モデル業のみならず、チャリティや女性の地位向上を目指す社会活動でも大きな注目を浴びるアジョワ。2018年2月、ロンドン・ファッションウィークでの大活躍ぶりを追った

BY OSMAN AHMED, PHOTOGRAPHS BY ASH KINGSTON, TRANSLATED BY CHIHARU ITAGAKI

 2月16日金曜日の朝、NYからの深夜便でロンドンに降り立ったモデルのアジョワ・アボワーは、そのままロンドン・ファッションウィークの真っただ中に踏み込んでいった。ふだんはニューヨークのブルックリンに住んでいる彼女だが、ロンドンにいるときはノッティング・ヒルにある家族のもとで過ごす。両親の住むその家に少しだけ立ち寄り、モリー ゴダードのチュールドレスに着替えると、ロンドン・ファッションウィークの公式会場である180ストランドへ向かった。そこで彼女は、モデルの待遇について、多様性について、そして若き才能をサポートすることの大切さについて、熱いスピーチをした。アジョワは、英国ファッション協会が推進する「ポジティブ・ファッション」キャンペーンの新しいアンバサダーを務めているのだ。

画像1: 売れっこモデルにして社会活動家
アジョワ・アボワーの
ロンドン・コレ密着48時間

 売れっ子モデルであるにもかかわらず、アジョワは社会運動家としての仕事を優先しており、モデルの仕事は二の次だ。彼女の関わるプロジェクトのリストは多岐にわたる。女性の地位向上とメンタルヘルスへの理解を得るために彼女が立ち上げたチャリティ団体「ガールズ・トーク(Gurls Talk)」に、タイムズ・アップ運動やセーブ・ザ・チルドレンでの活動。自身が出演しているバーバリーの広告では、フォトグラファーのユルゲン・テラーとともにアート・ディレクションを手がけ、英『VOGUE』誌のコントリビューティング・エディターとして月に一度コラムを執筆している。そしてこれからの数週間は、新進の若手からベテランデザイナーまで多くのファッションショーのランウェイを歩く。ここロンドンでは、そのデザイナーたちの多くは彼女の友人だ。

 演説台を降りるとすぐに、フィッティングとショーの1日が始まった。その合い間にチャンスを見つけては、車の中で仮眠をとる。まずは新進デザイナーのアシュリー・ウィリアムズの家へ。アジョワの友人でもあるアシュリーは、フィッティングをハックニーにある自宅で行うことにした。彼女のアトリエは物があふれているためだ。アジョワが到着すると、スタイリストのジュリア・サー・ジャモアがタイダイ染めのフーディトップスをとり出した。そこには「知ったこっちゃないさ」の文字がプリントされている。ちょうどあくびをかみ殺していたアジョワを見て、「まさに今のあなたのことね」と彼女のエージェント、シアン・スティールがからかう。スパンコールのついたジャケットが、アジョワの目に留まった。「これ、月曜日にバッキンガム宮殿で開かれるレセプションに着て行ってもいい?」とアシュリーに聞くアジョワ。「前にバッキンガム宮殿に行ったときは、黄色いジャージの上下を着てテート美術館のお土産売り場からそのまま行ったんだよね」

画像2: 売れっこモデルにして社会活動家
アジョワ・アボワーの
ロンドン・コレ密着48時間

 続いてアジョワが向かったのは、ショーディッチにあるトルーマン・ビール醸造所跡地。ここでは、イギリス北部のヨークを拠点とするデザイナー、マティ ボヴァンのフィッティングをした。マティ ボヴァンもアシュリー ウィリアムズも、この日の夜にショーを開催するのだが、その前にアジョワは時間の合い間を縫ってバーバリー本社ビルに出向いた(その途中でサンドイッチ屋のプレタマンジェにも立ち寄った)。翌日の夜に予定されているバーバリーの大規模なショーの最終フィッティングをするのだ。これは、クリストファー・ベイリーがバーバリーのクリエイティブ・ディレクターとして手がける最後のショーとなる。いかにも会社然としたバーバリー本社ビルに入ると、洗練された受付エリア一面を覆う巨大なアジョワの写真が。彼女は自分の写真の前でポーズをとってくれた。この広告写真で唯一修正したのは、彼女が前歯につけているダイヤモンド製のシャネルのロゴマークを消したことだけだ。「このトゥースジュエリーは3年前につけたの」と笑うアジョワ。「これの前は、『PLAYBOY』のウサギマークをつけていたわ」

