近年、歌舞伎俳優 松本幸四郎が、メイクアップアーティストの鷲巣裕香とタッグを組み、挑戦してきた新しい歌舞伎メイク。その写真展が、リアルとオンラインの両方で開かれる

BY MASANOBU MATSUMOTO, PHOTOGRAPHS BY TAMAKI YOSHIDA

 400年以上続く日本の伝統芸能、歌舞伎。近年エンタテイメント性に富んだ演出など、革新的なチャンレンジが見られる一方で、あまり変化していないのが、俳優の役柄や存在感を引き出す歌舞伎メイクのあり方だ。

 T JAPAN 2019年11月28日号でも紹介しているが、歌舞伎俳優、松本幸四郎は、この数年間「Kesho」プロジェクトと題し、歌舞伎メイクの新しい表現に挑んできた。タッグを組むのは、メイクアップアーティストの鷲巣裕香と写真家の吉田多麻希。単なる型破りではない。たとえば、赤は善人に、冷酷さを表す青は敵役に、といった歌舞伎メイクのルールを起点に、“どうアレンジすれば、どのような表情や奥行きが生まれるか”と試みる。人生の大半を歌舞伎とともに生きてきた松本幸四郎ならではのチャレンジだ。

画像: (写真左)T JAPANの表紙を飾った、松本幸四郎の新しい歌舞伎メイク (写真右)歌舞伎らしい直線的な眉は生かしつつ、冷たいニュアンスを放つ青みの強いベースで、“色悪”をよりクールに進化させた一枚

(写真左)T JAPANの表紙を飾った、松本幸四郎の新しい歌舞伎メイク
(写真右)歌舞伎らしい直線的な眉は生かしつつ、冷たいニュアンスを放つ青みの強いベースで、“色悪”をよりクールに進化させた一枚

画像: 伝統的な荒事の「隈取」をあえて崩すことで、赤のあらたな可能性を探った

伝統的な荒事の「隈取」をあえて崩すことで、赤のあらたな可能性を探った

 現在、北海道・東川町文化ギャラリーでは、この「Kesho」プロジェクトにより生まれた写真作品を紹介するエキシビションが開催されている。コロナ禍の状況を鑑みて、また道外に住む人も楽しめるようにオンラインギャラリーも開設。「歌舞伎であるために必要不可欠な化粧。 別人になることができる“変身”であり、 堂々たるフィクションであるファンタジーの象徴です」と幸四郎はコメントを寄せる。舞台の上では決して見られない松本幸四郎の変身、歌舞伎の新しい魅力に、この機会に触れてほしい。

写真展『Kesho』
会期:〜2021年2月26日(金)
会場:北海道「写真の町」 東川町文化ギャラリー
住所:北海道上川郡東川町東町 1-19-8
開館時間:10:00〜17:00
休館日:会期中無休
入館料:東川町内の方¥100、町外の方¥200
電話:0166(82)4700
公式サイト

オンラインギャラリー https://ke-sho.com
配信期間:~2021年3月7日(日)
チケット制
料金:ギャラリー観覧コース¥500、ギャラリー観覧+スペシャルムービー視聴¥800、ギャラリー観覧+オリジナル T シャツ・コース¥5,000、ギャラリー観覧+数量限定オリジナル・プリントセット・コース¥30,000〜

※ スペシャルムービー付きのチケットでは、松本幸四郎さんと鷲巣裕香と吉田多麻希による解説動画の視聴が可能

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