歴史や伝統を重んじながら、若い世代を中心に独自の文化を発展させ続けている「ベトナム」。彼らが創る未来のかたちは、どこかで見たことのあるような近代都市ではない

TEXT & PHOTOGRAPHS BY WALTER GRIAO, TRANSLATED BY MICHIKO TOYAMA

DA NANG(ダナン)& FUE(フエ)
 ダナンとフエの二都市を一日で巡ることにした。時間も短く、忙しいタイムスケジュールになってしまったが、それぞれに見所を押さえることはできた。

 まずはダナンへ向かう。ベトナム中部にある海岸沿いの都市で、フランス植民地時代には港町として栄えた。ベトナムで三番目に大きな都市とあって、伝統と現代的な要素が文句なしに調和した街並みを堪能することができる。押さえておきたい目的地は、2018年にTA Landscape Architectureによって設計された「GOLDEN BRIDGE Ba Na Hills(ゴールデンブリッジ)」だ。

画像: ゴールデンブリッジは、2018年6月にオープンして間もなく、ベトナムで最も人気のスポットになった

ゴールデンブリッジは、2018年6月にオープンして間もなく、ベトナムで最も人気のスポットになった

 テーマパーク「サン ワールド・バーナーヒルズ」内にある、ゴールデンブリッジは全長150メートルの“黄金の橋梁”で、石でできた二つの巨大な手が本当に橋を支えているように見えるから不思議だ。設計のコンセプトは、岩山から伸びる巨大な手が黄金のリボンを持ち、隣接するフラワーガーデンへと人々を誘う「神の手」を表現しているという。素晴らしい建造物の存在感には圧倒されるが、これまでに行ったことのない場所や、見たことのないものを求めて訪れる人にとっては、いわゆる観光地としてのテーマパークという立地ゆえに、ゴールデンブリッジのあるエリアから移動すると少々興ざめしてしまうかもしれない。

 次いでフエへ。同じくベトナム中部、ちょうどハノイとホーチミンの中間あたりに位置する。ダナンから車で約2~3時間かかるので、渋滞を避け、早朝の出発をおすすめする。

画像: ベトナムと中国様式が融合した遺跡の外観

ベトナムと中国様式が融合した遺跡の外観

 古都フエは、旅する国の歴史や文化に興味がある人は訪れるべき都市だろう。ベトナムの歴史的な都市の最たるところとされ、1993年に一部の建造物がユネスコの世界遺産に登録された。ここでの目的は、歴代の皇帝が眠る陵墓や遺跡を訪ねること。どちらもとても美しい場所にあり、ベトナムのそれぞれの都市ごとに発展してきた異なる文化が及ぼす影響や理解を深めるのに役立った。フエには、それだけではなく、観光から美食まで楽しめるたくさんのスポットがあるが、2日間程度の滞在プランがおすすめだ。

画像: フエにあるいくつかのお香の村では、好きな色と香りを選んでオリジナルのお香を作ったり、すばらしい写真を撮ることができる

フエにあるいくつかのお香の村では、好きな色と香りを選んでオリジナルのお香を作ったり、すばらしい写真を撮ることができる

HANOI(ハノイ)
 ロマンティックで落ち着いたムードのホイアンとは一転―― エキサイティングで熱気に満ちたハノイ。魅惑的で独特な雰囲気をもつハノイは、もともとあったものをスクラップ&ビルドして創りあげられた都市ではない。言うならば、“混乱”と“回復”、“伝統”と“革新”を繰り返すことで、それらが独自に融合して成り立ったものだろう。現在のハノイが、単純に歴史的な過去の出来事が積みあがった結果であると捉えるのは少し違っていると感じた。

 ハノイは、ここに暮らすダイナミックな人々に合うように進化し続けている。バイクの群れ、自転車に乗って商品を売り歩く業者や、市場やカフェを歩き回る人たち。街は賑わい、とにかくエネルギーで満ち溢れている。都会的な雰囲気と自然が共存する、とても文化的な首都だ。

 ハノイで注目すべきは、「ウェストレイク」と「オールドクォーター」だ。ウェストレイクは“現代的な”ハノイを象徴するエリア。何年もこの都市に住む外国人居住者たちの行きつけの魅力的なブティックやカフェ、インターナショナルなレストランが軒を連ねる。湖の目の前にはラグジュアリーホテルがありながら、いまだ開拓されないままの土地が残っているのもおもしろい。オールドクォーターに比べて渋滞が少ないのもポイントだ。

 一方、オールドクォーターは、――文化的ではあるが、まだ洗練されきっていない―― 騒々しくて情熱にあふれたエリアだ。歴史的な建造物も多く、食事情にも富んでいる。ホアンキエム区では、コロニアル様式の建築や仏教寺院や仏塔、ホアンキエム湖周辺にはハノイの屈指のショッピングスポットがあり、立ち寄るべき店が見つかるだろう。この街の謎を解くべく、バイクに乗り探索すると、そこには赤い旗、共産主義を象徴するかのようなプロパガンダポスター、歴史的建造物や博物館―― だんだんとハノイの魅力に引き込まれていった。

画像: ハノイの街中で見かける共産主義をうたうポスター

ハノイの街中で見かける共産主義をうたうポスター

<STAY>

SOFITEL LEGEND METROPOLE HANOI(ソフィテル レジェンド メトロポール ハノイ)
 ハノイの旧市街の中心にある「ソフィテル レジェンド メトロポール ハノイ」は1901年のオープン以来、名実ともにハノイの伝説的なランドマークとなった最高峰のホテルだ。伝統的なコロニアル様式とネオクラシカル様式が調和した佇まいが特徴で、レストランでは本格的なフランス料理とベトナム料理を味わうことができる。その素晴らしいサービスで数々の賞を受賞、五ツ星も獲得している。

画像: 植物が生い茂る庭の中の美しいコロニアル様式の階段

植物が生い茂る庭の中の美しいコロニアル様式の階段

 大使や州知事から著名なアーティストまで、有名人がビジネスやレジャーに利用する場所としても知られている。1901年築、由緒あるクラシックウィング(旧館)には、「レジェンダリースイート」と呼ばれる3つのスイートルームがある。それらの客室は、ここに宿泊したことのある、グレアム・グリーン、チャーリー・チャップリン、サマーセット・モームにちなんだ名称がついている。一方、オペラウィング(新館)の客室はモダンなムードが特徴的で、アフタヌーンティーやイブニングカクテル、24時間対応のルームサービスなど、行き届いたホスピタリティも一流だ。
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画像: 旧館のロビー。コロニアル様式の窓に映える美しい陶器、設えられた不朽のベトナム製家具が豪奢でリラックスできる雰囲気を醸し出す。気品のある読書コーナーも併設されている

旧館のロビー。コロニアル様式の窓に映える美しい陶器、設えられた不朽のベトナム製家具が豪奢でリラックスできる雰囲気を醸し出す。気品のある読書コーナーも併設されている

画像: 「グランド プレステージ スイート」 ゴージャスで煌びやかなバスルーム。アメニティはエルメスだ

「グランド プレステージ スイート」
ゴージャスで煌びやかなバスルーム。アメニティはエルメスだ

 

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