画像3: 売れっこモデルにして社会活動家
アジョワ・アボワーの
ロンドン・コレ密着48時間

 上階では、クリストファー・ベイリーがアジョワを温かく迎えた。「今ではもう、この服については僕より君の方がよく知っているだろうね」と冗談を言うデザイナー。最新コレクションの中のいくつかのアイテムを、アジョワはすでにファッションウィーク中のニューヨークで着ていたのだ。「彼は天才だと思う」と、アジョワは後でベイリーについて語った。彼の発表したレインボーカラーのコレクションは、LGBTQ+コミュニティに捧げられたものだ。ショーで、アジョワはグラフィティ・アートが描かれたシアリング素材のフーディトップスとフルレングスのスカートを着る予定になっており、そのスカートの裾は、彼女がつまずかないようわずかに裾上げされることになった。

 だが今は、金曜日の話に戻ろう。マティ ボヴァンのショーを歩いた後、アジョワはバイクタクシーに飛び乗り、ウェストミンスター大学で行われるアシュリー ウィリアムズのショーへ。そこで「知ったこっちゃないさ」フーディを着てランウェイを盛り上げた。特に彼女が興奮したのは、ロンドン市長サディク・カーンがバックステージを訪れ、彼の娘たちを紹介したとき。そして家に帰る時間がやってきた。タイ風グリーンカレーを食べ、少し編み物をして、ユーカリとラベンダーの香りに包まれた長いバスタイムを過ごすのだ。

 翌日、アジョワは『VOGUE』の撮影のために早起きをして、それから親友のカーラ・デルヴィーニュに会いに、彼女の宿泊するメイフェアのホテルへ向かった。そこでシタビラメとマッシュポテトのランチをともにした後、二人は運転手付きの車に乗り込んでバーバリーのショーが開催されるディムコ・ビルディングへ。客席には、アジョワに声援を送ろうとやってきた彼女の両親、チャールズ・アボワーとカミラ・ローサーの姿も。さらにナオミ・キャンベルとケイト・モスもいて、二人はフィナーレでアジョワが歩いてきたときには歓声をあげていた。

 ショーの後、アジョワはカーラとダンスに出かけ、自分へのごほうびとして「おいしいタバコ1本とコカコーラ1杯」を楽しんだ(立派なことに、彼女は禁酒中なのだ)。ホームであるロンドンに戻り友人たちに囲まれて、彼女は存分にくつろいでいた。彼女は言う。「楽しいことをしないと、四六時中仕事をしているような気分になっちゃうでしょ」

画像: ロールモデル|金曜日 AM9:15 NYからの深夜便でロンドンに降り立ったモデル兼社会運動家のアジョワ・アボワーは、ノッティング・ヒルにある両親の住む家に少しだけ立ち寄り、モリー ゴダードの黒いドレスに着替えると、ロンドン・ファッションウィークの公式会場である180ストランドで開催される、英国ファッション協会による朝食会へと向かった。彼女は同協会が推進する「ポジティブ・ファッション」キャンペーンの新しいアンバサダーに就任した。

ロールモデル|金曜日 AM9:15
NYからの深夜便でロンドンに降り立ったモデル兼社会運動家のアジョワ・アボワーは、ノッティング・ヒルにある両親の住む家に少しだけ立ち寄り、モリー ゴダードの黒いドレスに着替えると、ロンドン・ファッションウィークの公式会場である180ストランドで開催される、英国ファッション協会による朝食会へと向かった。彼女は同協会が推進する「ポジティブ・ファッション」キャンペーンの新しいアンバサダーに就任した。

