どこか思索的で、演技への静かな情熱を秘めた若き役者。ノスタルジックなチェックを身にまとった坂口健太郎は、そんな役柄を一瞬で服から感じ取り、普遍的、かつ現代的な青年像を描いてみせた。最近、仕事に欲が出てきたという彼が、演技者としての現在地を語る

PHOTOGRAPHS BY MASANORI AKAO, STYLED BY TAICHI SUMURA, HAIR & MAKEUP BY RUMI HIROSE, TEXT BY MASAYUKI SAWADA, MODEL BY KENTARO SAKAGUCHI

 最新作は11月16日に公開される映画『人魚の眠る家』。ある日、ひとりの少女がプールで溺れ、意識不明の状態になる。奇跡を信じる両親(篠原涼子、西島秀俊)はある決断を下すが、そのことが運命の歯車を狂わせていく。坂口が演じたのは、自分が開発を進める技術が治療の役に立っていると信じ、次第に理性を失っていく研究員。映画が完成したとき、監督からこんな言葉をかけられたそうだ。

画像: 男性性の象徴としてのチェックを提案するドリスヴァンノッテン。ジャケットという普遍的なアイテムが着る人の知性やセンスを際立たせる ジャケット¥136,000、セーター¥94,000、パンツ¥50,000、ベルト(参考商品) ドリス ヴァン ノッテン TEL. 03(6820)8104 メガネ(スタイリスト私物)

男性性の象徴としてのチェックを提案するドリスヴァンノッテン。ジャケットという普遍的なアイテムが着る人の知性やセンスを際立たせる
ジャケット¥136,000、セーター¥94,000、パンツ¥50,000、ベルト(参考商品)
ドリス ヴァン ノッテン
TEL. 03(6820)8104
メガネ(スタイリスト私物)

「『坂口くんの役は簡単に悪者になれちゃう役だけど、すごくピュアに演じてくれたことで、結果的にいちばん焦点を向けてほしい家族に目がいくようになった』ということを言われました。そういう役どころだと理解して演じていたので、監督のその言葉はすごくうれしかったです」

 聞けば、来年以降も楽しみな仕事が控えているという。だが、坂口自身、未来を狭めたくないとの思いもあって、これまでは具体的な目標や夢を持たずにやってきた。
「一つひとつのことにあまり一喜一憂したくないというか、未来の自分の立ち位置みたいなものはあえて考えないようにしていたんです。あと、僕の場合、目標を決めてしまうと、そこに向かってまっすぐに歩いてしまう気がするんですよね。僕は寄り道をしたいタイプなので、それだったら目標を決めずに曖昧なままにしておいたほうがいいのかなと。もちろん、寄り道が失敗だったりすることもあると思うけれど、それもいい経験です」

 ただ、最近になってその考えも少し変わってきた。「今までは主役をやりたいと思うことはあまりなかったんです。でも、『シグナル』が終わってみたら、また主役をやりたいなと思っている自分がいて、それはすごく意外でした。きっと欲が出てきたんだと思います。自分なりに欲はあったつもりでしたが、もうちょっと出していってもいいのかなって。そう思うようになりました」

 ずる賢くて欲張り。これはきっと面白いことになる。この先の彼の道のりが楽しみで仕方ない。

坂口 健太郎(KENTARO SAKAGUCHI)
1991年東京都生まれ。2010年に『メンズノンノ』の専属モデルとなり、’14年に映画『シャンティ デイズ365日、幸せな呼吸』で俳優デビュー。主な出演作に、映画『ヒロイン失格』(’15年)、『64ーロクヨンー前編/後編』(’16年)、『君と100回目の恋』『ナラタージュ』(’17年)、『今夜、ロマンス劇場で』(’18年)、連続テレビ小説『とと姉ちゃん』(’16年)、ドラマ『重版出来!』(’16年)、『東京タラレバ娘』『ごめん、愛してる』(’17年)、『コウノドリ』シリーズ(’15年、’17年)、『シグナル長期未解決事件捜査班』(’18年)など。11月16日には出演映画『人魚の眠る家』が公開される

 

This article is a sponsored article by
''.