BY T JAPAN, FOOD COORDINATION BY YUKIKO HIRANO
【今月の野菜:ホワイトアスパラガス】
最近は日本でも栽培量が増えて佐賀などから北海道まで広く生産され、生のホワイトアスパラガスが手軽に入手できるようになってきた。今回の連載では、ちょっと特別なフランス産を取り寄せて使用。「フランス産は味の濃さが圧倒的です。もちろん日本産のものもとても美味しいので、季節のごちそうとしてぜひ楽しんでみてください」(平野さん)
レシピ1:ホワイトアスパラガスのからすみ目玉焼きのせ
ゆでたアスパラガスに、たっぷりのバターで焼いた目玉焼きをのせ、からすみをたっぷりかけていただく簡単ながらとっても贅沢なひと皿。まずは驚くほどのジューシーさに感動し、その後に苦味と甘みがじんわりと広がっていく。卵の黄身とからすみが絡みあい、なんとも言えない複雑な美味しさがクセになりそう。
<材料 2人分>
ホワイトアスパラガス4〜6本、卵2個、バター大さじ3、からすみパウダー大さじ4、塩
<作り方>
1 ホワイトアスパラは根元の硬いところを切り落とし、穂先の下から皮を厚めにむく。
2 フライパンに水、1の根元と皮、水1リットルに対して1%の塩を加えて火にかける。沸騰したらアスパラガスを加えてゆでる。太さによるが8~10分が目安。すぐに食べない場合は、そのままゆで汁に浸したままにして保存する。
3 フライパンにバターを入れて熱し、溶けたところで卵を割り入れる。バターを白身のところにかけながら焼く。
4 ゆでたアスパラガスを皿に並べ、3をバターごとのせ、からすみパウダーをふる。
レシピ2:ホワイトアスパラガスの塩釜焼き
小麦粉に塩を加えた生地でアスパラガスを包んで、オーブンで蒸し焼きに。その香りは格別で、さらにアスパラガス本来の美味しさも凝縮されている。苦味の後にほんのりとした甘みが続き、繊維までもが美味しく感じられるほど!
<材料2〜3人分>
ホワイトアスパラガス6本、薄力粉150g、塩20g、水80〜90cc
<作り方>
1 ボウルに薄力粉、塩を入れ、水を加えて練る。混ざったら、台の上でこねてひとまとめにする。ボウルに戻し、乾かないようにして30分ほど休ませておく。
2 ホワイトアスパラガスは根元の硬いところを切り落とし、穂先の下から皮を厚めにむく。
3 1の生地を長方形にのばす。
4 アスパラガスを生地の左右どちらかの片側に乗せ、生地を半分に折りたたむようにしてアスパラガスの上にかぶせ、空気を抜きながら生地を閉じる。オーブンシートを敷いた天板に置く。
5 200度に予熱したオーブンで20分焼く。アスパラガスが太い場合は少し長めに焼く。
6 生地が焼けたら周りから包丁を入れて生地を外し、アスパラガスを取り出す。
【おすすめのお酒:オーストリアのヴァイスブルグンダー】
「ヴァイスブルグンダー」とは、「ピノブラン」(白ワイン用ぶどうの品種)のこと。「ホワイトアスパラガスの独特の風味を引き立てる、優しい酸味と心地よい苦味を持つ白ワインを合わせました。今回セレクトしたのは、オーストリアの若い女性2人組が作り手の『レナーシスタ』。複雑なアスパラガスの味わいに寄り添ってくれる、自然派のワインです」(平野さん)
平野由希子
素材を生かしたシンプルでおいしい料理に定評のある料理家。書籍や雑誌、広告で活躍するかたわら飲食店のプロデュースや商品開発も手がける。日本ソムリエ協会認定ソムリエで、ワインバー「8huit.」のオーナーでもある。ワインと料理のペアリングが楽しめる料理教室も主宰。公式サイトはこちら