美しい造形美に、快適な座り心地......。たった一脚でも、住まいを洗練の空間へと昇華させてくれる「名作」と呼ばれる美しき椅子を厳選紹介。今回は、個性的なデザイナー、建築家によって生み出されたイタリアンモダンデザインを代表する名作椅子を厳選紹介

BY EMI ARITA

ジオ・ポンティの「スーパーレジェーラ」

画像: 「スーパーレジェーラ」¥330,000〜/カッシーナ COURTESY OF CASSINA IXC.

「スーパーレジェーラ」¥330,000〜/カッシーナ

COURTESY OF CASSINA IXC.

 指1本でも持てる超軽量椅子として1957年に誕生した「スーパーレジェーラ」。デザインしたのは、家具デザイナー・建築家のジオ・ポンティ。編集者としても活躍し、1928年には、当時初となる建築・デザインの本格的な専門雑誌『ドムス』を創刊。イタリアの近代建築そしてデザイン分野において多大なる功績を残した。

 そんなジオ・ポンティの代表作である「スーパーレジェーラ」は、重さ2㎏以下の「超軽量椅子」として発表当時話題を集め、カッシーナの隆盛期を牽引。今なお多くのデザイナーがリ・デザインを試みるなど、世界中で愛され続けている名作。アッシュ材のフレームによる端正な構造と、極限まで無駄を削ぎ落としたミニマルなデザインは、現代の暮らしにもマッチ。籐張りのシートは、腰をかけると程よくたわみ、快適な座り心地を叶えてくれる。

画像1: COURTESY OF CASSINA IXC.

COURTESY OF CASSINA IXC.

カッシーナ・イクスシー 青山本店
TEL. 03-5474-9001
公式サイトはこちら

ジャンカルロ・ピレッティの「DSC106S サイドチェア」

画像: 「DSC106S サイドチェア トレヴィ」¥91,300/メトロクス COURTESY OF METROCS

「DSC106S サイドチェア トレヴィ」¥91,300/メトロクス

COURTESY OF METROCS

 オフィスや学校で今では当たり前に目にする金属製パイプ椅子。その生みの親として知られるのが、デザイナーのジャンカルロ・ピレッティだ。イタリア・ボローニャ出身で、主にオフィス家具デザイナーとして活躍したピレッティは、1969年に折りたたみ可能、開いた状態でスタッキングもできるスチールフレームの「プリア」を発表。数々の賞を受賞し、大ヒットとなった。そんな「プリア」発表の前、1965年にデザインしたのが、こちらの「DSC106S サイドチェア」だ。

 人間工学に基づいた座り心地の快適さ、フォルムの美しさ、そして機能性が見事に調和した「DSC106S サイドチェア」は、成形合板の座面・背面をアルミニウム製のフレームで挟み込み、ネジで締め上げて固定。木製家具が主流だった時代に、いち早くアルミニウムに着目することで生まれた画期的な構造により、椅子デザインに革新をもたらした傑作だ。シートの素材は、ビーチウッド、ファブリック、ベルベットの3タイプからセレクト可能。さらにファブリックではオレンジやレッド、イエローとポップな8色がラインナップ、柔らかな感触とエレガントさを纏うベルベットは5色と、豊富なカラーバリエーションが揃う。

画像1: COURTESY OF METROCS

COURTESY OF METROCS

メトロクス
TEL. 03-5777-5866
公式サイトはこちら

マルコ・ザヌーゾの「ウッドライン」

画像: 「ウッドライン」¥1,012,000〜/カッシーナ COURTESY OF CASSINA IXC.

「ウッドライン」¥1,012,000〜/カッシーナ

COURTESY OF CASSINA IXC.

