歴史や伝統を重んじながら、若い世代を中心に独自の文化を発展させ続けている「ベトナム」。彼らが創る未来のかたちは、どこかで見たことのあるような近代都市ではない

TEXT & PHOTOGRAPHS BY WALTER GRIAO, TRANSLATED BY MICHIKO TOYAMA

<EAT>

T.U.N.G. DINING 
 シェフのTung氏と彼のチームにとって、小さくて居心地の良いT.U.N.G.のキッチンは美味しいものが生まれる、ハッピーな空間だ。いくつかあるコースメニューには主要な食材しか書かれていない。つまり、シェフおまかせでどんな料理が出てくるか分からないわけだが、とても好奇心をそそられ、そういうときは、絶妙な素材の組み合わせからなる美味しい料理に出会えることが、ほとんどだ。

画像: T.U.N.G. Diningを支えるブレイン、シェフのTung氏。キッチンでは何時間もかけて準備をする

T.U.N.G. Diningを支えるブレイン、シェフのTung氏。キッチンでは何時間もかけて準備をする

画像: 北欧風インテリアを設えたT.U.N.G.Diningのダイニングルーム。シンプルでくつろげる2階建てのレストランは、1階が彼のチームの素晴らしい調理場で、2階がこのダイニングルームになっている

北欧風インテリアを設えたT.U.N.G.Diningのダイニングルーム。シンプルでくつろげる2階建てのレストランは、1階が彼のチームの素晴らしい調理場で、2階がこのダイニングルームになっている

画像: 冬に味わえる帆立を使った料理

冬に味わえる帆立を使った料理

 ひたむきに新しいものを常に探求しているTung氏のチームは、ベトナムのみならず、タイ、インド、ヨーロッパ、日本など世界中の料理を研究し、切磋琢磨している。彼ら自身のクリエイティブで冒険心旺盛な姿勢にとどまらず、顧客にも積極的にアドバイスを求め、メニューを進化させることに余念がない。
www.tungdining.com

CAU GO(カウ・ゴー)
 伝説の湖、ホアンキエム湖を見渡すこのレストランは、歴史的な環境に囲まれている。また、レストランの名前にもなったカウゴー通りは、ハノイの旧市街に36本ある通りの一つだ。

 ここの料理は、たとえるならば “人生”そのものだろうか。脈打つように常に進化する食の世界は、伝統的なベトナム料理に影響を与え、現代に求められる味を取り入れた新しいひと皿を生み出し続けている。カウ・ゴー レストランは、ハノイ料理の最上にとどまらず、ベトナム全土の料理との融合を目指したトップレベルの味を提供してくれる。
http://caugorestaurant.com

CAFE GIANG(ジャン カフェ ハノイ)

 ハノイ旧市街では、「ジャン カフェ」の名物「エッグコーヒー」を堪能してほしい。創業者のグエンバンザン氏が、ミルクを卵の黄味で代用したことから、この素晴らしい飲み物は誕生した。ジャン カフェは1946年、ザン氏が五ツ星ホテル「ソフィテル レジェンド メトロポール ハノイ」でバーテンダーとして働いていた時に創業。その後、二度ほど移転したが、エッグコーヒーの製法は創業当初とほぼ同じだ。原料は卵と甘いコンデンスミルク、ベトナムコーヒーにバターとチーズだ。卵黄とコンデンスミルクをカスタードクリーム状にホイップしたものがコーヒーの上に乗っている。是非、元祖エッグコーヒーの味を試してみてほしい。

 ハノイのコーヒージャンキーたちには、「カフェ ホー コー」か、この「ジャン カフェ」がとても人気だ。ジャン カフェは、旧市街にある小さな通り、グエンフーホアン通り沿いにある。観光客には見つけづらい場所ではあるが行ってみる価値は十分にある。
http://cafegiang.vn

<SPOT>

VIETNAMESE WOMEN’S MUSEUM(ベトナム女性博物館)

 ハノイの旧市街にほど近い場所に位置する、この非常にためになる博物館は、ベトナム社会や文化における女性の役割をテーマごとに紹介している。円形のアトリウムと3つのメインギャラリーが3フロアに渡って広がる素晴らしい建物は、落ち着いた広場の裏手にある。汗が流れ滴るハノイの熱い午後でも、ここで涼をとりながら見学できることも理想的だ。ベトナム女性博物館は、あらゆる意味で皆のための博物館だ。素晴らしい外観の子供向けのディスカバリールームやベトナムの手工芸品を販売する小さなショップ、そして、体験型展示がある。またほとんどの展示には、英語の短い説明が付いているのもありがたい。

 世界中どこに行っても、女性の話はとてもシンプルではあるが、物事の核心を突く。表立ちはしないものの、その奥深い愛情は、時代を超えたベトナム女性の特性や美しさ、重要性を表している。その価値や遺産を収集、展示することで、そこを訪れた人々が彼女たちを誇りに思い、愛し、敬う気持ちを、国内外の人々に気づかせてくれる素晴らしい場所だ。

画像: 博物館のエントランスホールにあるゴールドの像

博物館のエントランスホールにあるゴールドの像

HA LONG BAY(ハロン湾)
 ハノイの喧騒を避けて自然の景色を見たいなら、ハロン湾だろう。個人的には世界で最も美しい場所のひとつだと思う。ハロン湾はベトナムで最も観光客の集まる場所だ。約120キロに渡る海岸線は文字通り、“下り龍の入り江”だ。水間に顔を出す何千もの石灰岩からなる一枚岩、自然にできた鍾乳洞、絵画のように美しい島々、そして探検するにはもってこいの漁村。ユネスコの世界遺産でもあり、すべてのスポットを自分だけで制覇するのは難しいだろう。そこでおすすめなのは、まず行きたいところをできるだけカバーできるツアーを探すことだ。

 多くの人は、まず一泊の船のツアーに参加し、沈みゆく夕日と、この世のものとは思えない美しい朝焼けを少なくとも一度ずつ体験する。「水辺の石灰岩のそばに行くか、カヤック体験か、水泳をするか、素晴らしい洞窟に行くかですね」。そう教えてくれたのは、旅行会社TMGのCEO、トラン・トロン・キエン氏だ。酷暑とモンスーンの夏、曇りがちで肌寒い冬(10℃〜21℃)を避けるとなると、ベトナムを訪れるには、3月~5月、もしくは、9月~11月がベストシーズンだ。

 つまり、ハロン湾は、グループツアーなどの予約なしでは、ほぼなにもできない場所だ。選ぶツアーによってできる体験が変わるので、事前のリサーチが重要だ。どのツアーに参加して、なにをするのか、心して選びたい。

 目的をもって訪れたはず場所で、どんどん新たな目的を見い出すことになったベトナム。まだまだ知らない魅力にあふれたこの国で、もっともっとやりたいことがたくさんある。

 

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