29歳で亡くなった監督ジャン・ヴィゴの傑作『アタラント号』が4K版として復活。さらに、彼の名を冠した新人監督賞「ジャン・ヴィゴ賞」で注目を浴びたノエミ・ルヴォウスキーの最新作が相次いで公開される

BY REIKO KUBO

 フランスの新人映画監督賞として名高いジャン・ヴィゴ賞。その名を聞くたびに、胸につんとせつなさがこみ上げてくる。ジャン・ヴィゴとは、1934年に29歳の若さで逝った伝説の監督だ。

 斬新な短・中編を発表したのちに初長編『アタラント号』に着手したが、厳寒の撮影がたたって肺結核が悪化。病床から編集を指示し、命を削って完成させたものの、時代は彼の創造性に追いついていなかった。『アタラント号』はタイトルも改変、大幅にカットされて公開された。戦後になってヴィゴ映画は再評価され、彼の名前を冠した新人映画監督賞が創設されたのだ。

画像: 結婚式のウェディング・ドレスのまま、ジュリエットはジャンが船長を務める船に乗り込む

結婚式のウェディング・ドレスのまま、ジュリエットはジャンが船長を務める船に乗り込む

 このほど、目を見張る美しさで昨年のカンヌを湧かせた『アタラント号』4K版が日本のスクリーンによみがえることに! ル・アーブルとパリを結ぶ運搬船で新婚生活をスタートさせるジャンとジュリエットの若夫婦の物語に、老水夫役の名優ミシェエル・シモンがユーモラスに絡む。新婚ならでは可愛らしいキッチンが設えられた船内は、人より猫の方が多い。立ち寄った港でシャレ男にジュリエットが口説かれたことからジャンが嫉妬、ジュリエットは大都会パリへの憧れからこっそり船を抜け出して……。

画像: ジュリエット役には無声映画時代のドイツで人気を博したディタ・パルロ。教師役で『新学期 操行ゼロ』にも出演したジャン・ダステが夫ジャンを演じた © 1934 GAUMONT

ジュリエット役には無声映画時代のドイツで人気を博したディタ・パルロ。教師役で『新学期 操行ゼロ』にも出演したジャン・ダステが夫ジャンを演じた
© 1934 GAUMONT

 かつてのセーヌ河沿いの銀色にきらめく風景を背に、愛することの歓びと人生の輝きをスクリーンに焼きつけた至福の映画『アタラント号』。ヴィゴの寄宿学校時代をもとに、みずみずしい才気とユーモアがあふれ出す傑作中編『新学期 操行ゼロ』と短編『ニースについて』、『競泳選手ジャン・タリス』も同時公開となる。

『アタラント号』

12月29日(土)よりシアター イメージフォーラムほかにて全国公開。
同時公開『ニースについて』、『競泳選手 ジャン・タリス』、『新学期 操行ゼロ』
公式サイト

 

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