BY KIMIKO ANZAI, PHOTOGRAPHS BY TAKAHIRO IDENOSHITA
ウイスキーは、シックなバーで大人の男性が静かに楽しむもの――。そんなイメージは、もうひと昔前の話。現在は、女性のあいだでもウイスキー人気が加速中だ。なかでも“完璧すぎるウイスキー”と評される「グレンモーレンジィ」は、香りのふくよかさとエレガントな味わいから、女性にとってはアプローチしやすく、“憧れウイスキー”のひとつとなっている。
9月に来日した「グレンモーレンジィ」最高蒸留・製造責任者のビル・ラムズデン氏に、女性がおしゃれにウイスキーを楽しむコツを聞いてみると、満面の笑みを浮かべながら答えてくれた。
「もちろん、自由に楽しんでいいのです! 好きなグラスを選んで、ストレートでも、氷を入れても。日本で流行中のハイボールも私は大好きですよ。今、日本だけでなく、世界的にもウイスキーを楽しむ女性が増えています。私はウイスキーのセミナーなどで世界中を回りますが、日本以外に、中国や台湾などでもセミナーに参加する女性が増えてきました。私にとっては、とても喜ばしいことです。なぜなら、スコットランドの女性たちは、いつもウイスキーを飲んでいますからね(笑)」
気さくにウイスキーを語る彼だが、じつは世界屈指のウイスキー・クリエイターとして知られる人物。権威ある賞“モルト・アドヴォケート・アワード”の「インダストリー・オブ・ザ・イヤー」を3回(2001年、2006年、2008年)受賞した唯一のクリエイターなのだ。直近では、“インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ(ISC)”において、「マスター・ブレンダー/ディスティラー・オブ・ザ・イヤー」を受賞するなど、数々の栄光を手にしてきた。それは、生化学博士としての知識をバックグラウンドに、さまざまな樽を用いた実験的な試みや追加熟成の研究を重ね、ウッド・マネジメントのパイオニアとして長年活躍してきたことへの評価でもある。
ウイスキーの魅力について、彼はこう語る。「ウイスキーは、スコットランドの気候風土や文化がすべて入っている飲み物。つまり、スコットランドそのものといえます。なにより、ウイスキーにはスコットランド人の“エモーション”がすべて入っている。だからスコットランド人は、ウイスキーを愛してやまないのです」
最後に、彼がとびきりの「グレンモーレンジィ」の楽しみ方を教えてくれた。
「まずは、ストレートで楽しんで、その後ほんの少し水を加えてみてください。香りが立ち、グラスのなかにふわりと広がります。また、カクテルの『ブラッディ・メアリー』にウォッカでなく、『グレンモーレンジィ』を使ってみるのもおすすめです。味が驚くほどふくよかになりますよ。その際は、セロリとタバスコも忘れずにね」
彼の話を聞いていると、ウイスキーの魅力はじつに深いと気づかされる。一杯のウイスキーを楽しむためだけに、しっくりと手になじむ美しいグラスが欲しくなった。
期間限定ポップアップバー
「グレンモーレンジィ ハウス」
シングルモルト・ウイスキー「グレンモーレンジィ」初のポップアップバーが期間限定で六本木ヒルズにオープン。ブルーノート東京プロデュースによるジャズライブとともに、オレンジハイボール、ロックや水割り、ストレートまで、グレンモーレンジィをチョコレートやフードとのペアリングで楽しめる。
日時:11月16日(金)~17日(土)
開場:六本木ヒルズアリーナ
住所:東京都港区六本木6-10-1
開場時間:14:00~22:00(21:00 LO)
入場料:無料。ドリンク¥600~
公式サイト
問い合わせ先
MHD モエ ヘネシー ディアジオ
TEL. 03(5217)9731