フードライター北村美香が自信をもっておすすめする美味の店。その技と思いを凝縮した「食べるべきひと皿」とともに、おいしさの理由をひもとく連載第12回

BY MIKA KITAMURA, PHOTOGRAPHS BY YUKO UEHARA

 気のおけない友人とおいしいワインでゆったり過ごしたいとき。疲れたなあと思うとき。予約の電話を入れるのは、駒沢にあるヴィーガンレストラン「mique(ミケ)」だ。ヴィーガンとは、ベジタリアンとも一線を画し、肉や魚、乳製品、卵、はちみつなど動物由来の食材をいっさい食べない人のこと。だしや調味料にも動物由来のものは使わず、たんぱく質は豆や雑穀、ナッツ類で摂る。

画像: 田園都市線「駒沢大学」駅から徒歩1〜2分。友人宅のガレージを改装してオープン

田園都市線「駒沢大学」駅から徒歩1〜2分。友人宅のガレージを改装してオープン

 4年ほど前、NYに住んでいる友人がミケを教えてくれた。「NYでヴィーガン料理を学んだすごくセンスのよい女性がオーナーで、それはそれはおいしいの!」と、これまたセンス抜群の彼女が言うのだから間違いない。訪れてすっかりファンになり、以来通っている。

 我が家からは少し遠い住宅街にあるが、駅から徒歩2分ほどなので、繁華街の駅にある店より、ずっとストレスフリーで到着できる。大きなガラス窓の前にはオリーブなどのグリーンがそよぎ、ドアを開ければ、カウンターと4人掛けのテーブルが1卓、ひとり用のミニテーブルがひとつ。カウンターの奥で、オーナーでありヴィーガン料理人の瀬戸恵子さんが迎えてくれる。

画像: 瀬戸恵子さん 小さいころアトピー性皮膚炎で、母親が玄米菜食を作ってくれたこともあり、ヴィーガン料理には最初から抵抗はなかったという。「身体にいいのももちろんですが、人間のために大量の家畜が飼われていることが大気汚染の原因になり、地球の環境破壊につながっています」。ヴィーガンは食事だけでなく、ライフスタイルや生きるための指針でもある

瀬戸恵子さん
小さいころアトピー性皮膚炎で、母親が玄米菜食を作ってくれたこともあり、ヴィーガン料理には最初から抵抗はなかったという。「身体にいいのももちろんですが、人間のために大量の家畜が飼われていることが大気汚染の原因になり、地球の環境破壊につながっています」。ヴィーガンは食事だけでなく、ライフスタイルや生きるための指針でもある

 瀬戸さんは、父親の仕事の関係で幼少期と16〜18歳をドイツで過ごした。その後、24歳までパリやニューヨークで暮らし、NYの美大を卒業して帰国した。広告代理店でアートディレクターとして活躍していたが、東日本大震災を経験したことがきっかけで、食を通して社会貢献できればと、NYにある自然食の料理学校「Natural Gourmet Institute(ナチュラル グルメ インスティテュート)」に入学。ここでヴェジタリアン&ヴィーガン料理から地球の環境問題まで学んだという。NYのヴィーガンレストランなどでスタジエを経験したのちに、荏原中延で2015年に店をオープン。そして2017年、現在の駒沢に移転した。

 

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