初めて監督・脚本を手がけた映画のことから、日常生活の喜びまで。のびやかな自然体のナタリーを、コラムニストの山崎まどかが捉えた

BY MADOKA YAMASAKI

「情熱的で思いがけなくて、力強さと女性らしさを兼ね備えた女性」

 目の前にいるナタリー・ポートマンと、彼女自身が語る新しいミス ディオールのパフュームのイメージが重なる。知的な女優だとは思っていたが、ディオールのアンバサダーとして来日した彼女は想像以上にオープンで飾り気がなく、まっすぐに気持ちを伝えてくる。これはうれしい裏切りだ。それもこの瞬間に彼女が見せている一面にすぎないのかもしれない。奥底にはさらに違う光が瞬いているのだろう。

画像1: ナタリー・ポートマン、
かく語りき

 初監督作品となった『A Tale of Love and Darkness』について尋ねると、大きな瞳が少女のように輝いた。イスラエルの作家アモス・オズの自伝的な小説の映画化で、彼女は監督とともに脚本も手がけ、さらに主人公の母を演じている。
「最初は監督だけやるつもりだったんだけれど、自分がどんなにコントロール・フリークかを思い知った! 脚本家と意見が合わなくて、自分が書かなくてはと思ったの」

 直接アドバイスを求めるようなことはしなかったが、今まで組んできた名監督からいろんな技を学んだとナタリーは言う。マイク・ニコルズからはストーリーの語り方、ダーレン・アロノフスキーからは俳優に合わせた演出術、鬼才テレンス・マリックからは「映画学校で実験的な作品を撮っている学生みたいに自由な精神」。ディオールのショート・ムービーで組んだソフィア・コッポラの仕事の取り組み方も好きだという。「彼女はとても穏やかでフェミニンでいて、仕事においてはリーダーなの」

 女性の監督をハリウッドが求めている今は、彼女にとってもエキサイティングな時代だ。その一員としてさらに仕事をしていきたい気持ちがある。
「バーブラ・ストライサンドが監督業に進出して自分の主演作を撮り始めたとき、女優の自己顕示欲だと批評家たちに叩かれたのを覚えている。メル・ギブソンやクリント・イーストウッドはそんなこと言われなかったのに。でも私より若いレナ・ダナムが自分で監督、脚本、主演を務めている作品を見て、そんな酷評なんか気にせず、自分がやりたいこと、表現したいことをやることこそが大事だと思えた」

 二人目の子どもが生まれて、仕事と同じくらいプライベートも充実してみえる彼女に、そのことについても聞いてみたくなる。だけど最近は「妻として」「母として」という質問に性差による偏見を感じる女優も多い。彼女自身は、この傾向をどう考えているのだろうか。
「そうね、男優は父としてどう思うかとか、男としてどうかとは聞かれない。私たちが生きている文化の中では、女性にかけられているプレッシャーのほうがより大きい。こういう質問はその証明なんでしょう。でも一方で、ほかの女性たちはどうやって仕事と家庭を両立しているのか知りたいという気持ちも私にはある。だから聞かれるのは自然な流れだとも思える」

 ディオールとの仕事はいつも美と喜びをもたらしてくれるというナタリーに今、最も喜びを感じるのはどんなときなのか聞いてみた。
「家族や友人と過ごす時間、読書、自然の中にいること、それと鍼灸かな(笑)」

画像: PHOTOGRAPHS: COURTESY OF PARFUMS CHRISTIAN DIOR

PHOTOGRAPHS: COURTESY OF PARFUMS CHRISTIAN DIOR

ミス ディオール オードゥ パルファン
<50ml> ¥12,000
ナタリー・ポートマンは2010年からパルファン・クリスチャン・ディオールのアンバサダーを務めている。メゾン創立時に誕生した「ミス ディオール」が、この秋進化した。ディオール パフューマー クリエイター、フランソワ・ドゥマシーにより、 現代の女性にフィットする大胆不敵かつエレガント、いきいきとモダンな香りに。フレッシュなシトラスノートが弾け、ダマスクローズとグラースローズの甘美なハーモニー、ラストはピンクペッパーコーンとローズウッドのセンシュアルな余韻へ。ナタリー自身も、日常の中でこの香りを楽しんでいるという。「朝や日中は、軽くほのかに。夜、特別に出かけるときには、そっと重ねるようにまとうわ」

問い合わせ先
パルファン・クリスチャン・ディオール
TEL. 03(3239)0618
公式サイト

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