メトロポリタン美術館服飾研究所の控えめなキュレーターは、美への愛とあまのじゃく的な趣味を併せ持つ人物だ

BY EVIANA HARTMAN, PORTRAIT BY BLAINE DAVIS, TRANSLATED BY JUNKO KAWAKAMI

画像: 美術館にある僕のオフィスには自然光が入りません。 お墓のような雰囲気が気に入っています PORTRAIT BY BLAINE DAVIS

美術館にある僕のオフィスには自然光が入りません。
お墓のような雰囲気が気に入っています
PORTRAIT BY BLAINE DAVIS

「キュレーターは、扱うテーマに深く感情移入し、愛情を注いで取り組まなければなりません」とアンドリュー・ボルトンは言う。記録破りの入場者数となった『アレキサンダー・マックイーン:SavageBeauty(野生の美)』や、今年の『China:Through the Looking Glass(鏡の国の中国)』など、メトロポリタン美術館服飾研究所でこの10年に最も人気を集めた展覧会の立役者となった49歳の空想家(ビジョナリー)。ボルトンは、われわれの共同意識におけるファッションの地位に並はずれて大きな影響を与えている。

階級とジェンダーの流動という一対のオブセッションは、彼の仕事全体に織り込まれたものだ。イングランド北部、ランカシャー州の中流家庭で、ロンドンの上流(ポッシュな)生活やケンブリッジやオックスフォードのかび臭く閉鎖的な世界とは無縁に育った彼は、十代で地元のパンクに熱中。大学では人類学と非西洋世界の美術を学び、『The Face』や『i-D』といった雑誌を読みふけった。

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