画像: アシュリー・ウィリアムズの家で|金曜日 AM11:20 続いてアジョワは彼女のエージェントであるシアン・スティールとともに、信頼するドライバー、アマンの運転する車に乗り込んだ。ハックニーにある友人のデザイナー、アシュリー・ウィリアムズの家へ向かう。アシュリーのアトリエは物があふれているので、フィッティングは彼女の自宅で行うことになったのだ。

アシュリー・ウィリアムズの家で|金曜日 AM11:20
続いてアジョワは彼女のエージェントであるシアン・スティールとともに、信頼するドライバー、アマンの運転する車に乗り込んだ。ハックニーにある友人のデザイナー、アシュリー・ウィリアムズの家へ向かう。アシュリーのアトリエは物があふれているので、フィッティングは彼女の自宅で行うことになったのだ。

画像: ちょっと休憩|金曜日 AM11:30 この日の夜に行われるショーでアジョワが着る服を試す前に、アシュリー、スタイリストのジュリア・サー・ジャモアとともに、ソファーに座って近況報告のおしゃべり。すぐに、アシュリーが保護施設から迎えた飼い犬のシャディードが現れ、皆の注目をさらっていった。

ちょっと休憩|金曜日 AM11:30
この日の夜に行われるショーでアジョワが着る服を試す前に、アシュリー、スタイリストのジュリア・サー・ジャモアとともに、ソファーに座って近況報告のおしゃべり。すぐに、アシュリーが保護施設から迎えた飼い犬のシャディードが現れ、皆の注目をさらっていった。

画像: 「知ったこっちゃないさ」|金曜日 AM11:45 ジュリア・サー・ジャモアがアジョワに試してもらおうととり出したタイダイ染めのフーディトップスには、「知ったこっちゃないさ」の文字が大きくプリントされていた。ちょうどあくびをかみ殺していたアジョワを見て、「まさに今のあなたのことね」とエージェントのシアン・スティールがからかう。

「知ったこっちゃないさ」|金曜日 AM11:45
ジュリア・サー・ジャモアがアジョワに試してもらおうととり出したタイダイ染めのフーディトップスには、「知ったこっちゃないさ」の文字が大きくプリントされていた。ちょうどあくびをかみ殺していたアジョワを見て、「まさに今のあなたのことね」とエージェントのシアン・スティールがからかう。

画像: 次なる目的地へ|金曜日 AM11:55 アジョワには、立ち止まって日光浴をする時間もない。木々の連なるクラプトンの住宅街ではいささか目を引く格好のまま、ショーディッチにあるトルーマン・ビール醸造所跡地でのマティ ボヴァンのフィッティングへ向かった。今回のショーは彼が単独で行う初めてのショーとなる。だが、以前に若手の合同ショーであるファッション イーストに彼が参加した際、アジョワはそのショーに出演している。

次なる目的地へ|金曜日 AM11:55
アジョワには、立ち止まって日光浴をする時間もない。木々の連なるクラプトンの住宅街ではいささか目を引く格好のまま、ショーディッチにあるトルーマン・ビール醸造所跡地でのマティ ボヴァンのフィッティングへ向かった。今回のショーは彼が単独で行う初めてのショーとなる。だが、以前に若手の合同ショーであるファッション イーストに彼が参加した際、アジョワはそのショーに出演している。

画像: チュールとツイード|金曜日 PM12:10 自らのショーが開催されるこの日、マティ・ボヴァンは食中毒にかかっていた。そのため彼はスタイリストのケイティ・グランドと並んで座ったままで、アジョワがアトリエ内をウォーキングするのを見ていた。彼女が着たのは、黒い目出し帽のようなニットキャップ、ロンドンのシューズブランド「ジーナ」のネオンカラーのピンヒール、チュールがふくらんで飛び出したツイードのドレス。

チュールとツイード|金曜日 PM12:10
自らのショーが開催されるこの日、マティ・ボヴァンは食中毒にかかっていた。そのため彼はスタイリストのケイティ・グランドと並んで座ったままで、アジョワがアトリエ内をウォーキングするのを見ていた。彼女が着たのは、黒い目出し帽のようなニットキャップ、ロンドンのシューズブランド「ジーナ」のネオンカラーのピンヒール、チュールがふくらんで飛び出したツイードのドレス。

