ベルギー王室誕生に先立つ1829年、ブリュセルに創業したデルヴォーは世界最古のラグジュアリーレザーグッズブランドとされる、王室御用達の名門。格式高くもウィットに富んだスタイルは、ルネ・マグリットやポール・デルヴォー、近年ではヤン・ファーブルなどに象徴される、シュルレアリスムが息づくベルギー芸術の精神を感じさせる。





 トランクケースの製造にはじまった長い歴史の中で3,000以上のデザインが生まれ、数々の傑作を残したが、なかでも最高傑作と称されるのが「ブリヨン」だ。馬蹄形バックルに「D」のシグネチャーファームを秘め、端正なフォルムで人々を魅了するバッグが生まれたのは1853年。第二次世界大戦後初の国際博覧会ブリュッセル万博のためにデザイナーPaul Goethalsによってデザインされた。64種類のレザーパーツと金属パーツをハンドステッチで仕上げるためには8時間を要するという。







 ブリヨン(=輝き)の名にふさわしい、ワンハンドルバッグの完成形ともいうべき名作から、7月にミニチュアサイズの「ミニチュアベルジュード」が限定コレクションとして全7種で発売された。“Belgitude(ベルギーらしさ)”をキーワードに、アートや建築、ファッション、食など、ベルギーの豊かな文化と伝統が小さなバッグのひとつひとつに凝縮されている。

「ミニチュア・ベルジテュード」コレクション

(写真左より)Bruxelles(ブリュッセル)、Anvers(アントワープ)

Knokke Le Zoute(クノック・ヘイスト市ザウテ)各¥91,000



 たとえば青い空と黒いボーラーハットは、ルネ・マグリットの作品に繰り返し登場するモチーフ。未来的なシルバーの幾何学模様は、銀の結晶構造を模して造られたブリュッセルの巨大なシンボル、アトミウムがイメージソースだ。また、ワッフルをモチーフにしたバッグはベルギーワッフル発祥の地である「リエージェ」、国民的フードであるフライドポテトを象ったバッグにはグルメタウンの「ナミュール」など、コレクションはそれぞれデザインにゆかりのある都市名が名付けられた。

(写真左より)リエージェ、ナミュール 各¥91,000



 サイズは小さいが、緻密な手仕事ゆえに製作により時間をかけたという7つのバッグ。ユーモアとサヴォエフェールの融合が生んだ小さな傑作を主役にした、特別なムービーがこのほど公開された。手がけたのはベルギーが誇る映画監督ジャコ・ヴァン・ドルマル。代表作に、カンヌ国際映画祭で部門賞を受賞した『トト・ザ・ヒーロー(19991年)』『八日目(1996年)』や、カトリーヌ・ドヌーヴ出演の心温まるコメディ『神様メール(2015年)』などが挙げられる。



『Delvaux Miniatures Belgitude』

#DelvauxMiniatures

FILMED BY JACO VAN DORMAEL



 バッグの名前となった都市を舞台に描かれる7つの物語は、チャーミングで愉快なファンタジー! ──と、一筋縄ではいかないミステリアスな世界観こそ、まさしく“Belgitude”。遊び心あふれる演出と精巧な舞台美術は、空想的な映像表現を得意とするドルマルならでは。一度目に首をかしげ、二度目にようやく仕掛けに気づく、奇想天外でシュールな映像美は必見だ。




デルヴォー・ジャパン

TEL. 03(6418)0983

公式サイト






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