さまざまな技法で新年号を書き、新たな時代の幕開けを寿ぐ。それぞれの手もとでは、腕時計が個性を競い、「令和」の時間を静かに刻む

BY NORIO TAKAGI, PHOTOGRAPHS BY MASANORI AKAO, STYLED BY YUKARI KOMAKI, HANDS MODEL BY KIMIKO TACHIBANA, KATSUNARI HONDA

PATEK PHILIPPE

画像: MANICURE BY KIHO WATANABE(UKA), CALLIGRAPHY BY RIU AKIZUKI

MANICURE BY KIHO WATANABE(UKA), CALLIGRAPHY BY RIU AKIZUKI

 同じ「令和」の墨書でも、発表時に官房長官が掲げた文字と、この書家・秋月李雨さんによるものとでは印象が異なる。書は実用として生まれた文字を、美へと昇華する造形芸術である。パテック フィリップは腕時計に、時を知る実用性に加え、優れた美観を与えた。このモデルは1932年に誕生し、多くの他社がデザインの手本とした傑作「Ref.96」の姿を現代に継承する。他社がまねたのは、腕時計に不可欠なストラップを留めるためのラグの形状。それ以前は唐突に突き出していたラグを、ケースと有機的な曲線で見事に調和させ、一体化させたのだ。そのケースもダイヤルのインデックスや針、そしてムーブメントのすべてのパーツにも、完璧な手仕上げを行き渡らせ、審美性を極めるのがメゾンの矜持。令和の時代はもちろん次の、さらにその先の年号へ受け継げる普遍の美と価値を、パテック フィリップの腕時計はもつ。

カラトラバ 5196
<37mm/K18RG、手巻きムーブメント、アリゲーターストラップ>
¥2,400,000
パテック フィリップ ジャパン・インフォメーションセンター
TEL. 03(3255)8109

水滴、硯、筆架、筆
鳩居堂
TEL. 03(3571)4429

シャツ/スタイリスト私物

JAEGER‐LECOULTRE

画像: MANICURE BY KIHO WATANABE(UKA), EMBROIDERY BY AYUMI TAGUCHI

MANICURE BY KIHO WATANABE(UKA), EMBROIDERY BY AYUMI TAGUCHI

 一針一針に思いを込め、新年号を布に留める。刺しゅう作家・田口あゆみさんは、その「令和」の周囲を、さらに文字自体も草花のモチーフで華やかに。布から浮かび上がる立体感が、刺しゅうの魅力だ。ジャガー・ルクルトの「レベルソ」も、フラットな角型ケースの上下に施したゴドロン装飾により、華やいだ立体感を宿す。そのケースは、スライドさせるとくるりと裏返せる仕掛けに。特徴的な反転式ケースは、インドに赴任していた英国人将校からの「ポロ競技中にもつけられる時計を」との要望で1931年に生まれた。ケースを反転することで、ダイヤルを保護したのだ。この精巧な反転式ケースによってレベルソは、角型時計の永遠のアイコンとなった。ケースを裏返すと現れるプレーンなプレートには、エングレービング(彫金)やラッカー装飾で文字や記念日などを描き、パーソナライズすることもできる。新年号誕生を記念し、令和の文字をオーダーするのも、また一興。

レベルソ・クラシック・ミディアムスリム
<40.1×24.4mm/SS、クォーツムーブメント、アリゲーターストラップ>
¥475,000
ジャガー・ルクルト
フリーダイヤル:0120-79-1833

ブラウス¥45,000
ギャラリー・ミュベール(ミュベール)
TEL. 03(6427)2162

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