せきね きょうこ 連載
新・東京ホテル物語<Vol.9>

New Tokyo Hotel Story “HOTEL CONTINENTAL”
ホテルジャーナリスト、せきね きょうこが独自の視点でおすすめの東京ホテルを案内。連載第9回目は、無農薬の野菜や平飼いの卵など、安心で新鮮な食材が魅力の「ホテルコンチネンタル」

BY KYOKO SEKINE

 東京都府中市に特筆すべきホテルがあると知り、人生初の府中へ向かった。目的のホテルは、駅からわずか徒歩1~2分のロケーションにある。府中は、味の素スタジアムや東京競馬場(JRA)など全国に知られた大型施設が多いものの、都下の多摩地区らしい緑や自然が残る典型的な郊外の町である。

 到着したのは「ホテルコンチネンタル」。日本ダービーなどで知られた東京競馬場と縁の深い、特別なホテルだ。道路を挟んで2棟に分かれたホテル棟の本館エントランスに入ると、それは一目瞭然に見えてくる。ロビーには、勝利の赤いフラッグや馬場の写真など「競馬」に関するアイテムが飾られ、競馬ファンならずとも興奮しそうな雰囲気がある。ホテル創業は2001年4月。客室数は2棟合わせて全117室、多目的宴会場は8室も揃う。

画像: 客室は、シングルからトリプルまで5タイプ

客室は、シングルからトリプルまで5タイプ

 このホテルで現在人気なのが、2017年4月にスタートしたホテル新館1階のレストラン「レストラン東北牧場」でのブッフェである。じつは今回の目的はここにあった。リーズナブルな料金、安心安全で無農薬・無化学肥料栽培の新鮮な野菜や平飼いの鶏卵が、青森県にあるグループ企業「東北牧場」内の一画にある農場「有限会社身土不二」から直送されているのだ。

画像: 「東北牧場」内に造られている無農薬・無化学肥料の野菜ファーム

「東北牧場」内に造られている無農薬・無化学肥料の野菜ファーム

画像: 青森県にある「東北牧場」で伸び伸びと育つ競走馬の親子

青森県にある「東北牧場」で伸び伸びと育つ競走馬の親子

 ちなみに「身土不二」とは仏教用語で、地産地消や旬の食材を食べるのが健康に良いという考え方だ。このホテルではそれを実践し、無農薬野菜や野草ハーブを使った料理、残留農薬ゼロの卵料理、デザートなど、常時50種類のヘルシーな和食・洋食・中華料理をブッフェにて提供している。青森県にある「東北牧場」は、1917年、サラブレッドの育成や調教を目的に設立された、競走馬のための牧場(面積85ヘクタール)である。周囲を森林に囲まれ、八甲田山連峰を望む風光明媚な場所にある。

画像: 新鮮で安心・安全な料理が50種以上、リーズナブルな料理は大好評 PHOTOGRAPHS: COURTESY OF HOTEL CONTINENTAL

新鮮で安心・安全な料理が50種以上、リーズナブルな料理は大好評
PHOTOGRAPHS: COURTESY OF HOTEL CONTINENTAL

画像: 有精卵「身土不二(SHINDOFUJI)」の青玉と赤玉を使用した青玉(左)、赤玉(右)プリン。カラメルは入れないで、卵の味を楽しんでほしいという徹底したこだわりのレシピ PHOTOGRAPH BY KYOKO SEKINE

有精卵「身土不二(SHINDOFUJI)」の青玉と赤玉を使用した青玉(左)、赤玉(右)プリン。カラメルは入れないで、卵の味を楽しんでほしいという徹底したこだわりのレシピ
PHOTOGRAPH BY KYOKO SEKINE

「もう100年、まだ100年」を掲げる東北牧場。畑に使用する堆肥は完全循環型で、自家生産。除草は除草剤を使わずスタッフの手で行われる。虫との共生も大切にする自然農法で、苦労の多いプロセスもいとわず踏んでいる。運動量の多い平飼いの2種の鶏が生む卵は、高級品の有精卵「東北牧場の卵、青玉・赤玉」として「ホテルコンチネンタル」に届けられる。青玉はヒスイ色でこくがあり、赤玉はまろやかな味わいだ。また本館の「カフェ&バー コルト」では、これら2種の卵を使った超こだわりの絶品プリンが食べられる。

 朝・昼・夕食ともに、ホテルのブッフェではこうして青森から直送される大地の恵みが提供され、リーズナブルな料金で満喫できる。まさにグループ経営ならではの循環マジックここにあり! である。

ホテルコンチネンタル
(HOTEL CONTINENTAL)

住所:東京都府中市府中町1-5-1
予約電話:042(333)7111
客室:全117室
料金:¥17,226~
(ツインルーム1泊1名の料金。消費税・サービス料込) 
 ※日によって料金が異なるため、要問合わせ
公式サイト

せきね きょうこ
ホテルジャーナリスト。フランスで19世紀教会建築美術史を専攻した後、スイスの山岳リゾート地で観光案内所に勤務。在職中に住居として4ツ星ホテル生活を経験。以来、ホテルの表裏一体の面白さに魅了され、フリー仏語通訳を経て、94年からジャーナリズムの世界へ。「ホテルマン、環境問題、スパ」の3テーマを中心に、世界各国でホテル、リゾート、旅館、および 関係者へのインタビューや取材にあたり、ホテル、スパなどの世界会議にも数多く招かれている。雑誌や新聞などで多数連載を持つかたわら、近年はビジネスホテルのプロデュースや旅館のアドバイザー、ホテルのコンサルタントなどにも活動の場を広げている
www.kyokosekine.com

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