パティ・ジェンキンスは、『ワンダーウーマン』の続編の監督として高額な契約を結び、映画業界の歴史に名を残した。同作品はHBO Max(アメリカの動画配信サービス)でも公開されることに決まり、「3作目は?」 と聞かれた彼女は、「今は様子見」だと話した

BY KYLE BUCHANAN, TRANSLATED BY NAOKI MATSUYAMA

――『ワンダーウーマン1984』は、もともと2019年末に公開される予定でした。延期されない方がよかったと思いますか?

 とりあえず、冬に公開してほしくはなかったですね。2020年夏に公開することになっていたのに、2019年に大作がないということで……。配給会社との戦いでした。私はその頃、別件でシリーズもののTVドラマの撮影していたのですが、突然、公開日を7カ月繰り上げたと発表されたんです。『ワンダーウーマン』の時よりも、はるかに限られた時間で映画をつくることになりました。彼らには、「なんで製作期間を短縮して、よい作品をつくることができる保証がなくなるような真似をするのか」と言いましたね。

 一年中、そのことで議論していたんですが、ドラマの方は全話撮ることを諦めて、最初の2話分だけをやることにしました。それで80ページの脚本を書くのと、TVドラマの演出を同時に急いでやらなければならなかったんです。なので、最終的に公開日が後ろ倒しになったのはラッキーでした。予定どおり公開されていたら、あまりよい映画にはなっていなかったでしょうね。

画像: PHOTOGRAPH BY NATALIA MANTINI for The New York Times

PHOTOGRAPH BY NATALIA MANTINI for The New York Times

―― パンデミックが加速し、映画館が閉館し始めた後、『ワンダーウーマン1984』は当初の2020年6月の公開日から8月、10月、そしてクリスマスの日へとずれていきました。映画公開を延期し続けることになったことは、どのような経験でしたか?

 興味深い体験でした。何度も電話がかかってくるんですが、どれも自信がないものなんです。皆で座って「とりあえず3カ月後ということにして、その時にどうなっているか見てみよう」と話したりしてました。不思議な体験でしたね。大作映画の話を配給会社やマーケティングのトップをもってしても、みんな「じゃあ、まあ10月にしておきますか」みたいな感じだったので。

―― HBO Maxでの公開の連絡が来たのは、いつでしたか?

 公表される2~3週間前でした。年中そうなってしまうんじゃないかと恐れていたので、変な感じでしたね。こういった作品では、多くの興行収入を上げないといけないので、配給会社の人たちは皆、「絶対にやらない」って口を揃えてたのに――。だから、実際に(配信を)提案されたときはショックでした。すぐに同意したわけではないです。非常に長い時間をかけて、やりとりをしました。ただ、いま彼らがやっていることを見ると、実際に私たちは「ノー」と言えたかというと、そうとは言い切れない。私は、この作品では、都合よくその提案に反対しなかったわけです。

―― ワーナー・ブラザースは、すべての映画をHBO Maxで配信するのは一年間の計画だと言っていますが、その説明に懐疑的な人もいます。このようになる前の状況に戻るのは、果たして可能なのでしょうか?

 今回の対処は一時的なものだと信じたいのですが、そうとは言い切れません。でも、きっとどこかの映画配給会社が従来の劇場公開モデルに戻し、業界を騒然とさせることになると思います。偉大な映画監督が皆、その会社と仕事をするようになりますから。このような根本的な変化(劇場公開作品をストリーミングサービスに移行させること)を、特にアーティストに相談することなく行う配給会社からは、質の高い映画製作者がどんどん離れていくでしょうね。

―― 次は『スター・ウォーズ』シリーズの新作映画『ローグ・スコードロン』を監督されますが、その後、『ワンダーウーマン』の3作目を監督する予定はありますか?

 どうでしょう、今は様子見ですね。本当に分からないです。もしいろいろと条件が揃って、劇場公開モデルが可能であれば、3作目をやりたいという気持ちはすごくあります。そうでない場合は、わかりません。

画像: 『ワンダーウーマン 1984』ブルーレイ&DVDセット(2枚組)¥4,980 発売元:ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント 販売元: NBC ユニバーサル・エンターテイメント WONDER WOMAN and all related characters and elements are trademarks of and © DC. Wonder Woman 1984 © 2020 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved. Amazon Prime Video 、 dTV 、 U-NEXT 、 ひかりTV ほかでデジタル配信中

『ワンダーウーマン 1984』ブルーレイ&DVDセット(2枚組)¥4,980
発売元:ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント 販売元: NBC ユニバーサル・エンターテイメント
WONDER WOMAN and all related characters and elements are trademarks of and © DC. Wonder Woman 1984 © 2020 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.

Amazon Prime VideodTVU-NEXTひかりTVほかでデジタル配信中

本記事の著者、カイル・ブキャナンは、ロサンゼルスを拠点に活動するポップカルチャー・レポーター。コラム「The Projectionist」を執筆中。以前は『New York Magazine』のエンターテイメントサイト「Vulture」のシニアエディターとして映画業界を取材していた。@kylebuchanan
この記事は、別バージョンで2020年12月22日発行のニューヨーク版『The New York Times』のCセクション1面に、「She Also Knows How To Fight」というタイトルで掲載された

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