画像: 寝ぼけまなこで|金曜日 PM12:30 アジョワはNY・ブルックリンに住んでいるが、ロンドンにいるときはノッティング・ヒルにある家族のもとで過ごす。モデルという職業柄、旅行が不可欠なので、彼女はすっかり飛行機の旅のプロだ。「まず消毒剤で自分の席全体をきれいにしてから、ラベンダーのスプレーをかけて、エッセンシャルオイルも使うの。それから機内でもらうブランケットをかけて、その上にもう一枚、『ガールズ・トーク』で作ったブランケットもかける。少し本を読んで、それから寝るの」。まだ時差ぼけが治らない彼女だが、バーバリー本社ビルに向かうため乗り込んだ車内で、運良く仮眠を取ることができた。

寝ぼけまなこで|金曜日 PM12:30
アジョワはNY・ブルックリンに住んでいるが、ロンドンにいるときはノッティング・ヒルにある家族のもとで過ごす。モデルという職業柄、旅行が不可欠なので、彼女はすっかり飛行機の旅のプロだ。「まず消毒剤で自分の席全体をきれいにしてから、ラベンダーのスプレーをかけて、エッセンシャルオイルも使うの。それから機内でもらうブランケットをかけて、その上にもう一枚、『ガールズ・トーク』で作ったブランケットもかける。少し本を読んで、それから寝るの」。まだ時差ぼけが治らない彼女だが、バーバリー本社ビルに向かうため乗り込んだ車内で、運良く仮眠を取ることができた。

画像: タバコに火をつけて|金曜日 PM2:00 バーバリーのフィッティング会場の外でさっとタバコを吸いながら、アジョワはたくさんのプロジェクトをどうやってこなしてきたか教えてくれた。チャリティの仕事、アート・ディレクション、それに『VOGUE』への毎月のコラムの寄稿。「退屈だったからってわけじゃなくて、ただ、いろんなことをする機会があったっていうだけ」と彼女。ヘアスタイリストのサム・マックナイトが突然やってきて、土曜日のショーの前にアジョワの赤茶色の髪のバズカットを整えてもらうことになった。

タバコに火をつけて|金曜日 PM2:00
バーバリーのフィッティング会場の外でさっとタバコを吸いながら、アジョワはたくさんのプロジェクトをどうやってこなしてきたか教えてくれた。チャリティの仕事、アート・ディレクション、それに『VOGUE』への毎月のコラムの寄稿。「退屈だったからってわけじゃなくて、ただ、いろんなことをする機会があったっていうだけ」と彼女。ヘアスタイリストのサム・マックナイトが突然やってきて、土曜日のショーの前にアジョワの赤茶色の髪のバズカットを整えてもらうことになった。

画像: 看板娘の凱旋|金曜日 PM2:05 バーバリーの洗練された本社ビルの受付エリアには、一面にユルゲン・テラー撮影の巨大なアジョワの写真が。この広告で彼女はアート・ディレクションも手がけた。この写真で唯一修正したのは、彼女が前歯につけているダイヤモンド製のシャネルのロゴマークを消したことだけだ。「このトゥースジュエリーは3年前につけたの」と笑うアジョワ。彼女は自分の写真の前でポーズをとってくれた。「これの前は、『PLAYBOY』のウサギマークをつけていたわ」。この瞬間をもっとよく見ようと、バーバリーの従業員たちがガラス製の階段に立ち止まり始めた。

看板娘の凱旋|金曜日 PM2:05
バーバリーの洗練された本社ビルの受付エリアには、一面にユルゲン・テラー撮影の巨大なアジョワの写真が。この広告で彼女はアート・ディレクションも手がけた。この写真で唯一修正したのは、彼女が前歯につけているダイヤモンド製のシャネルのロゴマークを消したことだけだ。「このトゥースジュエリーは3年前につけたの」と笑うアジョワ。彼女は自分の写真の前でポーズをとってくれた。「これの前は、『PLAYBOY』のウサギマークをつけていたわ」。この瞬間をもっとよく見ようと、バーバリーの従業員たちがガラス製の階段に立ち止まり始めた。

