2017年10月5日、銀座8丁目の一等地に「ホテル ザ セレスティン銀座」が開業した。デスティネーション型ホテルをコンセプトとした同ホテル。東京銀座での新たなる出発は京都に続く2軒目となる。全面に打ち出されたこのコンセプトには、“日本ならではの土地に根付く体験をして欲しい”という願いが込められている。ホテルは、銀座地区の重要な通りのひとつである外堀通りに面し、周辺にはブランドショップや貴金属店、銀座の夜を彩る華やかな料飲店舗が軒を揃える。


 銀座は東京にとっても大切な文化発祥の街。文明開化の時代から、洒落た人々や銀座に縁のある文化人たちのライフスタイル全般を牽引してきた。今では世界最先端の商業地区のひとつとして時を刻み、新しさと伝統の融合した特筆すべきエリアとして世界的にも注目されている。



銀座8丁目、外堀通りに登場したホテルのスタイリッシュな外観



 その銀座に建てられたホテルの敷地は、わずか20m×20mという正方形だ。特異な土地を最大限に活用し、見事な100年建築が造られた。モダンで瀟洒な外観はもとより、最新の免震技術が採用された建築物として、「ホテル ザ セレスティン銀座」では安心と高い信頼の滞在が約束されている。


プライベート感の漂うブロンズ色、凹凸デザインの玄関ドアから館内に足を踏み入れると、一瞬にして銀座の繁華街にいることを忘れてしまいそうになる。まさに「華麗なる静寂」をデザインコンセプトに創造されたというこのホテルでは、言葉を幾つも並べ説くよりも、実際にチェックインからアウトまでを体験した滞在者だけが、その静寂に癒され、上質なマテリアルを感じ取るだろう。また適度にかしこまったスタッフの真摯で温かなもてなしも非日常のホテル滞在を実感させてくれ、ゲストの満足感は大きいはずだ。



エントランスからチェックインカウンターのロビーに隣接する空間、ホワイエ



 ホテルの1階はロビー、2階から13階までがパーソナルな居住空間となっている。客室数は全104室。レジデンシャル型の落ち着きのある室内は居心地がいい。心を静めるインテリアの色遣いも、奇をてらわず上品である。肌触りや吸水性に優れた今治タオルの選択もうれしい限り。寝具やリネン類、アメニティにもこだわる上質感は、総体的にホテルの居心地にかかわってくる。いずれ、ホテルのペットのような黒猫の置き物が館内随所に現れる、というから楽しみである。



「スーペリアダブル」(23.5㎡)。

木目の生かされた落ち着いた色調の部屋



「セレスティン デラックス」

ホテル最上13階に造られた2部屋(47.5㎡)。

リビングルームとベッドルーム、ドレッシングルーム、

ビジネスコーナーも備えた贅沢な空間



これが噂の黒猫。

間もなく“ホテル猫”としてホテルのあちこちに現れるはず



 ホテルを食で盛り上げているのは、「GINZA CASITA」。東京青山に本店を構える人気ダイニングレストラン「Casita」の、ホテル初進出である。提供されるディナーは“魚介類に特化したイタリアン”。コース料理からアラカルトまで豊富に揃う中、シェフ渾身のシグニチャーメニューが狙い目だ。ひとりで入店し、「ハーフポーションで!」が許された。顧客になれば、わがままな裏メニューも聞いてもらえそうな、ゲスト主体のフレンドリーなサービスが心地いい。



14階にあるレストラン「GINZA CASITA」の夜のバーから東京タワーを望む

PHOTOGRAPH BY GINZA CASITA



リピーター続出「毛蟹のタリオリーニ」は毛蟹と九条ネギの組み合わせに、

手打ちパスタのタリオリーニが絶品

PHOTOGRAPH BY GINZA CASITA



 驚きはアメリカンブレックファストと並ぶ、「GINZA CASITA」流和朝食の提供だ。この和食膳は、ひとつひとつの食材が吟味され、プレゼンテーションも、美味しさも、上質だった。ディナーは夜の銀座らしい華のある空間で、朝食は、1日が始まる爽やかな朝の空間で――。これが同じ店舗かと思うほど、それぞれまったく別の空気感に触れることができるのが面白い。



朝のレストラン内と洋朝食



こだわりの産地選びと素材の確かさで心のこもった和朝食膳

PHOTOGRAPHS; HOTEL THE CELESTINE GINZA




ホテル ザ セレスティン銀座

(HOTEL THE CELESTINE GINZA)


住所:東京都中央区銀座8-4-22

予約電話:03(3572)3111

客室:全104室

料金:¥22,100~

(スーペリアダブル<23.5㎡>1泊1室の料金。消費税・サービス料込)

 ※日によって料金が異なるため、要問合わせ

公式サイト




せきね きょうこ

ホテルジャーナリスト。フランスで19世紀教会建築美術史を専攻した後、スイスの山岳リゾート地で観光案内所に勤務。在職中に住居として4ツ星ホテル生活を経験。以来、“ホテル”の表裏一帯の面白さに魅了され、フリー仏語通訳を経て、94年からジャーナリズムの世界へ。「ホテルマン、環境問題、スパ」の3テーマを中心に、世界各国でホテル、リゾート、旅館、および   関係者へのインタビューや取材にあたり、ホテル、スパなどの世界会議にも数多く招かれている。雑誌や新聞などで多数連載を持つかたわら、近年はビジネスホテルのプロデュースや旅館のアドバイザー、ホテルのコンサルタントなどにも活動の場を広げている。

http://www.kyokosekine.com/



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