ファッション界の“時の人”ヴァージル・アブローが現代アートの世界に足を踏み入れた。新しい世代を象徴するこの人物が、クリエイティブ界の地図を再編集する

BY JUN ISHIDA, PHOTOGRAPHS BY YASUTOMO EBISU

画像: ヴァージル・アブロー 1980年、イリノイ州ロックフォード生まれ。2012年「パイレックスヴィジョン」を立ち上げ、2013年「OFF-WHITE c/o VIRGIL ABLOH™ 」をスタート。2018年3月、ルイ・ヴィトンのメンズ・アーティスティック・ディレクターに就任

ヴァージル・アブロー
1980年、イリノイ州ロックフォード生まれ。2012年「パイレックスヴィジョン」を立ち上げ、2013年「OFF-WHITE c/o VIRGIL ABLOH™ 」をスタート。2018年3月、ルイ・ヴィトンのメンズ・アーティスティック・ディレクターに就任

 ヴァージル・アブローとは何者か? 昨年から幾度となくこの言葉が浮かんだ。現在のファッション界を席巻する「ラグジュアリー・ストリート」の代名詞的ブランド「OFF-WHITE(オフ・ホワイト)」の主宰者、ナイキからジミー・チュウまで次々と話題のコラボを仕掛けるコラボレーションの天才、カニエ・ウェストのクリエイティブ・ディレクター、DJ、建築家......。つい最近ではルイ・ヴィトンの新メンズ・アーティスティック・ディレクターという肩書も加わった。ストリート・ブランドのデザイナーが、いきなりパリのトップ・ブランドのアーティスティック・ディレクターに抜擢されるのは異例中の異例である。しかも初のアフリカ系アメリカ人だ。もはやハイファッションがストリートを無視できない時代に突入したこと、ファッション界における多様化がますます進んでいくであろうことなどなど、このニュースはファッション界で起きているさまざまな“チェンジ”がもはや不可避であることを知らしめた。

この“時の人”が、また新たな地に足を踏み入れた。そこはファッション界がラブコールを送る現代アートの世界。ヴァージルはここでの導き手として、現代美術家の村上隆を選んだ。今年2月にはアート界に君臨するパワーギャラリー「ガゴシアン・ギャラリー」で村上とのコラボレーション展を開催、そして3月には村上が主宰する東京の「カイカイキキ・ギャラリー」で初となる個展を行なった。

画像: 3月に東京で行われた初個展『“PAY PER VIEW”』。《“advertise here”》(2018, Oil on canvas 3200 × 1430mm)と題された作品には、ヴァージルの昔の携帯番号と留守録のメッセージが描かれている PHOTOGRAPH BY KOICHIRO MATSUI

3月に東京で行われた初個展『“PAY PER VIEW”』。《“advertise here”》(2018, Oil on canvas 3200 × 1430mm)と題された作品には、ヴァージルの昔の携帯番号と留守録のメッセージが描かれている
PHOTOGRAPH BY KOICHIRO MATSUI

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