心地よさとオンリーワンを求める人々の旅のデスティネーションとして、

ここ数年、熱い視線が注がれ続けるスカンジナビア

COURTESY OF VOLVO

東京という大都市に住んでいると、わざわざ飛行機に乗って出かけるまでもなく、世界中のグルメやファッション、エンターテインメントを楽しむことができる。例えばニューヨークでとあるベーカリーが人気ときけば翌月にはその東京店がオープンしていたりするし、パリコレで話題沸騰となった限定アイテムもまず手に入らないことはない。映画や展覧会にしても数カ月後には鑑賞でき、海外にいる友人との話題にタイムラグを感じなくなってきているほどだ。

旅のスタイルもしかり。ひと昔前に比べるとだいぶ様変わりしてきている。部屋のPCの前に座ってGoogle Mapで行きたい街を検索すれば、通りや広場の風景がぐるりと見渡せ、VR(バーチャルリアリティ)の革新的な進歩で繁華街を歩いてみることだってできる。けれどやはり、旅をするいちばんの醍醐味は「そこにしかないもの」を見て、「そこでしか体験できないこと」をし、「そこでしか食べられないもの」を味わうことに尽きる。時間と距離を惜しみなく使い、街の匂いや人々の息づかいをリアルに肌で感じること。現代における「贅沢な旅」とは、つまるところこういうことになってくるのではないだろうか。

そんなことを思っていたある日、「スウェーデンの山奥に行きませんか?」というお誘いを受けた。Åre(オーレ)という北欧屈指のスキーリゾートに宿泊し、そこからさらに山奥にあるミシュラン二つ星のレストランに行くのだという。『寒い国にはいちばん寒い季節に、暑い国にはいちばん暑い季節に行く』を旅のモットーとしている身としては二つ返事でOKしたのはいうまでもない。さっそくノースフェイスで最強のダウンジャケットを買い込み、北へと向かった。