当たる当たらぬよりも、いかに活用するかが大事。占いを人生の地図や羅針盤として賢く用いる術やそれぞれの占い観、研究スタイルについて、ざっくばらんに語り合う

BY AYA MORI, PHOTOGRAPHS BY TAMAKI YOSHIDA, STYLED BY NORIKO SUGIMOTO, HAIR & MAKEUP BY RYOJI OTANI, ILLUSTRATIONS BY SAYURI NISHIKUBO

画像: 水晶玉子さん着用のブラウス¥120,000、スカート¥90,000 ジュン アシダ(タエ アシダ)TEL. 03(3463)8631

水晶玉子さん着用のブラウス¥120,000、スカート¥90,000
ジュン アシダ(タエ アシダ)TEL. 03(3463)8631 

 ゲッターズ飯田と水晶玉子、ふたり合わせて年間150万部以上を売る、当世二大人気占い研究家だ。一時、占いといえば人の心理を一種の不安で惑わすような流れもあり、「科学的でない」「占いに振り回されるのはちょっと……」と受け止められる向きもあった。昨今、占いはエンターテインメントであり、かつ、自分の人生のさまざまな局面で賢い選択をするためのツールとして人気を博している。人生の荒波をハッピーに乗り越えていくための羅針盤。実人生にポジティブに活用させるものとして、占いのイメージアップにおおいに貢献したのがこのふたりである。

 ゲッターズ飯田の占いは、東洋と西洋の占星術を掛け合わせ研究したものに、無償で5万人以上を占ってきた自前のデータを加味したもの。いわば、フィールドワークの要素が大きい。一方の水晶玉子は、密教経典の宿曜経をベースにした占いを「オリエンタル占星術」という名で、万人にわかりやすい表現を目指した。アカデミックな方向性を持つものといえる。ふたりは師弟でこそないが、お互いの研究に尊敬の念をもっていると公言している。そんなふたりに、それぞれの研究の話や占いの友好的な活用について、思うところをざっくばらんに語り合ってもらった。

飯田 僕は今年で占いを始めて21年目になりますが、玉子先生が占いを始められたのはいつですか。
水晶 仕事として始めたのは90年代なので、もう30年近いですね。
飯田 僕はテレビ情報誌に書かれていた玉子先生の占いを愛読していて、この人の占いはすごく当たると思って。ずいぶん前からチェックしていました。
水晶 その頃は西洋占星術をメインにしていましたね。実は私、自分のホロスコープ作ったらあまりよくなかったの(笑)。東洋の占いだったらもうちょっといいかしらと思って出してみたら、これもよくない(笑)。それで、何か自分にいいことを言ってもらえそうな占いを求めてさまよったのがきっかけでした。そのうち東洋と西洋の占いの違いを極めたくなり、科目履修で京都の大学へ通いました。
飯田 何を学ばれたのですか。
水晶 京都の大学では、暦を習いました。その後、宿曜経はインドから中国を経て日本に来たものが主流なので、元の文献を読みたくてサンスクリット語を学ぼうと思い、大学院に行きました。
飯田 そういうところも尊敬します!

水晶 私はそういう理論型。逆に私が飯田さんを尊敬するのは、飯田さんの実践型なところなの。本当にたくさんの人を占っている。人の性格にも天中殺のように星が抜けているところがあって、それを「空亡」と呼ぶのですけれど。何が抜けているかで、性格が違う。
飯田 東洋の占いは、単純にいうとそこが始まりですね。その人の命式(※ホロスコープのようなもの)の中で何が抜けているかで、行動パターンや、どんな欲望や希望をもって生きるかの傾向がわかる。だから、性格が当たるんですよ。
水晶 私の欲望は、“論理”とか“言葉”、“心理”とか“精神”なのだけれど、飯田さんの欲望は“現実”。占い師としては飯田さんの方が珍しいタイプですね。
飯田 自分の命式の中にもともと持っていないから、現実の中に求めたい。要するに人は、ないものを追い求めるから。人は、有るものに関してや、満たされたものに関しては欲望がわかず、無いものが欲しくなる。その理論がわかり始めると人間が面白くなってきます。れぞれ欲望が違いますから。それが生年月日でわかる空亡の星二つに隠されている。その空亡がめぐってくる時期を僕は「裏運気」と名づけたのです。空亡と聞くと、運が悪い時期というイメージがありましたが、てないのではなく、己の欲望の質がいつもとは変わる時期ではないかと、考え方を変えたのです。欲望の変化を自分で受け入れれば陰と陽のバランスが整って、両方成立するというのがわかってきた。空亡に入ると、自分のもともと表面的にはないはずの個性が出てくる。これは裏の自分なのだな、と思って生きてみるといいのです。
水晶 私は空亡、飯田さんの言う裏運気のことを、15年ぐらい前に『「運命の翼」占い』(集英社be文庫)という本に書きました。つまり、の時期は自分の背中に羽が生えたような時期ですよ、と。現実から離れて、ちょっと違うところを飛ぶ時期表現したの。悪いことばかりの時期じゃない、と。同じことを飯田さんが言うとこうなるんだと、「裏運気」の本、興味深く読みました。表と裏ってとても具体的な表現ですよね。

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