建築家の槇文彦は、日本人がもつ特徴的な精神性のひとつとして「奥」という概念があると述べている。西欧の都市が、危険や混沌から断絶された秩序ある空間を指向し、その中心に塔や大聖堂といった天へと向かう垂直性を埋め込んだのに対し、日本の場合は山裾に沿って集落や耕地が生まれ、直角の位置にあたる山中に神社を配することで、「見えない位置に重要なものを置く」という空間性と精神性が育まれたのだという。昔から高密度な社会を形成していた日本人にとって、空間とは有限でこまやかなものであり、奥という概念を設置することによって、狭小の空間を深化させることを可能にしたのである。海外の人たちにしてみれば、こうした「奥性」は日本の魅力であると同時に、障壁でもあったに違いない。


 

ホテルの基本が3B(ベッド、ブレックファースト、バスルーム)であることは忘れていない

WIRED HOTEL ASAKUSA。とりわけ注目なのがベッド。

日本のホテルとしては初めて、ドバイの7ツ星ホテルでも使用されているDUXIANAのベッドを

ペントハウスからドミトリー(!) までの全室に導入している

COURTESY OF WIRED HOTEL ASAKUSA



1階のカフェ&バー

COURTESY OF WIRED HOTEL ASAKUSA



そんな障壁に風穴を開け「奥」へと誘うホテルが、東京・浅草に誕生した。その名も「WIRED HOTEL ASAKUSA」。東京で生活をする、年齢も趣味も国籍もさまざまな「アンバサダー」が発信する、東京の1マイル(地元)と100マイル(郊外)のとっておき(かつ、ざっくばらん)な情報を集め、ゲストに提供するというユニークなサービスで、2017年4月の開業以来、さっそく高稼働率を見せている。「奥」の魅力を再発見したいならば、一度このホテルのゲストになってみるのをおすすめする。



いたる所に遊び心が。

フロント脇に置かれた、スタッフが作成した、宿泊者向け浅草1マイルガイド

COURTESY OF WIRED HOTEL ASAKUSA




WIRED HOTEL ASAKUSA

住所:東京都台東区浅草2-16-2 浅草九倶楽部

TEL:03(5830)7931

公式サイト:http://wiredhotel.com/ja/



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