RECIPE BY YOKO ARIMOTO, PHOTOGRAPHS BY YUKI SUGIURA, TEXT BY MIKA KITAMURA

酢飯、鯵、薬味を重ねるだけ。
混ぜない「混ぜずし」
「母は長崎出身で、鯛の混ぜずしをよく作ってくれました。目の前の湾で揚がる鯛を使うのは、地元の人たちにとっては自然なことだったんですね」。
有元さんは季節の食材で混ぜずしをよく作る。東京では鯵が手に入りやすいこともあり、鯵の混ぜずしは定番だ。「おすしには、鯵をしっかり酢に漬けます。皮をむくと、色が褪せてしまうので、皮を引くのは作る直前に」。
「混ぜずし」なのに、酢飯に具を混ぜない。具材はのせるだけ。「混ぜると米の粘りが出てしまいます。重ねるほうが簡単だし、しゃもじで下からすくえば、具材も酢飯も一緒にお皿に盛れるんです」。今回は生姜、きゅうり、大葉、みょうが、細ねぎ、すだちとたくさん用意したが、2、3種類でも十分だという。
混ぜずしは、下準備が大事。今回は、「鯵を酢締めにする」「薬味を用意する」「酢飯を作る」「盛り付ける」の順にプロセスを紹介するが、鯵に塩をしたり、酢締めにしている間に薬味を用意したり、ご飯を炊いたり、同時進行できることも多い。下準備さえきちんとしておけば、最後は酢飯と鯵、薬味を重ねるだけ。意外なほどシンプルなので、ぜひ試してみてほしい。
<材料つくりやすい分量>
米 3合
すし酢
米酢 80㎖
メープルシロップ 大さじ11/2
塩 小さじ 2/3
鯵 5尾
きゅうり 1本/小口切り
生姜 5mm角に切って片手1杯くらい
大葉 20枚/縦半分に切り、細切り
みょうが 3〜4本/斜め薄切り
細ねぎ 4〜5本/小口切り
すだち 3個/薄切り
塩 米酢 各適量
<作り方>

1 鯵を酢締めにする。
鯵は三枚におろして骨を抜く。角ざるに鯵を並べ、両面に軽く塩を振り、バットに斜めにして30分ほどおく(暑い時期なら冷蔵庫に入れる)。

2鯵は酢で洗って塩を落とし、バットに並べ、酢をひたひたに加え、冷蔵庫で20〜1時間おく。

3すしを作る直前に、皮を引き、ひと口大にそぎ切りにする。頭のほうから尾に向かって皮を引くとはがしやすい。

4 すし酢、薬味を用意する。
すし酢の材料を合わせる。生姜は水にさらし、熱湯でさっとゆでてざるにあげ、すし酢に漬けておく。きゅうりは塩をして、水気を絞る。大葉とみょうがは水にさらし、さらしなどで包んで水気を絞り、仕上げ時にもう一度しっかり絞れるよう、さらしに包んで置いておく。生姜、細ねぎ、すだちは各々ボウルなどに入れておく。
5 酢飯を作る。
ご飯はいつもより硬めに炊く。ご飯が炊き上がる直前に、飯台を水で湿らせ、余分な水分をふきんで拭き取る。飯台とぬれぶきん、水を張ったボウルとしゃもじ、すし酢、うちわをあらかじめセットしておく。
6 炊き上がったご飯を一気に飯台に開ける。すし酢から生姜を引き上げ、熱々のご飯にすし酢を回しかけ、しゃもじでご飯を切るようにさっと混ぜる。うちわであおぎながら、ご飯をそっとひっくり返し、粗熱をとる。水を張ったボウルにしゃもじや菜箸を漬けながら作業すれば、米粒がひっつきにくいので、作業がラク。すし飯ができたら、ぬれぶきんをかけておく。(詳細は「Vol.7 はすの、白いちらしずし」参照)


7 盛り付ける。
きゅうりや薬味類は、盛り付け前にもう一度しっかり水気を絞る。酢飯に、生姜ときゅうりを加えて切るように混ぜる(ここだけは混ぜます)。大きな器に半分量の酢飯を平らに盛り、半量の細ねぎを散らし、半量の鯵を並べる。大葉とみょうがを散らす。さらに残りの酢飯をのせ、同様に鯵、薬味類をのせ、すだちものせる。しゃもじでそっと下からすくい、各々のお皿に盛る。

有元葉子(ありもとようこ)
料理家。素材を生かしたシンプルで力強い料理と、環境にも配慮した心地よい暮らし方に多くの共感が集まり、著書は100冊を超える。使いやすく美しい調理道具「ラバーゼ」シリーズを提案し、東京でセレクトショップ「SHOP281」を経営。イタリア・ウンブリアと信州にも家を持ち、東京と信州、イタリアでの生活を楽しむ。
公式サイトはこちら
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