スマート化が進む時代に生まれた”異端”のスピーカー。その調べには、日本人の生活感性に根付いた美意識が宿る

BY MASANOBU MATSUMOTO

画像: 和の素材を使いつつも、現代の生活空間に馴染むシンプルなデザインを採用 SPECIAL THANKS TO CAR HANSEN & SON

和の素材を使いつつも、現代の生活空間に馴染むシンプルなデザインを採用
SPECIAL THANKS TO CAR HANSEN & SON

 いまやスピーカーは、音楽を聴くためだけのツールではなくなった。それに向かって話しかけ指示すれば、今日のスケジュールや訪問先の天気、知っておくべきニュースを教えてくれたりもする。この数年、スピーカーの”スマート化”は加速。マルチなシーンで日常に溶け込みはじめている。そんな中、いわゆる“IoT”とは違った形で、生活と音の豊かな関係を提案とするスピーカーが生まれた。日本の老舗オーディオメーカー、オンキヨーが満を持してリリースした「桐スピーカー」だ。

 ユニークなのは、開発コンセプト。開発者が注目したのは、古来日本人が生活の中で培ってきた音の感性だ。たとえば、日本人の琴線に触れてきた雨や風の音、虫の声。そういった自然界の音には、人の不可聴域の周波数が含まれている。その”聞こえない音”を響きとして身体で感じ、環境全体を想像しながら、日本人は、生活の音に風情なるものを発見してきた。通常、スピーカーはキャビネットの響きを軽減し、クリアな音を再現するように設計されるが、この「桐スピーカー」は、響きや共振そのものをフォーカス。「スピーカー自体を響かせる」という斬新な発想にたどり着いた。

画像: H289 × W153 × D274mmのスモールなサイズも、音の響を効果的に伝えるために算出された。同様に特別設計された台座がセットに PHOTOGRAPHS: COURTESY OF ONKYO & PIONEER CORPORATION

H289 × W153 × D274mmのスモールなサイズも、音の響を効果的に伝えるために算出された。同様に特別設計された台座がセットに
PHOTOGRAPHS: COURTESY OF ONKYO & PIONEER CORPORATION

 桐が採用されたのは、木材の中でも振動を伝えやすい「多孔質」で、キャビネットの共振を音に変換するのに合理的だったから。実際、琴や琵琶など、和楽器のベースに桐が使われていることが多いという。さらに「桐スピーカー」では、低音部の響気を増幅させるため、ボックスの内側に和太鼓に見られる「網状鱗彫り」を採用。振動板のコーティングにも、和楽器の接着剤として使われるにかわを取り入れた。もはやスピーカーではなく、新しい「楽器」だ。そう思うと、ここから流れ出る音は、いっそう聴く人の心を楽しく、ワクワクさせる。あらゆるモノがスマート化される現代において、われわれが求めるのは効率や利便性だけでなく、生活を潤す豊かさだ。現代人の「本音」も、その調べは伝える。

桐スピーカー

チケット購入型クラウドファンディングサイト「未来ショッピング」にて、下記2つのプラン(実行確約型)でそれぞれ5セット限定で先行販売。募集期間は9月30日(土)まで。購入後、1〜2ヵ月に納品。
①本体・台座(各2台)、アンプ、CDプレイヤー、スピーカーケーブル、スタッフによる設置サービス付き ¥1,300,000
②本体・台座(各2台)¥1,200,000

未来ショッピング
https://nikkei.en-jine.com/projects/onkyo

問い合せ先
オンキヨーオーディオコールセンター
TEL. 050(3161)9555

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