画像: 七色の虹|金曜日 PM2:10 バーバリーのプレジデント兼チーフ・クリエイティブ・オフィサーを退任することになったクリストファー・ベイリー。彼の最後のショーは、LGBTQ+コミュニティに捧げられたものだ。「ファッションは2018年のリアルを反映するものでないと」と、今回のコレクションについて語るアジョワ。「マーケティングの視点で作るべきだとは思わないけど、もし服を着ることで時代に合ったメッセージを伝えることができるなら、それは売れるに決まっているでしょう?」彼女がベイリーとおしゃべりしているあいだに、デザイン・アシスタントたちはシアリング素材のフーディトップスとワックスコットンのスカートの丈を、アジョワがつまずかないように調整していた。これがショーのオープニングルックになる予定なのだ。

七色の虹|金曜日 PM2:10
バーバリーのプレジデント兼チーフ・クリエイティブ・オフィサーを退任することになったクリストファー・ベイリー。彼の最後のショーは、LGBTQ+コミュニティに捧げられたものだ。「ファッションは2018年のリアルを反映するものでないと」と、今回のコレクションについて語るアジョワ。「マーケティングの視点で作るべきだとは思わないけど、もし服を着ることで時代に合ったメッセージを伝えることができるなら、それは売れるに決まっているでしょう?」彼女がベイリーとおしゃべりしているあいだに、デザイン・アシスタントたちはシアリング素材のフーディトップスとワックスコットンのスカートの丈を、アジョワがつまずかないように調整していた。これがショーのオープニングルックになる予定なのだ。

画像: さよなら眉毛|金曜日 PM4:10 「眉毛をもとの色に戻したと思ったら、その途端にまた変えるはめになるのよね」とアジョワ。マティ ボヴァンの初の単独ショーのため、眉をブリーチすることになったのだ。彼女はスキンケアに関して厳格なルーティンを守っている。定期的にNYの皮膚科医を訪れており、使用しているのはサラ チャップマンのスキンケアアイテムだ。肌荒れしやすいので、ファッションショーで厚くメイクをしなければならないときは、できる限り速やかにオフするようにしている。

さよなら眉毛|金曜日 PM4:10
「眉毛をもとの色に戻したと思ったら、その途端にまた変えるはめになるのよね」とアジョワ。マティ ボヴァンの初の単独ショーのため、眉をブリーチすることになったのだ。彼女はスキンケアに関して厳格なルーティンを守っている。定期的にNYの皮膚科医を訪れており、使用しているのはサラ チャップマンのスキンケアアイテムだ。肌荒れしやすいので、ファッションショーで厚くメイクをしなければならないときは、できる限り速やかにオフするようにしている。

画像: ショーガール|金曜日 PM4:30 この日の夜、マティ ボヴァンのショーでアジョワはオープニングを務めた。写真は、そのチュールとツイードのルックに着替える前に撮ったもの(左後ろにはデザイナーのマティ・ボヴァンが写っている)。「いい意味で緊張するわ」と、ショーのオープニングを務めることについて語るアジョワ。「モデルの仕事で好きなことの一部はショーシーズンにあるの。この興奮とカオス、そして舞台へと歩き出す直前の静けさ。その一瞬は私のものになる――自分が先頭で歩くときは特にね」

ショーガール|金曜日 PM4:30
この日の夜、マティ ボヴァンのショーでアジョワはオープニングを務めた。写真は、そのチュールとツイードのルックに着替える前に撮ったもの(左後ろにはデザイナーのマティ・ボヴァンが写っている)。「いい意味で緊張するわ」と、ショーのオープニングを務めることについて語るアジョワ。「モデルの仕事で好きなことの一部はショーシーズンにあるの。この興奮とカオス、そして舞台へと歩き出す直前の静けさ。その一瞬は私のものになる――自分が先頭で歩くときは特にね」

