2019年アカデミー賞で最多9部門10ノミネートと、世界的に注目される話題作『女王陛下のお気に入り』に出演しているエマ・ストーン。『ラ・ラ・ランド』で爆発的ブレイクを果たし、いま乗りに乗る彼女に単独インタビュー

BY KURIKO SATO

 エマ・ストーンが多才な女優であることは、誰もが認めるところだろう。世界中でヒットした『ラ・ラ・ランド』で、演技のみならず歌と踊りの才も披露し、昨年のアカデミー賞主演女優賞を受賞したことは記憶に新しい。その後も『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』など話題作が続く、ハリウッドを代表する若手売れっ子女優だ。だがそれでも、次回作で純英国調のコスチューム劇に挑戦するというニュースを聞いたときは意外に思えた。

 その新作は、ギリシア出身で『ロブスター』『聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア』など問題作を発表し続ける映画界の異端児、ヨルゴス・ランティモス監督がメガホンを握る『女王陛下のお気に入り』。18世紀初頭、イギリスがフランスと戦争を重ねる時代を舞台に、時のアン女王(オリヴィア・コールマン)と、彼女の幼なじみで秘密裏の恋人でもあり、陰で政治を操るサラ(レイチェル・ワイズ)、そしてふたりの中に割って入る没落貴族のアビゲイルが織りなす三角関係が濃厚に描かれる。もともとランティモス監督のファンだったというストーンは、監督との出会いを振り返ってこう語る。

画像: 宮廷に下働きとして仕えることになったアビゲイルは、女王のご機嫌をとり、徐々にのし上がっていく

宮廷に下働きとして仕えることになったアビゲイルは、女王のご機嫌をとり、徐々にのし上がっていく

「初めて会ったのは、この作品の制作の2年ほど前だった。当時はまだ『聖なる鹿殺し〜』はできていなかったけれど、私は『ドッグティース』と『ロブスター』が大好きだったの。こんなに尋常ではないものを作る監督がいるなんて、と驚いたのよ(笑)。でも彼に会ってとてもナイス・ガイだったので、さらに驚いたわ。ヨルゴスのような人がああいう映画を作るなんて、すごく不思議な感じがした。彼の視点はとてもユニークよ。しかも彼は(声音を真似て)『この役にアメリカ人を起用するとは考えてはいなかったけど、まあそれもいいんじゃないか』って、すごくイージーな感じだった(笑)。もちろんオーディションは受けたけれど」

画像: 如才なく振る舞うアビゲイルに、はじめはサラも気を許すが、やがて熾烈な争いに発展する

如才なく振る舞うアビゲイルに、はじめはサラも気を許すが、やがて熾烈な争いに発展する

 こうして、ストーンの徹底的な役作りが始まった。周囲がほとんど英国人俳優のなか、彼女はまずコーチについて英国式のアクセントを学んだ。「アクセントのことを自分で気にしなくなるぐらいになりたかったの。現場ではいつも聞き耳をたて、いろいろなことを観察もしていた。チャレンジだったけれど、結果的にはそういう環境はアビゲイルと共通していたし、よかったと思っている。彼女も慣れない宮廷の中で、いつも周りを観察しているから。もっとも、彼女の場合はそこからののし上がり方がすさまじいけれど(笑)」

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