつか質問を送ったところ、丁寧な言葉で綴られた返事が戻ってきた。

日本では、世界限定200枚のうち80枚をアクタスが限定販売。

サイズはA4(¥16,000)とA3(¥18,000)の2種



――「スティルレーベン プリント コレクション」というラインを立ち上げきっかけは?


「インテリアや空間デザインにおいては、壁をデコレーションすることによって、自分が望む“活発な”雰囲気をつくりだすことはとても重要です。デンマークでは近年、独創的なアート作品をポスターやプリントにするという新しい波が生まれ、その価値が高く評価されています。ショップ『スティルレーベン』では、新進気鋭のデザイナーやアーティストのポスター、プリントをいち早く販売してきましたし、その中で、現代のインテリアデザインと調和するプリントコレクションをキュレートする楽しさを日々実感してきました。ですから、『スティルレーベン プリント コレクション』を立ち上げたのは、私たちにとってとても自然な流れだったのです」



―― 長場雄の作品の魅力とは?


「『スティルレーベン プリント コレクション』に参加する新しいアーティストを探すとき、私たちは常に既存のコレクションを補完し、拡張できるようなスタイルやストーリーを求めています。長場さんの作品の本質は、シンプルで控えめで繊細、かつユーモラスなタッチにあると考えています。モチーフの実像をとらえた特徴的なこの黒いラインは、視線を自然に惹きつける力をもっています。彼にこのプロジェクトに参加してもらうことは、私たちのコレクションに新しい何かがもたらされることを意味しています」



―― 今回の作品のテーマやモチーフはどのように決めていったのでしょうか。


「この作品は、“Still Life=静物画”を長場さんが解釈したものです。Still Lifeはドイツ語でStilleben(スティルレーベン)。長場さんと私たちは、今回のコラボレーションでどのようなテーマ、モチーフを用いるかを話し合いましたが、日本で展開するにあたって『スティルレーベン』とのリンクはぜひ強調したいと考えました。また、私たちのデザイン活動において、当然ですがインテリアやStill Life(静物画)はつねに共にあるものです。だから、このテーマは非常に重要であり自然でもあるのです。私たちは今回のテーマを、“Tokyo Still Life”と呼んでいます」



―― 長場氏が描いたモチーフを目にしたとき、どんなふうに思いましたか。


「非常に興奮しました。長場さん特有のラインをもちながら、同時に、彼のほかの作品とは大きく異なっている。今回の作品は美しいだけでなく、ユーモラスな含蓄や、伝統的かつ現代的な日本の感覚を備えていると思います。数ヶ月のあいだ、オフィスの壁にこれを飾っていたのですが、毎日一緒にいるうちにさらにこの作品が大好きになりました」




ポップアップでは、これまでコペンハーゲンのショップだけで

販売されていたテーブルウェアも日本初上陸



ユニセックスで使えるステーショナリーや小物も

PHOTOGRAPHS: COURTESY OF ACTUS



 これまで『スティルレーベン プリント コレクション』で発表してきたコレクションとは異なり、今回のコラボレーション作品はコペンハーゲンの印刷所で一枚一枚活版印刷で印刷されたもの。さらに、デンマークのプロダクトブランド「MOEBE」がこの作品のためだけに制作した、別注カラーのフレームに収めて届けられる。スティルレーベンにとって、今回のコラボレーションがいかに特別なものであったかがうかがえる仕様だ。


 長場氏とスティルレーベンとのコラボレーションポスター「STILLEBEN × YU NAGABA」は、シリアルナンバー入りで世界限定200枚のみ。この7月20日にオープンした「アクタス吉祥寺店」では、このうち80枚を国内で唯一限定販売中だ。同時にスティルレーベンの作品を一挙に紹介するポップアップも開催、コペンハーゲンのショップだけで扱うオリジナルのテーブルウェアやステーショナリーも販売されている。限定販売のポスターのみならず、進化し続ける北欧デザインの現在に触れる好機だ。




「スティルレーベン」ポップアップショップ

会期:~2018年8月12日(日)予定

会場:アクタス・吉祥寺店

住所:東京都武蔵野市吉祥寺本町2丁目2-6

営業時間:11:00〜20:00

定休日:不定休

電話: 0422(23)7501

公式サイト






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