BY MASANOBU MATSUMOTO
クロード・モネやピエール・オーギュスト・ルノワールなど、世界屈指の印象派の名画を多数収蔵するポーラ美術館。じつは富士箱根伊豆国立公園内に位置し、豊かな自然を散策できるネイチャー・スポットでもある。2013年には敷地内の森の中に遊歩道が作られ、周辺には現代美術家アイ・ウェイウェイや、オラファー・エリアソンのスタジオで研究員を務めるSHIMURAbrosらの彫刻作品も設置されている。
その“アートな森”で、キャンプ泊ができるアウトドア・イベント「FOREST MUSEUM 2019」が、9月7日(土)、8日(日)の1泊2日で開かれる。2日間にわたって、小鳥のさえずりを再現する遊具「バードコール」の工作体験や、ペンライトを使ったアニメーション作品で知られるアーティスト・ユニットTOCHKA(トーチカ)によるワークショップ、野外の特設スクリーンでの映画上映会など、“自然とアート”をテーマにしたさまざまなプログラムを実施。閉館後の美術館を貸し切って行なうギャラリートークも、目玉のひとつだ。
この両日、美術館で開かれているのは『シンコペーション:世紀の巨匠たちと現代アート』展。美術館が保有する近代美術の名作と、現代美術の第一線で活躍する作家たちの作品を並列させて紹介する企画展だが、そこには、自然や環境に対する作家独自のアプローチが楽しめる作品も多く展示される。
たとえば、フランスの現代美術家、セレスト・ブルシエ=ムジュノの《クリナメン v.1》。水が循環するプールに大小異なる陶磁器を浮かべたインスタレーションで、鑑賞者は、器が自然偶発的にぶつかり合うことで生まれる音色に耳を澄ます。19世紀後半、印象派の画家たちは、アトリエから戸外にキャンバスを持ち出し、光や自然の移ろいを自身の眼で観察しながら絵筆を走らせた。その印象派の代表作家、クロード・モネの《睡蓮》も同展に並ぶ。
こうした自然へのインスピレーションを掻き立てる作品は、自然のただ中に身を置くイベントの参加者にとってはとりわけ新鮮に眼に映るだろうし、キャンプ体験をより意義深いものに導くはずだ。
『FOREST MUSEUM 2019』
会期:9月7日(土)、8日(日)※1泊2日
会場:ポーラ美術館 森の遊歩道
住所:神奈川県足柄下郡箱根町仙石原小塚山1285
申込期間: 6月21日(金)10:00~7月13日(土)17:00 ※抽選制
申込方法:ウェブサイトから
料金:1名 ¥23,000
参加費に含まれるもの:朝・夕の計2食、寝袋・シュラフマット以外のキャンプ用品使用料(テント、マット、ランタン、イス等)、7日、8日の入館料、箱根湯寮利用料、各イベント費、国内旅行保険料
※ 詳細スケジュールや参加要件などは公式サイトで
電話:0460(84)2111
公式サイト
※『シンコペーション:世紀の巨匠たちと現代アート』展は、8月10日(土)から12月1日(日)まで開催。会期中無休