ジョナサン・アンダーソンがクリエイティブ ディレクターに就任して以降、ロエベは、コレクションごとに、ルックやその世界観をビジュアルで表現したコレクタブルブック『Publication』をリリースしてきた。このプロジェクトはクリエイティブシーンでも大きな影響力を持ち、写真家のジェイミー・ホークスワースなど、ここからブレイクしたクリエイターやモデルも多い。今回、2018年春夏ウィメンズコレクションをフィーチャーした最新号『Publication No.17』では、日本人アーティスト、フミコ イマノがコラボレーターとして起用され、話題をさらっている。



モデルは、オランダ人のサスキア・デ・ブロウを起用。

コレクション発表の前日に、パリのユネスコ本部を舞台に撮影された



 フミコ イマノは、写真やビデオを使ってセルフポートレイト作品を制作してきた作家だ。定位置から撮影した2枚のセルフィーを切り貼りし、ふたりいるかのようにみせる「Twins(双子)」シリーズで注目を集めた。その集大成的作品集として、アメリカ・ロサンゼルスのLittle Man Galleryから出版された『We Oui!』が世界的に高い評価を獲得。これが『Publication』のアートディレクションを務めるMMパリスをはじめ、ロエベチームの目に留まった。


 彼女が「Twins」のアイデアを着想したのは、自身がアイデンティティ・クライシスに陥った経験から。2歳から9歳までの幼少期をブラジルで過ごし、その後、ロンドンとパリでアートやファッションを学び、表現活動をしていたイマノは、拠点を日本に移したとき、その環境や価値感になじめずに苦しんだという。そこで彼女は自分が写っている写真をつなぎ、自分にそっくりな双子をイメージの中に出現させることで不安を解消していった。セルフィーというラフで気軽な撮影方法、アナログ作業がもたらす新鮮な表現力やクラフト感、コンプレックスやアイデンティティの問題を乗り越えた先にあるポジティブさ。『Publication #17』では、そんな彼女の作品のエッセンスがロエベのクリエーションと見事にマッチし、新しくかつ同時代的なファッション写真として昇華されている。







PHOTOGRAPHS: COURTESY OF LOEWE



 撮影は、ロエベのショーが開かれたパリ・ユネスコ本部が舞台。そのダイナミックなロケーションを活かし、イマイとモデルのサスキアが、彫刻のようなポーズをしてふざけたり、お互いを写真で撮りあったり、ホリデイのひとときを楽しむという設定だ。現地でイマイが購入したというフランスパンを使ってイマイとモデルのサスキアが格闘するといった不可思議でユーモラスな写真もあり、見ていて素直に楽しい。限定1200冊、すべて手書きのシリアルナンバー付きでリリース。今回、ブックは国外のみでの展開だが、appleのiBooksでは、フミコ イマノのインタビュービデオ付きデジタル版が無料でダウンロードできる。




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