庭には花々が咲き乱れ、家には楽しい集いの笑い声。好きなものに囲まれて暮らす。「断捨離はしない、無駄があるから文化がある」と言い切る。自らを、そして周囲を喜びで満たしながら今日を生きる。島田順子さんに日々の暮らしを彩る秘訣を尋ねた

BY AZUMI KUBOTA, PHOTOGRAPHS BY SHINSUKE SATO

 9月に刊行した著書『パリー東京 とらわれず、しばられず 今日、今を生きる美しい人』(集英社インターナショナル刊)は、そんな島田さんの生き方、考え方を数々の写真とともに捉えた一冊だ。少女時代から、渡仏して現在にいたるまでを克明に語った半生記であり、暮らしのすみずみできらめくセンスを凝縮したライフスタイルブックでもある。自然体で人を招き、料理や空間を準備する島田さんの暮らしぶりは、真似したくなるアイデアの宝庫。器づかいを始め、身の回りのファッション、インテリアに、洗練されつつも、自由闊達な美意識がゆきわたる。

画像: 東京の自宅のキッチンに並ぶのは、お気に入りの銀器など。アンティークにブロカント、現代のデザイナーものやレディメイド……既成概念にとらわれず、直感で「好き」と感じたものが集まってくる

東京の自宅のキッチンに並ぶのは、お気に入りの銀器など。アンティークにブロカント、現代のデザイナーものやレディメイド……既成概念にとらわれず、直感で「好き」と感じたものが集まってくる

 本書の中で、「好きなものに囲まれて暮らしていたい」と語る島田さん。どうやって愛するものたちをコレクションしてきたのだろうか。「欲しかったものを見つけたときは一瞬でわかるものです。少し高価かなと思っても、数を計算して省いたりしないで、あるだけみんな買ってしまう。そういう無駄なことをしてしまうのが私の贅沢ね。自宅にあるものはそんな風にして集まったものばかりです」。好きなものはずっと好きだから、捨てずに直しながら、長いこと人生を共にする。「歳を重ねてこんなに物が増えてしまって、一体どうしましょう? でもね、持っていても無駄になるから買わない、なんて私は思いません。意味がないと言われるようなものこそ、目に映った時に楽しい気持ちになるでしょう? それは私にとってみんな必需品です。無駄をなくしたら窮屈よ。無駄があるから文化があるんです」ときっぱり。

画像: パリ郊外、ブーロンマーロット村にある自宅で週末を過ごす。広々とした庭には、季節ごとに花々が咲き乱れて。本書では庭の風景や花あしらいの写真もふんだんに。また、その美意識を育てた背景にも迫る PHOTOGRAPH BY IKUO YAMASHITA

パリ郊外、ブーロンマーロット村にある自宅で週末を過ごす。広々とした庭には、季節ごとに花々が咲き乱れて。本書では庭の風景や花あしらいの写真もふんだんに。また、その美意識を育てた背景にも迫る
PHOTOGRAPH BY IKUO YAMASHITA

画像: 『パリ−東京 とらわれず、しばられず 今日、今を生きる美しい人』より。 庭で集めた切り花を、クリスタルのどの花瓶に生けるのか、考えながら挿していくのも幸せな時間だ PHOTOGRAPH BY IKUO YAMASHITA

『パリ−東京 とらわれず、しばられず 今日、今を生きる美しい人』より。
庭で集めた切り花を、クリスタルのどの花瓶に生けるのか、考えながら挿していくのも幸せな時間だ
PHOTOGRAPH BY IKUO YAMASHITA

 花々はそんな島田さんの “素敵な無駄”のひとつであり、人生を彩る必需品。「野原に咲く花がいちばん好きで、いつも花鋏を持ち歩いています。もともと館山の山あいで育ちましたから、温室育ちの高価な花をわざわざ買うより、自然の中に咲いているものがいちばん綺麗だと思う。ちいさな一輪を可愛いと思い、その素朴な美しさを愛でる、それだけで幸せだと思わない?」

 少女のような素直な感性を持って、日々の暮らしを楽しむ。それがどれだけ豊かなことか。生活の中の幸せの感じ方、美しさの感じ方を、この女性は知っている。

画像: 『パリ−東京 今日、今を生きる美しい人  島田順子』/集英社インターナショナル 島田順子著 ¥1,800

『パリ−東京 今日、今を生きる美しい人 島田順子』/集英社インターナショナル
島田順子著 ¥1,800

 

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