TEXT AND PHOTOGRAPHS BY NAMI IKUMA
マスカラタイプにファンデーションタイプ……。ここ数年でバリエーション豊かになった、白髪用の1dayリタッチコスメ。気付いたときに即カバーできるからとても便利だが、うまく使いこなせないという声も多い。使い方のコツと、白髪のタイプ別使いこなし方をマスターしよう。
顔のシミをコンシーラーで消す感覚
ピンと浮き上がってきたり、根元にぞろっと見えてきたり……なぜか出かける直前になると急に目立つような気がするから不思議なものだ。白髪用のリタッチコスメは、頰のシミをコンシーラーでカモフラージュするのと同じ感覚で使え、成分的にもヘアカラー剤というよりファンデーションや口紅に近いもの。色もちは1日限りだが、髪を傷めず、気になったときにスピーディにカバーできるので、緊急対策用として常備しておくと便利。カラー剤の刺激が気になる人もこれなら気軽に使うことができる。
「地肌につく」「時間が経つと手につく」を防ぐコツ
「塗っているときに地肌にべたっと付着してしまう」、「時間が経って髪に触れたときに指に色素がつく」という懸念は、ここ数年で製品がぐんと進化し、かなり改善されている。以前使ってうまくいかなかった人も、ぜひ新作を手にとってみてほしい。さらに使い方のちょっとしたコツをおさえると、ぐんと使い勝手がよくなるので覚えておこう。
POINT1:マスカラタイプは、毛束を持ち上げて塗布する
まずマスカラタイプを使うときに起こる「地肌に液が付着する」問題。慌てて片手でささっとつけようとすると、どうしても地肌に付きやすい。簡単なことだが、カバーしたい毛束を持ち上げてピンと張り、ブラシを張った毛束に押し当ててつけるようにしてみよう。これなら指先も安定するので、狙ったところにつけられる。さらに毛束の裏側からもブラシを当て、毛1本1本の360度につけることをイメージして。面倒そうに思えるが、この方法なら早く確実に白髪をカバーできる。
POINT2:ファンデタイプは、“境界線”をスポンジでぼかす
ファンデーションタイプのテクスチャーは最近はぐんと進化。湿式の物でも、髪につけるとドライに変わるのでベタつかずに定着し、ふんわりとほのかに色づく。このタイプは多少なら地肌についても問題ないが、気になるのは濃く付きすぎてしまった場合や、塗ったところと塗っていないところの境目がくっきりと線になってしまうこと。これは、スポンジの何もついていない面で境目のあたりをぼかすようになじませればOK。境目が目立たなくなり、ナチュラルな仕上がりになる。
POINT3:ヘアスプレー仕上げで、手や指への色移りを予防する
「つけて時間が経つと皮脂や汗で髪をかきあげたときに手につきそう…」という心配もある。これはつけ終わったときに、髪のセットスプレーを髪の表側と裏側から薄くひと吹きすることで、完全には防ぎきれないものの、かなりつきにくくなるので、ぜひ試してみて。専用のスプレーが用意されているリタッチコスメもある。
伊熊奈美厳選!白髪率別のおすすめリタッチコスメ
染めたい部分の白髪率が低めなら・・・マスカラタイプ、ペンタイプ
生え際にちょろちょろある、ピンと立つ1本など、染める白髪量が少ないときには、狙ったところに付けられるマスカラタイプやペンタイプを。このタイプは使い続けるうちに徐々に色素が残り、白髪が目立たなくなっていくのも魅力。
染めたい部分の白髪率が高めなら・・・ファンデーションタイプ、パウダータイプ、スティックタイプ
分け目やつむじの“冠雪状”白髪や、目が届きにくいえり足などは、ひと塗りで一気に広範囲をカバーできるこれらのタイプが便利。