ハンブルク、江陵を旅する主人公を描く『夜の浜辺でひとり』

© 2017 JEONWONSA FILM CO. ALL RIGHTS RESERVED.



 恋する男女の悲喜こもごもを活写して、韓国のエリック・ロメールと絶賛されてきた映画監督ホン・サンス。その彼が、『正しい日 間違えた日』(’15年)で初起用した女優キム・ミニと恋に落ち、既婚者だったことから韓国の激しい報道にさらされた。


これまでも女好きの主人公に自身のエピソードを織り交ぜ、一方で冷静に人間の弱さ、愛おしさを分析してきたが、お相手がパク・チャヌク監督の話題作『お嬢さん』(’16年)で世界的に注目を浴びたキム・ミニだったためにマスコミが大騒ぎすることに。それでも鬼才は、自身と身近な人々の姿を重ね、酒と紫煙に包まれた会話劇という独自の手法を崩さない。


『夜の浜辺でひとり』(’17年)では、キム・ミニに不倫によって海外逃避するヒロインを演じさせ、彼女にベルリン国際映画祭主演女優賞を贈った。またカンヌ映画祭で称賛を浴びた『それから』(’17年)では、妻に不倫をとがめられる出版社の社長と新入社員(キム・ミニ)との出会いから人生を俯瞰。いずれも今を摸索しながら正直に、謙虚に生きようとするヒロインのみずみずしさと希望の余韻に引き込まれる。絶対的ミューズを得たホン・サンスの新境地は、見る者に人生を肯定するさまざまな気づきを与えてくれるだろう。



夏目漱石作品が絶妙に絡む『それから』

© 2017 JEONWONSA FILM CO. ALL RIGHTS RESERVED.




ヒューマントラストシネマ有楽町ほかにて、連続公開

『それから』

2018年6月9日(土)より

公式サイト


『夜の浜辺でひとり』

2018年616日(土)より

公式サイト


『正しい日 間違えた日』

2018年630日(土)より

公式サイト


『クレアのカメラ』

2018年714日(土)より

公式サイト






  • 1