シャツや軍手をロウで固めたオブジェ。制作者は石川祐太郎。きっかけは、コロナ禍で困窮した友人から買い取った服に、その人を思い出す香水やタバコの匂いが残っていたこと。その“大切な瞬間”を閉じ込める表現を模索するなかで、香りをつけたロウに浸すことを思いついた。靴下を固めた作品でデンマークのファッションブランドGANNI(ガニー)の「気鋭のアーティスト5人」に選ばれた。石川は工学部出身の経営コンサルタント。日頃は定量分析と論理的思考で最適解を導き出す。仕事に不満はないが、「このまま一生を終えるのが怖くなり、生きている意味を探そうと思った。それがアートだった」と言う

PHOTOGRAPH BY YUSUKE ABE
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