コスチュームアーティスト、ひびのこづえの個展が開催される。この4月で還暦という節目を迎える彼女は、本展で自身の衣装作りの本質に立ち返った

BY MASANOBU MATSUMOTO

画像: 『カエルのたまご』 PHOTOGRAPH BY HIROSHI YODA

『カエルのたまご』
PHOTOGRAPH BY HIROSHI YODA
 

 ファッションデザイナーとは異なる視点で、広告や舞台、映画などのコスチュームを制作してきたひびのこづえ。彼女の個展『60(rokujuu)ひびのこづえ展』が、4月6日(金)から千葉県の市原湖畔美術館で開かれる。タイトルにある60の数字は、今年4月で彼女が還暦を迎えることから。展覧会開催にあたり、ひびのは「60歳直前でやりたいことを見つけた。それは人に本当の服を着せることだった」とコメントを寄せている。

 本展では、新作の衣装を含む約50点を披露。鑑賞者が服を見ながら着る感覚も体験できるよう、展示方法にも工夫を凝らし、実際に着用できる作品も置くという。そしてハイライトとなるのが、展示空間を舞台に、展示衣装をダンサーに着用させて行うパフォーマンスだ。演目は、家族や人生、生命の循環を渡り鳥である白鳥のイメージに重ねたという新作『FLY、FLY、FLY』、鮮やかな海の世界をコンセプトにしたダンスパフォーマンス『WONDER WATER』、いくつかのキャラクター性を持った衣装を、演者が次々に着替えながら踊る『Humanoid LADY』の3つだ。

画像: 新作公演『FLY、FLY、FLY』のためのドローイング COURTESY OF ARTIST

新作公演『FLY、FLY、FLY』のためのドローイング
COURTESY OF ARTIST
 

画像: 新作公演『FLY、FLY、FLY』のための衣装(照明スタンド) COURTESY OF ARTIST

新作公演『FLY、FLY、FLY』のための衣装(照明スタンド)
COURTESY OF ARTIST
 

画像: 『WONDER WATER』(2017年) COURTESY OF SUZU-CITY

『WONDER WATER』(2017年)
COURTESY OF SUZU-CITY
 

画像: 『HUMANOID LADY スズズカver.』(2017年) COURTESY OF ARTIST

『HUMANOID LADY スズズカver.』(2017年)
COURTESY OF ARTIST
 

 舞台美術も手がける彼女らしいステージ空間と衣装の関係性も見どころだが、加えて注目すべきは踊り手だろう。新作『FLY、FLY、FLY』には、日本初の劇場専属ダンスカンパニーNoismの元メンバーで、現在は振付家・舞踊家として活躍する島地保武が参加。『WONDER WATER』に挑むのは、サーカスや大道芸で活躍するホワイトアスパラガス(谷口界、ハチロウ)。『Humanoid LADY』には、新体操出身で柔らかくしなやかな身体が魅力の引間文佳がコラボレートする。

 それぞれ身体表現のプロフェッショナルによって、コスチュームはどんな新しい顔を見せるのか。その先に、長いキャリアを経て、彼女がいま「人に着せたい」と思う“本当の服”がある。

 

60(rokujuu)ひびのこづえ展
会期:4月6日(金)〜6月24日(日)
会場:市原湖畔美術館
住所:千葉県市原市不入75-1
開館時間:平日/10:00〜17:00、
土曜、休前日/9:30〜19:00、日曜・祝日/9:30〜18:00
休館日:月曜(祝日の場合は翌火曜)
入館料:一般 ¥800、大高生 ¥600、中学生以下は無料

<パフォーマンス・プログラム>
①『FLY、FLY、FLY』(本展のための新作)
日時:4月21日(土)、22日(日)、5月12日(土)、13日(日) いずれも15:00〜
②『WONDER WATER』
日時:5月5日(土)、6日(日)いずれも13:00〜
③『Humanoid LADY 市原湖畔美術館ver.』
日時:5月5日(土)、6日(日)、6月2日(土)、3日(日)いずれも15:00〜
※各回鑑賞料 ¥1,200(別途入館料)、上演時間は40分

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