めきめき実力が上がり、ファンを増やしている“日本ワイン”。料理研究家の平野由希子さんが、厳選した日本ワインと季節の料理のペアリングを紹介する好評連載。今月は「安心院スパークリングワイン」と「海老の湯葉巻き揚げ」

BY JUNKO ASAKA, PHOTOGRAPHS BY MANA MIKI

 この連載で初のスパークリングワインとして平野さんが選んだのは、大分県宇佐市安心院(あじむ)町の安心院葡萄酒工房が手がける「安心院スパークリングワイン」だ。

<今月のワイン|安心院スパークリングワイン>

画像: 大分県安心院の霧深い盆地で栽培されたシャルドネ100%でつくられたスパークリングワイン。国内では珍しい瓶内二次発酵の後、1年以上の瓶熟成を経てよりクリーミーな味わいに 安心院スパークリングワイン <750ml>¥3,182 www.ajimu-winery.co.jp ※「安心院スパークリングワイン」は「いまでや」オンラインストアでも販売中

大分県安心院の霧深い盆地で栽培されたシャルドネ100%でつくられたスパークリングワイン。国内では珍しい瓶内二次発酵の後、1年以上の瓶熟成を経てよりクリーミーな味わいに
安心院スパークリングワイン
<750ml>¥3,182
www.ajimu-winery.co.jp
※「安心院スパークリングワイン」は「いまでや」オンラインストアでも販売中

「これはずいぶん以前から作られていて、定評のあるスパークリングワイン。私自身もかなり前……日本ワインに開眼した頃からよく飲んでいるワインです。正直に言うと、以前は日本の“泡”にあまり興味がなかったんです。どうしてもシャンパーニュなど海外の泡と比べると、まだまだだなぁと。そんな私が、初めて飲んだときに『おっ!』と驚いたのがこれ」と平野さん。

「きめの細かな泡立ちといい、トーストのような酵母のニュアンス、熟した梨を思わせる爽やかな香りと酸味など、海外のスパークリングに負けず劣らずの安心感がありますね。今は日本でもおいしい泡はたくさん登場してきていますが、個性的でおもしろいものが多い中、こちらは数少ない正統派タイプ。製法としてはシャンパーニュと同じ瓶内二次発酵をしているスパークリングで、そういう意味でも日本では珍しい“正統派”です」

画像: 毎回、告知されるとすぐに満員になる大人気の料理教室「cuisine et vin」。ペアリングコースと、グラスワイン1杯つきの2コースを選ぶことができる。デモンストレーション中に平野さんが伝授してくれる“ちょっとしたコツ”にも、日々の料理を楽しくしてくれるヒントがいっぱいだ cuisine et vin公式サイト

毎回、告知されるとすぐに満員になる大人気の料理教室「cuisine et vin」。ペアリングコースと、グラスワイン1杯つきの2コースを選ぶことができる。デモンストレーション中に平野さんが伝授してくれる“ちょっとしたコツ”にも、日々の料理を楽しくしてくれるヒントがいっぱいだ
cuisine et vin公式サイト

 バランスのとれた本格的な味わいは、年配の方とのディナーなど、ちょっとかしこまった席にもおすすめ。そんな安心院スパークリングワインに平野さんが合わせてくれた料理は、軽やかな「海老の湯葉巻き揚げ」だ。

「このスパークリングは、どっしりした食事というよりは、小さなフィンガーフードや軽いアミューズが合うと思うんです。カリッとした揚げ物なんかは鉄板ですね」。日本の“泡”と日本ならではの食材「湯葉」のペアリングに、シャルドネと海老の相性も上々。ふんわりとした海老の身と、からりと軽く揚がった湯葉の食感の違いも相まって、グラスを心地よく進めてくれる。

「おいしい“泡”は料理を選びませんから、いろんな料理に合うと思います。ちょっとカジュアルなお料理も、一気に華やかで楽しいものにしてくれる。こんなふうに“ちゃんとつくられた”スパークリングワインが日本にもあるって、なんだか嬉しくなりますね」

画像: サクサク、ふんわりのW食感がたまらない湯葉巻き揚げは、作り方も至ってシンプル。添えた塩を少しつけてめしあがれ

サクサク、ふんわりのW食感がたまらない湯葉巻き揚げは、作り方も至ってシンプル。添えた塩を少しつけてめしあがれ

<今月のレシピ|海老の湯葉巻き揚げ>
材料(2人分)
海老(車海老など)6尾、乾燥湯葉(10×16㎝)3枚、揚げ油・塩 各適宜

1. 海老は殻をむき、竹串で背わたをとる(解凍の海老は、塩と片栗粉少々でもんでから、水洗いをする)。
2. 湯葉は水で戻し、柔らかくなったらキッチンペーパーで水気を切り、半分の長さに切る。
3. 海老を2に乗せてくるくると巻き、巻き終わりを水溶き小麦粉(分量外)で止める。
4. 170度に熱した揚げ油に、3を巻き終わりを下にして入れ、からりと揚げる。盛り付けに塩を添えて。

平野由希子
素材を生かしたシンプルでおいしい料理に定評のある料理研究家。書籍や雑誌、広告で活躍するかたわら飲食店のプロデュースや商品開発も手がける。ワイン好きとして知られ、ワインバー「8huit.」のオーナーでもある

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