ちまたで評判の化粧品の背景には、人知れぬ開発の苦難がある。なぜすごいのか、どうすごいのか? 誰よりもそれをいちばんよく知る開発者に迫るインタビュー連載。第6弾は、“黒”で大人の女性の魅力を引き出す、「Amplitude/アンプリチュード」Autumn & Winter Collection 2019

BY MIYUKI NAGATA, PHOTOGRAPHS BY SHINSUKE SATO

「アンプリチュード」は、美しさの経験を積んだ大人の女性に向けて、昨年秋にデビューしたメイクアップコスメブランド。クリエイティブ ディレクターをつとめるのは、メイクアップアーティストRUMIKOさんだ。この秋、“A Touch of Colors in Black”をテーマに、“黒”の新しい表現を追求したコレクションを発表する。いわく、「黒の奥に色があり、色の奥に黒を感じる」コレクションだという。しかし、なぜ黒なのか?

「何年か前ですが、旅先のとある美術館で“黒っぽい花”の写真と出会ったんです。バラやチューリップやアザミや…… 美しい赤やピンクなのに、どこか黒を感じさせる花。黒と色のコンビネーションがとてもドラマティックで、ミステリアスな雰囲気もあって。この美しさを大人の秋のメイクに取り入れたいと思いました」とRUMIKOさん。

画像: (左から)コンスピキュアス ダブルアイズ 01、05、06各¥6,000(すべて8月7日発売) クリームベースにパウダーシャドウを重ねることで、奥行き感のある仕上がりに。クリームベースの発色の美しさとヨレにくさはお見事

(左から)コンスピキュアス ダブルアイズ 01、05、06各¥6,000(すべて8月7日発売)
クリームベースにパウダーシャドウを重ねることで、奥行き感のある仕上がりに。クリームベースの発色の美しさとヨレにくさはお見事

 秋冬シーズンなので、目元のメイクをポイントにしたい。そこに黒のニュアンスを加えることで、大人にふさわしい洗練された印象が生み出せる。「でも、日本の女性はダークな色のアイシャドウが苦手でしょう? 使ってみたいけど、なんとなく濃くなりすぎてしまって使いにくい。だから、“透き通る感”を出すことで使いやすく、重くなりすぎないようにアイシャドウを工夫したんです」

“透き通る感”とは、アンプリチュードのブランドデビューの際に発表したベースメイクアイテムでも、RUMIKOさんが一番大切にしたキーワード。メイクアップで大人の女性の品や洗練を表現するためには“透き通る感”が必須だという。今回、アイシャドウにその“透き通る感”をもたせるために考えたのが、黒やブラウンなどのクリームベースで土台を作り、そこにパウダーシャドウを重ねて色をつくるという方法だ。

画像: プレス発表会でも披露された、「クリームベースの上にパウダーアイシャドウを重ねる」という製品コンセプトを伝えるイメージボード。透明感のある黒のベースに赤いパウダーを乗せると、色の背後に黒を感じさせるシックなボルドー色に

プレス発表会でも披露された、「クリームベースの上にパウダーアイシャドウを重ねる」という製品コンセプトを伝えるイメージボード。透明感のある黒のベースに赤いパウダーを乗せると、色の背後に黒を感じさせるシックなボルドー色に

「このクリームベースをつくるのがとても大変で。つけたときに、その色、黒ならば黒さを感じないとダメなんですが、感じ過ぎると厚ぼったくなる。だから色素を限界まで少なくして、パールで色を出すことにしました。でも、見た目は黒くても肌につけたら全然黒くなかったり、ムラになったりと、いくつもの難関があって……。パールや色素、オイルやワックスの割合を変えて何度も作り直し、やっとベストと思えるものができました」

 たとえば繊細なパールが美しい黒のクリームベースをまぶたに伸ばし、上から乾式の赤いパウダーアイシャドウを乗せると、赤みの奥に黒を感じるボルドーに。イエローのアイシャドウを重ねれば瞳を引き立てるオリーブ色に。2つの質感を重ねることで、ダークなのに“透き通る感”のある目元に仕上がる。なめらかにムラなく肌に密着し、時間がたってもよれないのも、RUMIKOさんのこだわりのポイントだ。

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