ホテルジャーナリスト、せきね きょうこが独自の視点でおすすめの東京ホテルを案内する新連載。第1回は、他に先駆けて“快眠”に特化したホテル「レム日比谷」

BY KYOKO SEKINE

 今でこそ“快眠”をうたい、枕やマットにこだわるホテルも見かけるが、この“レム1号店”である「レム日比谷」がオープンした2007年11月当初、眠りに特化したホテルは斬新で、むしろ“宿泊特化型”とうたう低価格のビジネスホテルが目立っていた。

画像: ホテル外観 中心に写るベージュの外壁の建物が「レム日比谷」。左の高層塔のビルは宝塚劇場

ホテル外観

中心に写るベージュの外壁の建物が「レム日比谷」。左の高層塔のビルは宝塚劇場

 そんな中でオープンした「レム日比谷」は、「21世紀のホテルは、働く多忙な人々にいかに快適な眠りを提供するかが重要なポイントとなる」として、コンセプトに“快眠”を掲げた。この新たな提案に、感度の高いビジネスマンや私のようなホテルラバーが食いついた。

 場所は日比谷の一等地、ホテルを背に、左手には日本を代表する高級ホテル「帝国ホテル東京」が、また右手には同年9月、レムよりもひと足先に開業したばかりの外資系高級ホテル「ペニンシュラ東京」がまぶしくそびえ立っている。真っ正面には宝塚劇場というドラマチックなロケーションにあり、超一流ホテルに挟まれて同じ空気が吸えるなんて最高の気分! リーズナブルな価格帯も、気軽にホテルを選べる魅力のひとつである。

画像: シングル(窓側シャワー・オレンジ)。 シングルルームの内観。このタイプは窓側にシャワーがあるが、内側にシャワーのある部屋も

シングル(窓側シャワー・オレンジ)。

シングルルームの内観。このタイプは窓側にシャワーがあるが、内側にシャワーのある部屋も

 こんなホテルが欲しかった。安かろう悪かろう、はもう通用しない時代である。スタイリッシュで清潔、スタッフの対応も快適なホテルに、多忙な都会人や男性社会で頑張るビジネス女性など、真に眠りの必要な人々が集まってくる。

画像: 非常に快適な睡眠のできるオリジナルベッド。固くしっかりとしたマットながら体を包み込むような優しさがある

非常に快適な睡眠のできるオリジナルベッド。固くしっかりとしたマットながら体を包み込むような優しさがある

 レムにはオリジナル高機能・高品質のベッドが用意されている。枕もオリジナルの快眠機能枕と、テンピュール2種類が用意され、ほかにそば殻枕や羽毛枕、硬綿素材枕までリクエスト可能という徹底ぶりだ。客室のマッサージチェアも、最近、よりスマートな新機種に変わった。

画像: 各客室に置かれているマッサージチェア。疲れ切った足も、硬くなった背中もほぐしてくれる

各客室に置かれているマッサージチェア。疲れ切った足も、硬くなった背中もほぐしてくれる

 レディースフロアは女性にはとてもありがたい。客室にはスキンケアセットなど女性専用のアイテムが用意され、アロマの香りが選べるアンティバックジャパン製の空気洗浄機まで置かれている。疲労困憊して部屋に戻っても、好みのアロマに癒されて、ハァ~と思わず深呼吸。部屋のサイズは確かにコンパクトだが、こうしたこまやかなサービスは大型ホテルと比べてもなんら遜色ないし、居心地のよさと快適さの満足度は高い。

画像: 洋の朝ごはん一例。ロビーフロアでいただける朝食は、和食、洋食が選べ、朝食付きのプランもある PHOTOGRAPHS: COURTESY OF REMM HIBIYA

洋の朝ごはん一例。ロビーフロアでいただける朝食は、和食、洋食が選べ、朝食付きのプランもある
PHOTOGRAPHS: COURTESY OF REMM HIBIYA

 ロビーフロアには無印良品ブランドの「Café & Meal MUJI」という強い味方があり、オールデイダイニングとして営業。いつでも食事ができ、デリも、お茶も、ディナーもアルコールも提供している。銀座中心部まで徒歩で数分。東京のど真ん中でスタイリッシュ&リーズナブルなホテルの存在は、まさに大都会の求める新潮流の先駆けである。

レム日比谷(remm Hibiya)

住所:東京都千代田区有楽町1-2-1 東宝シアタークリエビル
予約電話:03(3507)4123
客室:全255室(シングルルーム、ツインルーム)
料金:¥10,000~(シングルルーム1室1名利用の料金。消費税、宿泊税含む。サービス料なし)※料金は季節により変動します
お問い合せ:03(3507)0606(代表)
公式サイト

せきね きょうこ
ホテルジャーナリスト。フランスで19世紀教会建築美術史を専攻した後、スイスの山岳リゾート地で観光案内所に勤務。在職中に住居として4ツ星ホテル生活を経験。以来、ホテルの表裏一体の面白さに魅了され、フリー仏語通訳を経て、94年からジャーナリズムの世界へ。「ホテルマン、環境問題、スパ」の3テーマを中心に、世界各国でホテル、リゾート、旅館、および 関係者へのインタビューや取材にあたり、ホテル、スパなどの世界会議にも数多く招かれている。雑誌や新聞などで多数連載を持つかたわら、近年はビジネスホテルのプロデュースや旅館のアドバイザー、ホテルのコンサルタントなどにも活動の場を広げている
www.kyokosekine.com

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