京都の北、昔ながらの住宅街に建つNISHINOYAMA HOUSE。妹島和世が設計したこの集合住宅には不思議なコミュニティが存在する。国籍も世代も家族構成も異なる住人たちのあいだで自然に育まれていった人々のつながりとは?

BY JUN ISHIDA, PHOTOGRAPHS BY GION

画像: 燦々と光が注ぐリビングでくつろぐ、現代美術家のガーダー・アイダ・アイナーソン一家 ほかの写真をみる

燦々と光が注ぐリビングでくつろぐ、現代美術家のガーダー・アイダ・アイナーソン一家
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 現代美術家のガーダー・アイダ・アイナーソンと、マーケティングPR会社の代表を務める本田美奈子の一家もまた、西野山ハウスをセカンドハウスとしている。きっかけは住人が開いたパーティを訪れたことだった。5歳の息子を持つふたりは「ユニークな建築に触れながら育つのは子どもにとっても面白い経験なのでは」と思ったという。学生時代、建築を専攻したこともあるガーダーは、ガラスの建物だからこそ気づく刻々と変わる光や雨音、雪景色などの多様な環境について語り、「建築は実際にそこで過ごしてみないと理解できない」と述べる。

画像: 半屋外の通路を挟んだ和室には、柳宗理のバタフライチェアと京都の骨董市で見つけた装飾が美しい重箱が置かれている。左に床置きされたのは江戸時代の浮世絵 ほかの写真をみる

半屋外の通路を挟んだ和室には、柳宗理のバタフライチェアと京都の骨董市で見つけた装飾が美しい重箱が置かれている。左に床置きされたのは江戸時代の浮世絵
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画像: ロフトは一人息子のエリスの遊び場。天井にあしらわれた木が、ガラスとコンクリートと鉄骨で作られた空間の印象を和らげる。隣家の屋根も景色の一部に ほかの写真をみる

ロフトは一人息子のエリスの遊び場。天井にあしらわれた木が、ガラスとコンクリートと鉄骨で作られた空間の印象を和らげる。隣家の屋根も景色の一部に
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画像: 街中の路地のように細い通路が入り組む西野山ハウス。家と家の境界線はメッシュの扉で分けられることで曖昧に。テラスは住人たちが互いの家を行き来する通路にもなる ほかの写真をみる

街中の路地のように細い通路が入り組む西野山ハウス。家と家の境界線はメッシュの扉で分けられることで曖昧に。テラスは住人たちが互いの家を行き来する通路にもなる
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 3つの家の取材を終えると、周防家で催されている昼食に誘われた。住人同士は、週末になると朝食や昼食を一緒にとることも多いという。テラスに置かれたテーブルの上には、みなが持ち寄った料理が並べられている。チーズや果物を盛り合わせた大きなガラス皿とグラスは三嶋のもので、以前、周防家に持ち込み、そのままここに置かれている。

「こんなところはほかにないと思う」と三嶋はいう。「オーナーの長谷さんも含めて、仲間のような家族のような意識がみんなの中にある。他人のために何かをしなければではなく、つい自然にそうしてしまう感覚を共有しているんです」。セカンドハウス利用の者も多いため全員が揃う機会はなかなかないが、年に二度、大文字の送り火と年末年始は住人たちが集い、妹島もその際には参加する。「住む人たちが作り上げてくれた」と妹島も語る西野山ハウスのコミュニティ。未来の家族像ともいえる共同体がここには生まれていた。

 

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