効率よりも品質重視。目の届くなかで手塩にかけてよいものを――。東京の地で、周囲と手を携え、日々の糧を生み出す5人の農業生産者へのインタビューを前・後編でお届けする

BY MIKA KITAMURA, PHOTOGRAPHS BY YUKO CHIBA

毎日コツコツと手塩にかけるトマト。
効率より品質重視を目指す「馬場トマト農場」

 大きさは普通のトマトの2倍ほど。真っ赤な皮がパンパンに張って、果肉があふれ出てきそう。「馬場トマト農場」のトマトは甘みと酸味のバランスがよく、ずしりと重い。皮ごとかぶりつくとジュワッと濃厚なうま味が広がる。このトマトを育てているのは馬場裕真。代々、日野市で続く農家を継ぎ、今は父親と二人で毎日、畑に出る。

画像: 品種は「桃太郎ファイト」。すっきりした甘さで、うま味とのバランスがよく、青くささがない。農作業をしてきたたくましい手

品種は「桃太郎ファイト」。すっきりした甘さで、うま味とのバランスがよく、青くささがない。農作業をしてきたたくましい手

 トマト作りに終わりはない。収穫は4〜7月。収穫後すぐ、次の年のための土作りを始める。連作障害を防ぐために夏の強い日差しで土を消毒したり、近くの牧場から分けてもらった牛糞の堆肥をすきこんだり。苗が育てば、脇芽を取ったり、つるを紐で結んで固定したり。すべて手作業だ。農薬を極力使わないため、カビ防止に、納豆菌を送風機の前に置いてハウス内にその菌を撒くというアナログな対策まで。「トマトって同じ品種を育てていても、育てる人それぞれの味になるんです。農家の腕の見せどころですね。小さい頃から父が楽しそうに仕事をしているのを見てきました。この道
に進むのは自然なことでした」と微笑む。だから、朝5時からの作業もいとわない。

画像: 「馬場トマト農場」の直売所の販売は、1kg¥700~。写真の箱入りは1箱4kg¥2,800。その場で地方への発送も可

「馬場トマト農場」の直売所の販売は、1kg¥700~。写真の箱入りは1箱4kg¥2,800。その場で地方への発送も可

 トマトはほとんどが地元で消費される。畑に直売所を開き、当日分を売り切る。春になると「トマトはまだ?」と、畑で作業中の馬場にご近所さんが声をかけてくる。

 昨年、日野市の若手農業者の団体「HINOBLUE FARMERS CLUB」が発足。その代表も務める。駅前での販売、加工品の製造などを企画しつつ、さまざまな情報交換も行う。「日野のトマトのおいしさは、まだまだ知られていない。多方面へ伝えていこうと思っています」。トマトや加工品を売り、日野のトマトを紹介する「トマト祭り」を企画したが、コロナ禍で延期になったのが残念だ。

画像: トマトの世話をする馬場裕真

トマトの世話をする馬場裕真


馬場トマト農場
住所:東京都日野市西平山1-30-1
TEL.042(591)4795
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地の糧を明日へ。東京ファーム最前線<後編>|2021年6月21日(月)公開予定

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