英国王室御用達ブランドとして知られる「スマイソン」。1887年の創業以来、受け継がれる伝統に現代的な感性を吹き込んだ、新クリエイティブ・ディレクターのルーク・ゴダディンが手掛ける初のコレクションが登場

BY YUJI ITO

「SMYTHSON(スマイソン)」が誕生したヴィクトリア朝時代、産業革命や交通革命を背景に、英国の上流階級の人びとの楽しみといえば、旅だった。創業者であるフランク・スマイソンは、彼らのライフスタイルに着目し、世界を旅する顧客のニーズにふさわしいカスタムメイドやパーソナライズサービスを提案した。その発想は自由ながらも、英国らしいクラフツマンシップを重んじたもので、華美ではないが洗練された雰囲気をもった、現代のスマイソンのモノづくりの礎となっている。その証ともいえるのがアーカイブの数々で、バッグをはじめとするレザーアイテムやステーショナリーのデザインは、いま見ても新鮮さを失うことはない。

画像: アーカイブ(写真左)を見ると、バッグやステーショナリーのみならず、さまざまなアイテムを展開していたことがうかがえる。写真右は、創業者 フランク・スマイソンをイメージしたイラスト

アーカイブ(写真左)を見ると、バッグやステーショナリーのみならず、さまざまなアイテムを展開していたことがうかがえる。写真右は、創業者 フランク・スマイソンをイメージしたイラスト

画像: 前職はシルバースミス(銀細工職人)だったフランク・スマイソンが、1912年にデザインしたシルバー製のペン

前職はシルバースミス(銀細工職人)だったフランク・スマイソンが、1912年にデザインしたシルバー製のペン

 3つのロイヤルワラントのすべてをもつスマイソンを代表する名品といえば、「ダイアリー」だ。このレガシーの始まりとなったのが、1895年につくられた「ロイヤルコート ダイアリー」だった。巻頭には各国の入国審査など、旅に必要な情報ページを備えており、当時の上流階級の人々の嗜好を感じさせる仕様となっている。ブランドの原点ともいえるそのモデルをベースにしたのが、現在もロングセラーとして人気を博している「Panamaダイアリー」だ。

画像: 手帳などのステーショナリーは、オリジンを大切にしながらも、グラフィックや素材使いで、現代的なデザイン性をプラスしたバージョンが登場。2019秋冬コレクションより (左上より時計回りに) 「Soho Notebook Bird Print Tan」¥32,000、「Soho Notebook Spike Motif Burnt Ochre」¥35,000、「S Monogram Soho Notebook Bordeaux」¥30,000、「Soho Notebook Geo Print Tan」¥32,000、「Soho Notebook Geo Print Bluette」¥32,000 、「Feather Fringe Soho Diary」¥71,000、「Soho Notebook Geo Print Pink」¥32,000、 「S Monogram Soho Notebook Blue」¥30,000、「Soho Diary Hand Painted Bird Mahogany」¥89,000 ※ すべて税込価格

手帳などのステーショナリーは、オリジンを大切にしながらも、グラフィックや素材使いで、現代的なデザイン性をプラスしたバージョンが登場。2019秋冬コレクションより
(左上より時計回りに)
「Soho Notebook Bird Print Tan」¥32,000、「Soho Notebook Spike Motif Burnt Ochre」¥35,000、「S Monogram Soho Notebook Bordeaux」¥30,000、「Soho Notebook Geo Print Tan」¥32,000、「Soho Notebook Geo Print Bluette」¥32,000 、「Feather Fringe Soho Diary」¥71,000、「Soho Notebook Geo Print Pink」¥32,000、 「S Monogram Soho Notebook Blue」¥30,000、「Soho Diary Hand Painted Bird Mahogany」¥89,000
※ すべて税込価格

画像: 「フェザー・ウエイト・ペーパー」は現在にも引き継がれる、フランク・スマイソンの意匠のひとつ

「フェザー・ウエイト・ペーパー」は現在にも引き継がれる、フランク・スマイソンの意匠のひとつ

 スマイソンのステーショナリーのアイコンとなっているのが、「フェザー・ウエイト・ペーパー」と呼ばれる独自の紙で、その特徴は“ナイルブルー”と呼ばれる色。この紙の色は、1900年頃、紙パルプに青いインクを落としてしまったというアクシデントによって誕生した。フランク・スマイソンは、その偶然の産物である“水色の紙”を、小ロットのノートとして販売。するとそれが顧客に人気を博し、いまに続く定番になったという由来をもつ。

また、青いインクで文字を書いたときの相性の良さも考慮されており、太字の万年筆で書いてもインクが滲まず、裏に抜けることもないという点も特性のひとつだ。こうした実用性の高さに加え、フランク・スマイソンの自由な発想と時代の最先端を切り開く感性が融合することによって、現在のスマイソンの伝統は生み出されたのだ。

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