100年以上にわたり継承されているグッチのブランド理念とともに、絶え間なく刷新され続けるインスピレーションとクリエイティビティを多様な側面から照らし出すエキシビション「GUCCI COSMOS」が上海、ロンドンに続き、日本に上陸。2024年12月1日(日)まで京都市京セラ美術館で開催中の同展をレポート!

TEXT AND PHOTOGRAPHS BY JUNKO AMANO

画像: 来場者の旅のスタート地点。創業者グッチオ・グッチの誕生から現在のクリエイティブディレクターであるサバト・デ・サルノの時代に至るまでタイムラインをビジュアライズして映し出され、時の迷宮へと導く中央の扉が開かれる

来場者の旅のスタート地点。創業者グッチオ・グッチの誕生から現在のクリエイティブディレクターであるサバト・デ・サルノの時代に至るまでタイムラインをビジュアライズして映し出され、時の迷宮へと導く中央の扉が開かれる

 今年はグッチが日本に上陸して60周年の節目であり、さまざまなプロジェクトやイベントが行われているが、「GUCCI COSMOS」はその一連のプロジェクトのフィナーレを飾るエキシビションに。同展は世界巡回展であり、日本では、ブランド創設の地フィレンツェと姉妹都市である京都が開催地に選ばれた。
 開催地ごとに違った展示も行われ、京都市京セラ美術館では、京都と日本に息づいている伝統文化とその革新の歴史に共鳴するストーリーやエレメントも紹介。
 美術館の本館と新館を使い、6つの展示ルームで構成された大規模展覧会となっている。1921年のブランド創設からグッチがカリスマ性とアイデンティティを確立したタイミングやアイテムをマッピングした「Time Maze-時の迷宮」のルーム や、ホースビットをはじめ、乗馬の世界とつながるコレクションを疾走する馬の映像とともに紹介する「Zoetrope-乗馬の世界」のルームなど、アイコニックなデザインを先進的な演出で展示。

画像: 展示ルーム「Time Maze-時の迷宮」。1966年に誕生以来、愛され続けるフローラの進化を展示

展示ルーム「Time Maze-時の迷宮」。1966年に誕生以来、愛され続けるフローラの進化を展示

画像: グッチと乗馬の世界の繋がりをたたえる展示ルーム「Zoetrope-乗馬の世界」

グッチと乗馬の世界の繋がりをたたえる展示ルーム「Zoetrope-乗馬の世界」

 レジャーやライフスタイルにまつわるアイテムを集めた「Leisure Legacy-ライフスタイル賛歌」のルームでは、京都市京セラ美術館のコレクションから選ばれた余暇や屋外での楽しみにちなんだ日本画を展示。黒栗毛の馬の姿が優美に描かれた絵画の前に馬具が飾られていたり、着物姿でゴルフを嗜む美人画と共にゴルフ道具が展示されていたり、絵画とアーカイブとの競演も見どころだ。

画像: 京都市京セラ美術館所蔵、菊池契月作「紫騮」と1988年に作られた馬のサドル

京都市京セラ美術館所蔵、菊池契月作「紫騮」と1988年に作られた馬のサドル

 また「Echoes-クリエイティビティの系譜」のルームでは歴代のクリエイティブ・ディレクターたちの作品が一堂に。2003年に発表されたトムフォードによるキモノドレスや2020年、アレッサンドロ・ミケーレがGGパターンを用いてグッチのコードを現代的に解釈したコート、2024年にゴールデングローブ賞授賞式でテイラー・スウィフトが着用したサバト・デ・サルノによるグリーンのドレスなど、ファションショーやオンライン配信、雑誌で目にしたルックに出会え、グッチの歴史を彩ったメモリアルな瞬間が蘇る。

画像: 1970年代から現在までのコレクションをまとったマネキンが並ぶ「Echoes-クリエイティビティの系譜」

1970年代から現在までのコレクションをまとったマネキンが並ぶ「Echoes-クリエイティビティの系譜」

 アーカイブを懐古するだけでなく、グッチの過去、現代、未来をめぐり、時代を反映するだけでなく、自ら時代を定義し、ファッション界のみならず社会と美意識を牽引してきたグッチの物語をイマーシブに体験できるエキシビションとなっている。

画像: 展示ルーム「Bamboo-バンブーの世界」

展示ルーム「Bamboo-バンブーの世界」

画像: 日本の「赤い糸」の伝承にインスピレーション得た、鮮やかなレッドで彩られた展示室「Red Thread-グッチの絆」

日本の「赤い糸」の伝承にインスピレーション得た、鮮やかなレッドで彩られた展示室「Red Thread-グッチの絆」

『GUCCI COSMOS』
会場:京都市京セラ美術館
会期:2024年10月1日(火)〜12月1日(日)
開催時間:10:00〜18:00(最終入場〜17:00) 
休館日:月曜(祝・休日の場合は開館) 
観覧料:一般¥2,200
公式サイトはこちら

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