大阪を拠点とする「神姫バス」が展開する、ワンランク上のもてなしをテーマとする高級バスツアー「旅学人(たびがくと)」が、関東でもサービスを開始。旅慣れた成熟世代をターゲットとしたこのツアーの一部に同行し、魅力を探った

BY KAORI EZAWA, PHOTOGRAPHS BY SHIGERU OTSUKI

 2018年4月、創業90年を迎えた神姫バスが、ほかのどこにもない観光バスツアーブランドを立ち上げた。「旅学人(たびがくと)」と名づけられたこのツアーの大きな特徴は、「旅を通じて人に出会い、人を通じて学びを得る」というコンセプトだ。そのツアースケジュールや内容も、時間刻みで慌ただしく観光地をめぐるような従来のバスツアーのイメージとは一線を画す。

 ひとつひとつ吟味して選び抜いた訪問先数カ所に、じっくり時間をかけて滞在。高価格帯のツアーではあるが、ただ豪華な旅というよりも、本物・本質に触れることを強くこだわったという。通常なら団体旅行客を受け付けない宿での宿泊や、一般観光客が入れない施設への訪問など、このツアーだけの特別な計らいも大きな魅力だ。

画像: 旅学人専用バス「YUI PRIMA(ゆいプリマ)」。シンプルで上品、エレガンスを感じさせる濃紺カラーの車体

旅学人専用バス「YUI PRIMA(ゆいプリマ)」。シンプルで上品、エレガンスを感じさせる濃紺カラーの車体

「旅学人」専用に作られた特別仕様のバス「YUI PRIMA(ゆいプリマ)」は、JR九州のクルーズトレイン「ななつ星」など、鉄道車両のデザインで定評のあるデザイナー、水戸岡鋭治氏が手がける。45人乗りのバスの座席数を18席まで減らし、ソファのような高級感ある革張りのシートはゆったりと余裕がある。旅慣れた参加者の一人(70代 男性)も「疲れ方が全然違います。今まで乗ったバスの中では最も乗り心地がいい」という。読みかけの本やメガネなどのこまごまとした荷物を収納できるようシートの背面に多くのポケットをつくるなど、内装にもさまざまな配慮がなされている。

画像: シートは体を包み込むような形状とクッション性、革の質感など、バスとは思えない座り心地のよさ。シートの背面にある革製ポケットは豊岡の職人によるもので、小さな書斎のように使い勝手よくカスタマイズできる。床やフットレストも肌触りのいい木製 COURTESY OF SHINKI BUS

シートは体を包み込むような形状とクッション性、革の質感など、バスとは思えない座り心地のよさ。シートの背面にある革製ポケットは豊岡の職人によるもので、小さな書斎のように使い勝手よくカスタマイズできる。床やフットレストも肌触りのいい木製
COURTESY OF SHINKI BUS

画像: バス後部にはバーカウンターがあり、同乗のアテンダントが飲み物を用意してくれる COURTESY OF SHINKI BUS

バス後部にはバーカウンターがあり、同乗のアテンダントが飲み物を用意してくれる
COURTESY OF SHINKI BUS

 旅の監修を行なっているのは、歯科医師であり、小説家でエッセイストの柏井 壽氏。自身の足で訪ね歩いた宿や食など旅に関するエッセイも多く、著作の累計部数は100万部を超える。また執筆業のかたわら、日本独自の伝統文化、季節感を感じさせる小規模ながら洗練された宿を「日本 味の宿」と命名・組織化し、その顧問を務める。

 文字通り旅のエキスパートである柏井氏が神姫バスのプランナーたちと一緒に旅の企画を考え、「日本再発見の旅」と呼ばれるシリーズのツアーには自らも同乗し、顧客の意見に耳を傾けてフィードバックを行なっている。そうしてコツコツと作り上げてきた「旅学人」は実際に顧客満足度が高く、参加者の半数以上はリピーターだという。

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