古来から伝わる「二十四節気」は、春夏秋冬の季節を6つずつに分け、それぞれの期間に季節の変化を表す名前をつけたもの。気忙しい日々だからこそ、暦に合わせて咲く色とりどりの花から活力をチャージしたい。今回は昼が最も短くなり、運気の切り替え日と言われる冬至に飾りたい花束を、東京・中目黒の「atelier cabane」に束ねてもらった

TEXT & PHOTOGRAPHS BY YURI TAKAHASHI

冬至 12月22日〜1月5日

 一年でいちばん日照時間が短く、夜が長い冬至。この日は一陽来復と呼ばれ、古来、冬至を境に一日一日と畳の目のひとつずつ陽が長くなるので、陽(よう)に転じる日、運気が上昇する日と言われている。柚子湯に浸かり、体を清めて厄祓いをし、クリスマス、大晦日、お正月と行事が目白押しの年末に備えたい。正月飾りの準備は28日までに済ませるのが良いと言われており、冬至を迎えたら、素敵なお正月飾りを探しに出かけてみてはいかがだろうか

画像: すっと伸びた松に、たわわに実った稲穂をモダンにあしらったお正月飾り。玄関から縁起を呼び込みたい。サイズによって2,200円〜6,000円まで取り揃えている。お正月飾り¥5,500

すっと伸びた松に、たわわに実った稲穂をモダンにあしらったお正月飾り。玄関から縁起を呼び込みたい。サイズによって2,200円〜6,000円まで取り揃えている。お正月飾り¥5,500

 長寿や健康の象徴である松に、日本人にとっての実りの象徴である、稲穂。大願成就や幸運をもたらすとされている金柑が愛らしいアクセントのお正月飾りは、神聖さと今めかしさが共存している。
このお正月飾りがより映えるよう大掃除にも精を出し、年神様が訪れるのにふさわしい場所に整えたい。

画像: 流木を使ったお正月飾りは、男性や在留外国人にも人気。翌年、流木を店舗に持ち込むと、新しいお正月飾りを作ってくれる。 5,500円〜1万円前後で発売予定

流木を使ったお正月飾りは、男性や在留外国人にも人気。翌年、流木を店舗に持ち込むと、新しいお正月飾りを作ってくれる。 5,500円〜1万円前後で発売予定

 このお正月飾りを束ねてくれたのは、中目黒に店舗がある「atelier cabane」。15年以上にわたってお正月飾りを販売。新潟県三条市の特別栽培米を育てている米農家のところへ9月末ごろ足を運び、収穫を手伝ったのち、余った稲藁と稲穂を分けてもらっているのだそう。その稲藁を使用し、縄の本数までこだわって、ひとつひとつ手作業でしめ縄を綯(な)っている。そのしめ縄と、実のなる植物、葉を落とさない常緑樹、五穀豊穣を祈る稲穂を組み合わせ、毎年少しずつ風情を変えて販売。
心のこもったお正月飾りのしめ縄は、お正月の時期だけでなく、インテリアとして長く飾っている人も多く、一年を通して家を見守ってくれる。一点もののため、一期一会の出合いを楽しみながら選びたい。

画像: 置き物型のお飾りも販売。床の間や、玄関先などに置いて洒脱な雰囲気に。 販売価格は5,500円を予定

置き物型のお飾りも販売。床の間や、玄関先などに置いて洒脱な雰囲気に。 販売価格は5,500円を予定

 中目黒と祐天寺の間にある「atelier cabane」は、店主・高橋有希さんのアトリエ兼ショップ。小さな鉢植えや植物が迎え入れてくれる入り口の先には、温かみのある高橋さんの世界観がぎゅっと凝縮された空間が広がる。ドライフラワーや雑貨なども並ぶ気取りのない店内だが、大切にしたい植物や愛らしい花が見つかる街のお花屋さんだ。

画像: 自宅へ招かれたようなアットホームさを感じる店舗で、お気に入りを探してみては?

自宅へ招かれたようなアットホームさを感じる店舗で、お気に入りを探してみては?

atelier cabane
アトリエ・カバンヌ
住所:東京都目黒区上目黒2-30-7
営業時間:11:00-18:00
定休日: 2023年12月31日〜2024年1月中
(営業開始日はインスタグラムを確認)
TEL. 03-3760-8120
お正月飾りのオンラインショップはこちら
公式インスタグラムはこちら

※記事掲載のフレッシュ花材のお正月飾りの販売は、中目黒店で、12/23,25,26,29,30を予定。お正月飾りは一点もののため、詳しくはオンラインショップ、またはインスタグラムを要確認。

参考文献:『花と短歌でめぐる 二十四節気 花のこよみ』株式会社KADOKAWA
『くらしのこよみ 七十二候の料理帖』平凡社

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