リーバイス®の歴史と伝統を背景に、高品質な素材と縫製技術によってモダンな感覚を表現する「Levi’s® Made & Crafted®(リーバイス® メイド アンド クラフテッド®)」が、小木“POGGY”基史とのコラボレーションアイテムを発表し、話題を集めている。ヒップホップなどの音楽カルチャーをストリートやドレスやラグジュアリーに融合させた独自のセンスで世界中から注目を集める小木は、名物バイヤーとして名を馳せながらファッションアイコンの地位を確立。インスタグラムのフォロワー数は10万人を超える。「ユナイテッドアローズ&サンズ」のディレクターとして世界を飛び回りつつ、パーソナルな活動にも精力的だ。


 デニムの原点にして頂点とも言われる世界のリーバイス®が、彼とのパートナーシップに見出したのは、偽りのない個の力とその広がりにある。プロダクトもさることながら、小木“POGGY”基史という人物の魅力に迫った。



小木“POGGY”基史




―― 現在は、どのような肩書きで活動をされていますか?


ユナイテッドアローズ&サンズのディレクターの他、最近は個人としての活動も積極的に行っていますが、今のところはとくに「これ」という肩書きを決めるつもりはありません。多くのブランドやメディア、そして世界で活躍している人を見ていると、自身が何であるかを自分で決めつけていない。肩書きを言わないほうがクールに感じる部分もあります。



―― それはクリエイティブの可能性を広げることにもつながりますか?


はい、世界のファッションシーンは、従来のカレンダーにない動きが活発になっています。パリやミラノ、ニューヨークや東京のコレクションだけでなく、LAのComplexconやドバイのSOLE DXB、さらには、これから世界的オンラインマガジンと仕掛ける新しいイベントなど、大きな企画が世界各地で開催されます。ファッションとエンターテインメントがひとつになり、音楽やアートなどさまざまなカルチャーをどう巻き込むかが重要になっている今、カレンダー以外で動いているラグジュアリーなストリートマーケットにフィットしながら、自分の役割を見出していきたい。今後は、より海外で勝負していきたい気持ちが強くあります。



―― 海外を強く意識し始めたきっかけは?


3年前に『POGGY’S WORLD』と題してラスベガスのファッション見本市「リバティフェア」に出展したのがきっかけです。今回のコラボレーションにつながるリーバイス®との出会いも、思えばそのタイミングでした。また、ディヴィッド・マーカスさんの『アメトラ』という書籍にも影響を受けました。日本人が培ってきたアメリカントラディショナルや、VANのアイビーがアメリカに逆輸入されていった流れを詳しく知り、日本人のよさを海外に伝えていくことが自分もできたらよいな、と思うようになりました。



―― 自身でブランドを設立したり、洋服をデザインしたい気持ちはありますか?

いまのところ、とくに考えていません。



―― 日本のファッション誌よりもネットの世界で、小木さんの華やかなスタイルを見かける機会が増えています。それもまた、海外に目を向けているためでしょうか?


10年ほど前にストリートフォトグラファーが脚光を浴びました。スコット・シューマンの「THE SARTORIALIST」やトミー・トンの個人ブログ「JAK&JIL」が話題になっていた頃です。友人に「JAK&JILに掲載されてたよ」と言われて知り、その影響の大きさを知りました。こういう着こなしって面白いな、と鏡を見ながら考えていた自分だけの世界が、世界中に広がって行くのを実感した瞬間です。それからは、自分からコレクション会場でトミー・トンに話しかけて親交を深めたり、気になる海外のブログが誰によるものなのか掘り下げることが、趣味というか癖になり、今ではずいぶんと人脈も増えました。日本のサイトに掲載された写真や情報が海外に転用されることを受け身で待つだけでなく、海外に向かって積極的にニュースを投げかけてとり上げてもらうといったアクションを、いち早く日本で起こしてきた自負はあります。



―― そんな海外に評価される小木さんのスタイルのルーツは、どこにありますか?


僕がユナイテッドアローズに入社するまでは、裏原宿のカルチャーに憧れていました。当時の日本の雑誌、例えば『BOON』などは裏原宿をとり上げる一方で、リーバイス®のジーンズを徹底的に解剖し、年代によるディテールの差異を説明するなど、多岐にわたる特集を組んでいました。そういった90年代のストリート雑誌を読み込んだ影響は、今思い返せば大きかった。多感な時期にストリートやヴィンテージなどいろいろなカルチャーを同時に知ることができたことが、今に生かされています。



―― そのミックス感が小木さんのストリートやラグジュアリー、そしてヴィンテージへの造詣の深さを形成しているのですね。


誇れるほど詳しくはありませんが(笑)、昨今のハイストリートの世界に関しては、かなり説明できると思います。