 建築家、家具デザイナー、編集者……と幅広い分野で活躍し、多才で個性的な建築家が多く揃うイタリア。マルコ・ザヌーゾもやはり、建築家、家具デザイナー、編集者、そして大学教授と多くの肩書を持ち、数々の名作を生み出してきた。
 
 そのひとつが、1964年に発表した「ウッドライン」。アーム部分の先端が反り上がった特徴的なデザインで、オブジェとしての存在感も抜群な「ウッドライン」は、背もたれの傾斜とクッションシートにより、体を預けてゆったりとくつろげる、ソファのような座り心地が魅力。静かにひとりで読書を楽しんだり、映画鑑賞をしたり、自分だけのとっておきの時間を楽しむパーソナルチェアにもおすすめ。シートの素材はレザーやファブリックなどより選択可能。カラーも好みで選ぶことができる。

画像2: COURTESY OF CASSINA IXC.

COURTESY OF CASSINA IXC.

カッシーナ・イクスシー 青山本店
TEL. 03-5474-9001
公式サイトはこちら

ピエロ・ガッティ、チェーザレ・パオリーニ、フランコ・テオドーロ の「サッコ」

画像: 「サッコ イージーチェア」¥85,800(2024年1月より¥102,300)/メトロクス COURTESY OF METROCS

「サッコ イージーチェア」¥85,800(2024年1月より¥102,300)/メトロクス

COURTESY OF METROCS

 今、流行りのビーズクッションの椅子のパイオニア的存在と言えるのが、1968年に誕生した「サッコ」だ。デザインしたのは、当時、20代後半〜30代の若手デザイナーとして活躍していた、ピエール・ガッティ、チェザーレ・パオリーニ、フランコ・テオドーロの3人。イタリア語で“袋”を意味する“サッコ”と名付けられた椅子は、その名の通り、丈夫な袋にビーズ(ペレット)が詰められており、上に座ったり、横になったり。どんな姿勢にもフィットする使い勝手の良さで、発表から50年以上経った今なお、愛され続けている。

 発表当時「これは椅子なのか?」と世界中に衝撃を与えた「サッコ」は、これまでの既成概念に捉われない、大胆で自由な発想が評価され、1970年にはイタリアデザインの権威ある賞、コンパッソ・ドーロを受賞。さらに、ニューヨーク近代美術館「MoMA」の永久展示品になるなど、イタリアンモダンデザインのアイコン的存在となっている。落ち着いたモノトーンカラーから、赤や青、黄色とポップなカラーまで、多彩なカラバリが揃うのも魅力だ。インテリアのアクセントとしても楽しめるポップな名作椅子に、脱力した体を預けてくつろぎのひとときを過ごしたい。

画像2: COURTESY OF METROCS

COURTESY OF METROCS

メトロクス
TEL. 03-5777-5866
公式サイトはこちら

ヴィコ・マジストレッティ「905」

画像: 「905」¥231,000〜/カッシーナ COURTESY OF CASSINA IXC.

「905」¥231,000〜/カッシーナ

COURTESY OF CASSINA IXC.

 カッシーナを代表する「マラルンガ」ソファをデザインしたことでも知られているイタリアデザイン界の巨匠ヴィコ・マジストレッティは、照明や椅子、シェルフと、数々の名作家具を手掛けてきた。数ある作品の中でも、シンプルな構造ながら、曲線美を生かした木のフレームにより、ヴィコ・マジストレッティらしさを感じられるのが、1964年に誕生した「905」チェアだ。

 現在、カッシーナで取り扱っている「905」チェアは、2000年までカッシーナが製造していたオリジナル版を、仕上げや技術をアップデートさせた復刻版。無垢材の脚部分は、カッシーナの高度な職人技と最先端のテクノロジーを掛け合わせることで、丸みを帯びた独特なフォルムを実現している。フレームは、アッシュ材のナチュラルとブラック、アメリカンウォールナット材の全3種よりセレクト可能。張り地は豊富な素材やカラーより選ぶことができる。

画像3: COURTESY OF CASSINA IXC.

COURTESY OF CASSINA IXC.

カッシーナ・イクスシー 青山本店
TEL. 03-5474-9001
公式サイトはこちら

▼あわせて読みたいおすすめ記事

T JAPAN LINE@友だち募集中!
おすすめ情報をお届け

友だち追加
 

LATEST

This article is a sponsored article by
''.