ホテルジャーナリスト、せきね きょうこが独自の視点でおすすめの東京ホテルを案内。連載第50回めは、フランスの粋と日本の伝統が融合する「プルマン東京田町」

BY KYOKO SEKINE

 シンプル&エレガンス、カジュアル&ラグジュアリー、そして斬新なアートに包まれる…そんな洒落た都会派ホテルが田町にオープンしている。日本初上陸を果たしたフランス発のアコーホテルズ・プレミアムブランド「プルマンホテルズ&リゾーツ」のひとつ、「プルマン東京田町」が、この10月で開業1周年を迎えている。

画像: ホテルは田町駅から至近距離にある。1階は車寄せ、2階がこのエントランス

ホテルは田町駅から至近距離にある。1階は車寄せ、2階がこのエントランス

 ロケーションは田町駅から至近距離という便利な場所にあり、エントランスは整然と立ち並ぶビルの一角、地上2階部分に位置している。周辺は緑が植栽され、そしてベンチが置かれ、ホッと息抜きのできるミニ公園のような空間だ。この田町エリアは、都心でもかなりの速度で進化を続けている。1年以上訪れていなかった田町を訪れると、JR山手線・京浜東北線・田町駅とホテル「プルマン東京田町」は屋根付きのペデストリアンデッキ(歩道橋)で直結しており、ここを通って雨にぬれることなくエントランスまで行くことができる。都営地下鉄三田線・浅草線・三田駅までも徒歩3分、交通至便であることも、コアなターゲットをビジネスマンに絞る理由であろう。とはいえ、観光客にも、またレジャー客にも有難いロケーションには違いない。

 より新鮮な驚きは、ホテル館内に一歩入ってからのことであった。無機質ともいえる周囲のビル群の印象とは一変し、ロビーエリアでは、ドキドキするほど個性的なアートに迎え入れられた。ホテルのPR担当者いわく、「メインのメッセージとして、“歌う、舞う、纏う”を掲げています」

画像: ロビー内には赤やゴールド、黒を使ったアートが施され、反対側も壁や天井画が繋がるように描かれている

ロビー内には赤やゴールド、黒を使ったアートが施され、反対側も壁や天井画が繋がるように描かれている

 「2階のエントランスエリアは、レセプションやバーなど人々が行き交う場所。待ち合わせや飲食など多目的に使えて、一風変わった遊び場ともいえる『The Junction』は、歌舞伎で役者が”舞う“舞台として捉えています。また3階から8階の客室は歌舞伎役者の纏う伝統的な柄を、インテリアとして絨毯や壁紙に“纏い”、9階のルーフトップバー『Platform 9』では、アートを楽んだりクールな音楽が奏でられ、“歌う”ような体験ができるなど、滞在自体が楽しめるよう演出しています」と話してくれた。フレンチテイストの粋は常に”個性”にあり、このホテルでも他にはない洒落た空間に、日本の伝統が投影され表現されている。

画像: ロビー階のエレベータホールには壁一面を飾る“歌舞伎役者”の顔が。フロアごとに「舞う」「纏う」「歌う」という異なるコンセプトを設定

ロビー階のエレベータホールには壁一面を飾る“歌舞伎役者”の顔が。フロアごとに「舞う」「纏う」「歌う」という異なるコンセプトを設定

 確かに2階ロビーには自由な雰囲気が漂い、歌舞伎役者の顔を描いた個性的なアートや、スタイリッシュで艶やかな和のアートが壁や空間を飾り、ホテルからのメッセージを発信している。そのロビー階を見渡せば、スーツ姿よりも自由な服装のゲストが多く見受けられ、さらにレセプションカウンター内で働く男性スタッフの一人は、髪を後ろで縛ったヘアスタイルが様になっていた。そこここにヌーベル・フレンチの印象が漂っている。

画像: 最上9階に位置するエグゼクティブラウンジ。エグゼクティブルーム、スーペリアスイート、デラックススイートの滞在ゲスト専用スペースで、無料ドリンク・スナックを提供(6:30~22:00)

最上9階に位置するエグゼクティブラウンジ。エグゼクティブルーム、スーペリアスイート、デラックススイートの滞在ゲスト専用スペースで、無料ドリンク・スナックを提供(6:30~22:00)

 ロビー階に位置するメインレストランの「KASA」では、アジアのエッセンスを採り入れた地中海フュージョン料理が楽しめる。カジュアルなレストランはオールデイダイニングとなっており、好天の日など、テラス席は植栽で季節を感じながら快適な都会時間を味わえるだろう。

画像: カジュアルダイニング「KASA」では6時半から朝食も提供。ランチタイムは近隣のオフィスに勤めるOLやビジネスマンで賑わう。国産の食材を使用し、アジアンテストを採り入れた地中海フュージョン料理を提供

カジュアルダイニング「KASA」では6時半から朝食も提供。ランチタイムは近隣のオフィスに勤めるOLやビジネスマンで賑わう。国産の食材を使用し、アジアンテストを採り入れた地中海フュージョン料理を提供

 客室数は全143室。国際性に富むアコーグループでは客室のカテゴリーも多く用意されている。洗面台とライティングデスクが一体となっている機能的なキングルームもあれば、9階には上級カテゴリーの客室滞在ゲスト用にエグゼクティブラウンジも造られている。それら客室は、落ち着いた色合いのモダニズムにヴィヴィッドなアクセントカラーが印象的であり、インテリアのディテールには和洋折衷の意匠が施された。

画像: スーペリアスイート<52㎡>の寝室

スーペリアスイート<52㎡>の寝室

画像: 8階に位置するデラックススイート<81㎡>。リビングスペースは独立型 PHOTOGRAPHS:COURTESY OF PULLMAN TOKYO TAMACHI

8階に位置するデラックススイート<81㎡>。リビングスペースは独立型
PHOTOGRAPHS:COURTESY OF PULLMAN TOKYO TAMACHI

 またホテルはJR田町駅に至近のため、駅側の部屋の窓からは、山手線や新幹線の走り抜ける姿が真下に見える。快眠を重視した遮光カーテンが設置され、何ひとつ騒音のない静けさが守られた室内から見る大都会の風景は、外国人観光客にとっては映画のワンシーンのように映るかもしれない。

「歌舞伎」という日本伝統の舞台劇をテーマに、ユニークにデザインされたホテルは、エグゼクティブ・ビジネスマンやFIT(個人旅行客)を受け入れるプレミアムブランドのホテルとして、確実にその世界観を東京の街に浸透させている。

プルマン東京田町(PULLMAN TOKYO TAMACHI)
住所:東京都港区芝浦3-1-21
電話:03(6400)5855
客室数:全143室
料金:¥35,000~(1泊1室2名の室料。消費税・サービス料別)
公式サイト

せきね きょうこ
ホテルジャーナリスト。フランスで19世紀教会建築美術史を専攻した後、スイスの山岳リゾート地で観光案内所に勤務。在職中に住居として4ツ星ホテル生活を経験。以来、ホテルの表裏一体の面白さに魅了され、フリー仏語通訳を経て、94年からジャーナリズムの世界へ。「ホテルマン、環境問題、スパ」の3テーマを中心に、世界各国でホテル、リゾート、旅館、および関係者へのインタビューや取材にあたり、ホテル、スパなどの世界会議にも数多く招かれている。雑誌や新聞などで多数連載を持つかたわら、近年はビジネスホテルのプロデュースや旅館のアドバイザー、ホテルのコンサルタントなどにも活動の場を広げている
www.kyokosekine.com

 

This article is a sponsored article by
''.