画像: バックステージから声をあげて|金曜日 PM4:40 英国ファッション協会におけるアジョワの働きもあって、今シーズンのバックステージにはちゃんとした食べ物と、モデルたちにとって身近なサポートが用意されている。間違った待遇を受けたら報告するようにモデルたちに伝える案内もある。「すごく単純なことなの。たとえば『着替えの部屋につきカメラマンの進入禁止』という貼り紙をするとか、おいしいケータリングを用意するとか」とアジョワ。写真は、マティ ボヴァンのニットマスクを試しているところ。

バックステージから声をあげて|金曜日 PM4:40
英国ファッション協会におけるアジョワの働きもあって、今シーズンのバックステージにはちゃんとした食べ物と、モデルたちにとって身近なサポートが用意されている。間違った待遇を受けたら報告するようにモデルたちに伝える案内もある。「すごく単純なことなの。たとえば『着替えの部屋につきカメラマンの進入禁止』という貼り紙をするとか、おいしいケータリングを用意するとか」とアジョワ。写真は、マティ ボヴァンのニットマスクを試しているところ。

画像: 編み物はお手のもの|金曜日 PM4:55 編み物が好きなアジョワ。マティ ボヴァンのショーの空き時間を利用して、バックステージにあったウール アンド ザ ギャング(ロンドン発のニットブランド)の編み物キットをお試し中。

編み物はお手のもの|金曜日 PM4:55
編み物が好きなアジョワ。マティ ボヴァンのショーの空き時間を利用して、バックステージにあったウール アンド ザ ギャング(ロンドン発のニットブランド)の編み物キットをお試し中。

画像: キャットウォーキング|金曜日 PM5:15 アジョワのウォーキングは、彼女の弁によると、男の子みたいなノシノシ歩きと大きな腕の動きを混ぜ合わせたものなのだそう。「ナオミ・キャンベルにメールして、ウォーキングの仕方を教えてほしいって頼んだことがあるの。でも彼女と私のウォーキングは全然違うわね」とアジョワ。「私なりのウォーキングの仕方があるんだと思う。例えばこんな感じ。ヘッドフォンで素敵な音楽を聴きながらストリートを歩いているとする。こんなふうに思いながらね、『私って……』」と彼女は、ここに書くにはふさわしくない言葉を発した。

キャットウォーキング|金曜日 PM5:15
アジョワのウォーキングは、彼女の弁によると、男の子みたいなノシノシ歩きと大きな腕の動きを混ぜ合わせたものなのだそう。「ナオミ・キャンベルにメールして、ウォーキングの仕方を教えてほしいって頼んだことがあるの。でも彼女と私のウォーキングは全然違うわね」とアジョワ。「私なりのウォーキングの仕方があるんだと思う。例えばこんな感じ。ヘッドフォンで素敵な音楽を聴きながらストリートを歩いているとする。こんなふうに思いながらね、『私って……』」と彼女は、ここに書くにはふさわしくない言葉を発した。

画像: ちょこんとバイクに乗って|金曜日 PM6:40 マティ ボヴァンのショーが終わるやいなや、アジョワはバイクタクシーに飛び乗ってアシュリー ウィリアムズのショーへ急いだ。街の反対側で開催されるショーの開始まではあと30分足らず。ものすごいメイクをした状態のままだ。すかさずセルフィーをとって、50万ものフォロワーがいるインスタグラムでシェア。「私は世界一ののっぽでもなければやせっぽちでもない。ショーに出ているときだけは、自分自身についてうだうだ考えることを止められるの」とアジョワ。

ちょこんとバイクに乗って|金曜日 PM6:40
マティ ボヴァンのショーが終わるやいなや、アジョワはバイクタクシーに飛び乗ってアシュリー ウィリアムズのショーへ急いだ。街の反対側で開催されるショーの開始まではあと30分足らず。ものすごいメイクをした状態のままだ。すかさずセルフィーをとって、50万ものフォロワーがいるインスタグラムでシェア。「私は世界一ののっぽでもなければやせっぽちでもない。ショーに出ているときだけは、自分自身についてうだうだ考えることを止められるの」とアジョワ。

