ちまたで評判の化粧品・美容アイテムの背景には、必ず研究開発者による苦難の物語がある。なぜすごいのか、どうすごいのか? それをいちばんよく知る開発者に迫るインタビュー連載。第2弾は、日本で初めて(※1)肌への機能が認められた“トクホ”「オルビス ディフェンセラ」※1 発売商品として

BY MIYUKI NAGATA, PHOTOGRAPHS BY TOMOKO SHIMABUKURO, SHINSUKE SATO(STILL)

 肌への機能が認められたトクホ(特定保健用食品)として、このほど日本で初めて発売された「オルビス ディフェンセラ」。柚子風味の粉末を毎日経口摂取することで「肌の水分を逃しにくくする」というこの製品は、発売から2ヶ月、すでにクチコミで爆発的人気を博している“飲むスキンケア”だ。だが、事業者の責任で機能性を表示する「機能性表示食品」とは異なり、国の審査・評価が必要なトクホを取得するまでには、多くのハードルがあったという。開発に6年、申請に4年を費やしたその誕生までのドラマを、プロジェクトリーダーを務めた平河聡さんに聞いた。

「私は入社してすぐ、安全性を評価する部署で、多くの女性に肌について話をうかがう仕事を10年ほどしていました。その後、世界のトップレベルの研究成果を出していた東北大学の皮膚科に志願して派遣していただき、皮膚のバリア機能のメカニズムを研究していたのですが、そのときにふと思い出したんです。女性のみなさんが“乾燥は全身の悩み”といっていたことを。全身に保湿剤を塗るのは大変ですが、飲めば血流に乗って全身に届くのではないか? ――その発想が、ディフェンセラ開発のスタートでした」

画像: 平河 聡さん 1990年に入社。2008年より肌トクホ開発を牽引してきたプロジェクトリーダー。現在はポーラ・オルビス ホールディングス マルチプルインテリジェンスリサーチセンターに所属。「届け出の制度である“機能性表示”とは違い、国から表示許可を得て『これを食べると効きます』と言えるのはディフェンセラだけだと思います」と語る

平河 聡さん
1990年に入社。2008年より肌トクホ開発を牽引してきたプロジェクトリーダー。現在はポーラ・オルビス ホールディングス マルチプルインテリジェンスリサーチセンターに所属。「届け出の制度である“機能性表示”とは違い、国から表示許可を得て『これを食べると効きます』と言えるのはディフェンセラだけだと思います」と語る

 乾燥や有害物質から体内を守る「皮膚のバリア機能」を研究するなかで、細胞膜に多く存在する脂質「セラミド」の重要性に注目していた平河さんが着目したのは、米胚芽由来のグルコシルセラミド。「作るからには国に認められるような、高いレベルのものをお客様に提供したい。だから特定保健用食品を目指そうということは始めから決めていました。そのためには体の中でどう働くのか、作用機序をきちんと説明できなくてはなりません。ほかにも候補はありましたが、機能でも安全性においてもグルコシルセラミドが最有力でした」

 ではグルコシルセラミドは実際、肌の水分保持にどう働くのだろう?「飲むと胃や腸で分解・吸収され、セラミドやスフィンゴイド塩基と呼ばれる物質に代謝され、血流を介して皮膚に運ばれます。これが皮膚に届くと、セラミドとしてバリア機能向上に働くのではなく、もともと肌に存在するセラミドを合成する酵素を増やすという働きがある。つまり、セラミドを作る工場を増やしてくれるのです」

 ほかにも、表皮細胞のすき間を塞いで水分を逃がさないようにする「タイトジャンクション」と呼ばれる構造を構成するタンパク質の発現を促したり、角層の成熟を促して皮膚の最外層を強くする働きがあることも確認されている。「表皮細胞は生まれてから垢になってはがれ落ちるまで、さまざまな形で皮膚のバリア機能を担っています。グルコシルセラミドは、その肌本来が持っている“うるおう力”を高めるのです」

画像: オルビス ディフェンセラ<1.5g×30包>¥3,200 玄米1トンから2gしかとれない純度の高いグルコシルセラミドを配合。経口摂取によって「肌の水分を逃がしにくくするため、肌の乾燥が気になる方に適している」という肌への機能が確認された、日本で初めて発売された肌の“トクホ”商品

オルビス ディフェンセラ<1.5g×30包>¥3,200
玄米1トンから2gしかとれない純度の高いグルコシルセラミドを配合。経口摂取によって「肌の水分を逃がしにくくするため、肌の乾燥が気になる方に適している」という肌への機能が確認された、日本で初めて発売された肌の“トクホ”商品

 しかし「日本初の肌トクホ」の誕生までは、まだまだ長い道のりがあった。「私たちは医薬部外品を作ったことはあっても、トクホは作った経験がありません。しかも肌のトクホはこれまで市場になかったので、国に対してどんなエビデンスを示せば認められるのかも手探りのうえ、そもそも認められるのかという不安もありました。また、食べる物なので当然ですが、どんな人が食べても高い安全性を証明しなければならない。そうした課題をひとつひとつ乗り越えているうちに、申請まで6年かかってしまいました」

 申請を出したのは2013年の年末、役所が仕事納めの日。工場のある静岡の保健所と東京の消費者庁まで、平河さんが自ら新幹線で申請書類を持参したという。「絶対その年のうちに申請を出すと決めていたので、担当の方に行きますとあらかじめ電話しておいたんです。消費者庁に提出したときは『ひとつのを山を越えた!』と達成感を得ましたが、これから本当の戦いが始まるのだ、と改めて気を引き締めました」

 そこからさらに4年――。有効性や安全性を審査官と有識者が検討する、数えきれないほどの審査会をすべてクリアして、ついにトクホを取得。10年にわたる長く険しい道のりを支えたのは、平河さんのある思いだった。「世の中にまだないものを作りたい。でも、それだけではダメなんです。この商品を作ることで、乾燥に悩む人を喜ばせたい。それが研究の大きなモチベーションでした。乾燥は男女も住んでいる国も、年齢も関係のない、ボーダレスな悩みです。いま世界中で、ドライシンドロームという乾燥に悩む方がいます。そこに新しいスキンケアの形として“飲むスキンケア”を提案できたのは、研究者としてとても幸せです」

画像: 摂取目安量は1日1包で、水がなくても飲める口どけのよいパウダータイプ。「山ほどプロトタイプを作った」(平河さん)中から、多くの人がおいしいと評価する柚子風味に行き着いたという

摂取目安量は1日1包で、水がなくても飲める口どけのよいパウダータイプ。「山ほどプロトタイプを作った」(平河さん)中から、多くの人がおいしいと評価する柚子風味に行き着いたという

“化粧品は塗るもの”という既成概念を打ち破り、名実ともに内側からのスキンケアを可能にしたオルビス ディフェンセラ。それは数多くの女性の肌悩みに耳を傾け、皮膚科学の最前線で研鑽を積んだ平河さんが、より効果的な、そしてまったく新しい乾燥対策を追求して生まれたものだった。彼いわく、『私たちの研究所は、好奇心のかたまり揃いのマニア集団』とのこと。彼らの情熱的な好奇心は、これからも私たちをあっと驚かせる、化粧品の枠を超えた商品を世に送り出してくれるに違いない。

問い合わせ先
オルビス
フリーコール: 0120-010-010
公式サイト

 

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