BY TOMOSHIGE KASE
デンマークのオーディオブランド「バング&オルフセン」の最新4Kテレビ「BeoVision Eclipse(ベオビジョン エクリプス)」。最大の特徴は有機ELディスプレイによる鮮やかな映像だ。従来の液晶ディスプレイでは難しかった“完全な黒”が表現可能となり、コントラストの利いたメリハリある色彩を実現。また映像に対する反応速度の速さも有機ELの特長のひとつで、サッカーや体操競技といったスポーツの映像を観ると液晶と差がわかりやすい。選手の身体の動きはもとより、ボールの回転などまで明確に見てとれるはずだ。
本体下部を左右に貫くように配置されているのが計450Wのアンプを備えたスピーカー。上質かつパワフルなサウンドを届けてくれる。十分すぎるほどの音質ではあるが、さらにその先の豊かな音を求めるのであれば、外部スピーカーとして「BeoLab 50(べオラブ 50)」を接続するという手がある。電源を入れると本体上部に「アコースティック レンズ」と呼ばれるサウンドコントローラーが上昇する。音の聴こえ方を調整するためのパーツだが、映画や舞台の幕開きのような高揚感をもたらしてくれる効果も。このスピーカーの出力は1台当たり2100W。当然ながら迫力と広がりが違う。大排気量のクルマで余裕のクルージングを楽しむイメージと言えばわかっていただけるだろうか。
「べオラブ 50」はいわば映像の美しさを支えるエンジンとも言えるが、その外観は「ベオビジョン」同様にどこまでも優美。シャープな印象を生む黒のフロントファブリックとアルミニウムパネルの対比。クラフツマンシップを感じさせる背面のオーク材。優れた映像とサウンドがオーディオシステムの第一義だが、インテリアとして部屋に美を呼び込むこともできるのは、バング&オルフセンならではの大きな魅力といえる。
イヤホンで音楽を聴きながら街を歩く。ベッドに転がってユーチューブを観る。今はよりパーソナルに映像や音楽を楽しむ時代なのかもしれない。感動したら後でシェアすればいい。自分の時間と解釈で作品を楽しめるし、相手の時間と解釈を邪魔することもないだろう。スマホやタブレットと同じように、深まる秋の夜、ひとりでゆっくりとこのテレビとスピーカーの良さを味わうのもいい。ただ、たまには友人やパートナー、家族とともに楽しんでみてはどうだろう。その美しい映像と豊かなサウンドは理屈抜きで観るものを引き込む。後から感動をシェアするのではなく、その日そのときに一緒に観て感動を分かち合う。大事な人たちとともに、かけがえのない時間を共有してほしい。
問い合わせ先
バング&オルフセン ジャパン
TEL. 03(6303)3881
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