2016年にローマ歌劇場で初演されたソフィア版『椿姫』がついにこの秋、日本に上陸する

BY YUKI SATO

画像: 初めてのオペラ演出でも、その才能を遺憾なく発揮したソフィア・コッポラ PHOTOGRAPH BY DICK PAGE & JAMES GIBBS

初めてのオペラ演出でも、その才能を遺憾なく発揮したソフィア・コッポラ
PHOTOGRAPH BY DICK PAGE & JAMES GIBBS

 映画監督としてすでに高い評価を得ているソフィア・コッポラだが、初めてのオペラ演出作『椿姫』を見ると、彼女の才能の底知れぬ深さに驚くしかない。2016年にローマ歌劇場で初演されて大きな話題を呼び、ついにこの秋、日本に上陸するソフィア版『椿姫』。ヴェルディ作曲のこのオペラは「ラ・トラヴィアータ」という原題でも知られるが、これには“道を踏みはずした女”という意味もあるのだとか。それはヒロイン、ヴィオレッタの職業が“高級娼婦”であることに拠るのだろうが、ソフィアはむしろヴィオレッタを、“自分の運命を予感しながらも、人生の最後に手に入れた純粋な愛を全うしようとする女”として描く。だからこそ、愛してしまったアルフレードのために、自分を犠牲にしてまでも悲しい噓をつくのだ。

 ローマ歌劇場の公演だけあり、衣装を手がけたのはイタリアモード界の重鎮、ヴァレンティノ・ガラヴァーニ。“乾杯の歌”で始まるパーティの場面では、登場人物が華やかで洗練されたオートクチュールに身を包み、耳だけでなく目でも観客を魅了する。ヴィオレッタ役のフランチェスカ・ドット、アルフレードの父ジェルモン役のレオ・ヌッチの歌唱も絶品だ。「演出を引き受けたのは、『椿姫』が女性の物語であり、悲劇的で極上のラブ・ストーリーだから」と語るソフィア。この挑戦に彼女が込めた想いと情熱を、ここ東京でたっぷりと味わいたい。

画像: ヴァレンティノ・ガラヴァーニが手がける舞台衣装も見どころのひとつ PHOTOGRAPH BY YASUKO KAGEYAMA

ヴァレンティノ・ガラヴァーニが手がける舞台衣装も見どころのひとつ
PHOTOGRAPH BY YASUKO KAGEYAMA

ローマ歌劇場 2018年日本公演 ヴェルディ作曲『椿姫』
(全3幕/ヤデル・ビニャミーニ指揮)
会場:東京文化会館
住所:東京都台東区上野公園5-45
会期:2018年9月9日(日)、12日(水)、15日(土)、17日(月・祝)

問い合わせ先
NBSチケットセンター
TEL. 03(3791)8888
(平日10:00~18:00、土曜10:00~13:00、日・祝休)
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