画像: ラッシュアワー|金曜日 PM6:55 アシュリー ウィリアムズのショーにギリギリ間に合ったアジョワ。すぐにヘアメイクチームに捕まって、前のショーで顔に描かれた黒い四角形を落とし、眉の色を元に戻し、80年代風のフューシャピンクのメイクアップを施された。幸い、彼女のヘアに関してはたいして手をかける必要がなかった。ずっとはしゃいでいた彼女が特に興奮したのは、ロンドン市長サディク・カーンがバックステージを訪れ、彼の娘たちを紹介したときだ。

ラッシュアワー|金曜日 PM6:55
アシュリー ウィリアムズのショーにギリギリ間に合ったアジョワ。すぐにヘアメイクチームに捕まって、前のショーで顔に描かれた黒い四角形を落とし、眉の色を元に戻し、80年代風のフューシャピンクのメイクアップを施された。幸い、彼女のヘアに関してはたいして手をかける必要がなかった。ずっとはしゃいでいた彼女が特に興奮したのは、ロンドン市長サディク・カーンがバックステージを訪れ、彼の娘たちを紹介したときだ。

画像: チェック・メイト|土曜日 PM2:30 翌日の土曜日は、バーバリーのショーがある日。そしてアジョワは、新作のバーバリー・チェックのウェアを身にまとっていた。『VOGUE』の撮影のためウェスト・ロンドンにちょっと立ち寄ってから、アジョワは友人のカーラ・デルヴィーニュ(写真右)に会いに彼女の泊まるホテルを訪れた。カーラの部屋でシタビラメとマッシュポテトのランチを食べてから、二人は車に飛び乗りバーバリーのショーへと向かった。

チェック・メイト|土曜日 PM2:30
翌日の土曜日は、バーバリーのショーがある日。そしてアジョワは、新作のバーバリー・チェックのウェアを身にまとっていた。『VOGUE』の撮影のためウェスト・ロンドンにちょっと立ち寄ってから、アジョワは友人のカーラ・デルヴィーニュ(写真右)に会いに彼女の泊まるホテルを訪れた。カーラの部屋でシタビラメとマッシュポテトのランチを食べてから、二人は車に飛び乗りバーバリーのショーへと向かった。

画像: ショータイム|土曜日 PM6:30 この週を通してもっとも大規模なショーのオープニングを、アジョワが担う瞬間がやってきた。バーバリーの新しい会場は今までよりずっと広く、ショーはクリストファー・ベイリーの有終の美を飾るものとなった。「これは彼女にとって、ただのモデルの仕事という以上に意味のあることだ」と語るのは彼女の父、チャールズ。ショーの始まりを前に、父親として誇らしげな様子だった。フィナーレで、7色のライトが光るキャットウォークにアジョワが現れたときには、ケイト・モスやナオミ・キャンベルとともに彼女の両親も声援を送っていた。クールにすました顔でその脇を通り過ぎるとき、アジョワはほほえみを抑えることができなかった。 PHOTOGRAPH BY YU FUJIWARA

ショータイム|土曜日 PM6:30
この週を通してもっとも大規模なショーのオープニングを、アジョワが担う瞬間がやってきた。バーバリーの新しい会場は今までよりずっと広く、ショーはクリストファー・ベイリーの有終の美を飾るものとなった。「これは彼女にとって、ただのモデルの仕事という以上に意味のあることだ」と語るのは彼女の父、チャールズ。ショーの始まりを前に、父親として誇らしげな様子だった。フィナーレで、7色のライトが光るキャットウォークにアジョワが現れたときには、ケイト・モスやナオミ・キャンベルとともに彼女の両親も声援を送っていた。クールにすました顔でその脇を通り過ぎるとき、アジョワはほほえみを抑えることができなかった。
PHOTOGRAPH BY YU FUJIWARA

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